PDF管理組合の意思決定の諸問題、5管理組合の資金面も含めた運営方法から]

第2章 管理組合の組織と運営

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総会の手続と決議

準管理規約では、議決権総数の過半数を有する組合員の出席が必要としてい ます(標準管理規約47条1項)。この出席者数には、委任状や議決権行使書面

どのような基準で決めるのかは大変難しい問題です。

(3) 議決権の行使方法 書面・代理・電磁的方法 組合員は、原則として自ら総会に出席して議決権を行使します。総会は、
管理組合の最高意思決定機関であり、業務執行が適正に行われているかを監 督する貴重な機会ですので、組合員自らが出席することが望ましことは間違

を提出した組合員も含まれます。

(2) 議決権 議決権とは、総会(集会)において決議に参加できる権利をいいます。議 決権を有するのは、区分所有者です。

区分所有法は、1人の区分所有者が必ず少なくとも1個の議決権を有する ことを前提にしています(区分所有法39条1項)。なお、1戸の住居を数人で
共有する場合は、共有者全員で1個の議決権を有するものと考えて、議決権 を行使する者1人を決めなければなりません(同法40条)。 |
議決権の割合は、区分所有法14条に定める割合、すなわち各自の共用部 分の持分(各自が有する専有部分の床面積の割合)によるのが原則ですが、規
約により、別段の定めをすることも可能です(区分所有法38条、14条1項)。 たとえば、共用部分の持分の割合が小数点以下の差であるときは、採決の計
算の便宜を考えて、住戸1戸あたり1戸の議決権と定めるような例が多いよ うです。規約で定める場合には、区分所有者間の利害の衡平を図らなくては
なりません(同法30条3項)。議決権の割合について共有持分の割合(専有部 分の床面積割合)と異なる基準を採用する場合も衡平の原則に従わなくては
なりません。上記のような例であれば、衡平原則には反さず、合理的な規定 であるといえるでしょう。

平成28年改正の標準管理規約のコメントでは、階数(眺望、日照等)や方角(日 照等)等による専有部分の価値の違いに基づいて議決権の割合を定めること
も考えられるとされました(標準管理規約46条関係コメント)。タワーマン ションなどの高層のマンション等を念頭においているのでしょう。他方で、
マンションの新たな管理ルールに関する検討会の議論でも改正コメントに も、管理費等の負担割合について、専有部分の価値に応じて重くするとの言
及はありません。専有部分の「価値」に応じて議決権の割合を決めるとする 規約は、衡平の原則上問題が出そうです。そもそも、専有部分の価値を誰が

いありません。

例外的に、代理人に委任して議決権を行使する方法、議決権行使書面を提 出して行使する方法があります(区分所有法39条2項)。また、管理規約また
は総会の決議により、電磁的方法によって議決権を行使することもできます (同条3項)。この電磁的方法とは、電子メールの送信やWebサイトへの書き
込み、CD-ROMなどメディアの交付などが考えられますが、議決権を有す る組合員本人による議決権行使であることの確認につき、慎重に行う必要が
あるでしょう。具体的には、パスワードの設定や電子署名の措置などが考え られます。

さらに、総会を開催せずに決議を行う方法も認められています。組合員全 員の承諾がある場合に採用できる方法で、書面または電磁的方法による決議
(書面決議。区分所有法45条1項、標準管理規約50条1項)と、一定の事項につ いて、組合員全員の書面または電磁的方法による合意(全員一致)が成立し
たことで書面決議があったものとする場合(区分所有法45条2項、標準管理規 約50条2項)です。

平成28年の標準管理規約改正で、代理人の資格を、組合員の配偶者(事実 婚を含む)または1親等の親族か、組合員と同居する親族、その他の組合員
に制限しています。規約で代理人の資格を制限することは許されますが、1 親等の親族に限定する合理的な理由はないと思われます。

4 決議事項と決議要件

総会の決議要件には、普通決議と特別決議の2種類があります。それぞれ の議決事項については、(表2)のとおりです。

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第2章 管理組合の組織と運営

このうち、特別決議が必要とされる事項については、すべて総会の決議に よって定められなければならず、これをたとえば規約によって定めるとする
ことはできません。

普通決議事項については、規約により総会決議以外の方法によって決する ものとすることができる事項があります(区分所有法39条1項。(表2) 注1)。

(表2) 区分所有法に定める普通決議事項と特別決議事項

(( )内は区分所有法の条番号を示す) 種類」必要定数

19 (変更および保存行為を除く)共用部分の管理(18条1項本「注1

5 議事録の作成

# 1

総会が終了したら議事録を作成します。議事録は総会の議長が作成しなけ ればならず(区分所有法42条1項)、議事の経過の要領とその結果を記載しま
す(同条2項)。そのうえで、議長および出席した組合員のうち2名が署名押 印します(同条3項)。これは、議事録に記載された内容の正確性を担保する
ためです。標準管理規約にも同様の内容が定められています(標準管理規約

49条)。

総会で決議された内容は、区分所有者全員がこれに従わなくてはなりませ ん。このように、総会における議題や討議内容、議決権行使の状況や賛成者
数などは、総会の運営において極めて重要なものです。これを記録するのが 議事録ですから、その重要性に鑑み、議長が議事録の作成を解意したり、虚
偽の内容を記録したりした場合には、20万円以下の過料に処せられます(区 分所有法71条3号)。また、議事録を保管しなかった場合も20万円以下の過

料に処せられます(同法71条1号、42条5項、33条1項)。

(変更および保存行為を除く)区分所有者の共有に属する敷」注1

地または附属施設の管理(21条、8条1項本文) 管理者の選任・解任(25条1項) 管理者に対する訴訟追行権の授権(26条4項)

È3 管理者がいない場合の規約、議事録、書面・電磁的方法に「注3 よる決議に係る書面・電磁的記録の保管者の選任(33条1

項ただし書、42条5項、45条4項) RJ 1250

議長の選任(41条)

È 1 BLOED

管理組合法人の理事および監事の選任・解任(49条8項、50|注1 OTUBRE

条4項、25条1項) Datu

理事が数人ある場合の代表理事の選任または共同代表の定|注3 め (49条5項) 管理組合法人の事務(52条1項本文)

2 共同利益に反する行為の停止等の請求の訴訟提起(57条2|注4 項・4項) 区分所有法57条ないし60条の訴訟追行につき、管理者等に「注4
対する訴訟追行権の授権(57条3項・4項、58条4項、59 条2項、60条2項) 小規模一部滅失の場合の復旧(61条3項)

È 1 注1 管理規約に定めるところにより、総会決議以外の方法(たとえば理事

会決議)で決めることができる。 注2 特別決議にて決議すべき事項および区分所有法57条2項に定める事
項以外の事項については、管理規約に定めるところにより、総会決議以 外の方法(たとえば理事会決議)で決めることができる。 注3
管理規約自体により定めることも可能である。 注4 必ず集会の決議によらなければならない。

6 総会決議と「特別の影響」を受ける者の承諾

(1) 区分所有法31条1項の趣旨 区分所有法31条1項は、「規約の設定、変更又は廃止が一部の区分所有者
の権利に特別の影響を及ぼすべきときは、その承諾を得なければならない」 と規定しています。

区分所有法は、規約において区分所有建物の管理や使用に関する区分所有 者相互間の事項について定めることとしており(区分所有法30条1項)、その

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とならないように、規約の設定等においてその者の承諾を必要とすることで

区分所有者間の利益の調整を図ったものです。

区分所有法31条1項では、規約の設定・変更・廃止の場合について定め られていますが、総会決議によって一部の区分所有者の権利に特別の影響が
及ぶ場合も上記の趣旨は同様に妥当するものですから、この場合にも区分所 有法31条1項が類推適用されると考えられています(最高裁平成10年10月30
日判決(民集52巻7号1604頁))。

(2) 判断の仕組み

共用部分の変更(17条1項)

5

È 7 区分所有者の共有に属する敷地または附属施設の変更(21| # 5 条1項、17条1項)

È 7 規約の設定・変更・廃止(31条1項)

È 6 管理組合法人の成立 (47条1項)

È 7 管理組合法人の解散(55条1項3号・2項)

7 4503

共同の利益に反する行為をした区分所有者に対する専有部「注7

分の使用禁止請求(58条1項・2項) 共同の利益に反する行為をした区分所有者に対する区分所」注7 有権の競売請求(59条1項・2項)
共同の利益に反する行為をした占有者に対する引渡請求(注7 (60条1項・2項)

大規模一部滅失の場合の復旧 (61条5項)

À 7 5分の4|建替え(62条1項)

団地内の区分所有建物につき、団地の規約を定めることに注7 4分の3|ついての各棟の承認(68条1項2号)

団地内の建物の建替え承認(69条1項・7項) 5分の4|団地内の建物の一括建替え(70条1項)

7 注5 区分所有者の定数については、規約によりその過半数まで減少する

ことができる。 注6 特別多数の定数を、規約によって増大することも減少することもで

きない。 注7 規約において、議決要件を厳格化して団体的拘束を緩和する方向で

別段の定めをすることができる。反対に、議決要件を緩和して団体的拘 束を強化する方向の定めをすることはできない(共用部分の変更、区分所
有者の共有に属する敷地または附属施設の変更を除く(注5参照))。

È 7

7

このような規定の趣旨・目的から、区分所有法31条1項にいう「特別の影 響を及ぼすべきとき」とは、「規約の設定、変更等の必要性及び合理性とこれ
によって一部の区分所有者が受ける不利益とを比較衡量し、当該区分所有関 係の実態に照らして、その不利益が区分所有者の受忍すべき限度を超えると
認められる場合」をいうとされています(前掲・最高裁平成10年10月30日判決)。 また、規約改正の内容が「一部の区分所有者の権利に影響を及ぼす場合に、
当該区分所有者の承諾を要するとされていることから、その影響が区分所有 者全体に一律に及ぶ場合には個々の区分所有者の承諾は必要でないとされて
います。ただし、この基準で決着がつけられたとされている裁判で問題にな った事案を分析すると、その裁判所の判断においては、先に述べた比較衡量
を経た実態的な判断によっていると考えるべきものもあり、結局はその事案 ごとに規約改正の必要性や合理性、個々の区分所有者の不利益の程度や内容、
従前からの経緯など、事案に即し個別的・具体的な判断がなされているとい えるでしょう。

つまり、まず、D規約の設定、変更などの必要性および合理性という区分 所有者全体の利益と、その規約の設定、変更などによって当該一部の区分
所有者が被る不利益とを比較したうえで、当該マンションに即した具体的 な区分所有関係の実態に照らして、一部区分所有者の受ける不利益が受忍限

度を超えるものといえるかどうかが判断されるのです。 ここで注目すべきなのは、単純に多数者の利益(決議等に賛成した側)と少

範囲は区分所有建物の管理全般に及ぶ広いものです。そして、このように広 い範囲につき定められる規約について、多数者の意思によって少数者の権利
が制限されたり、場合によっては否定されたりすることになることから、そ れによって「特別の影響」が及ぶこととなる者について、不当な権利の侵害

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数者の不利益(決議等に反対した側)とを比較するだけで結論を導くのではな いということです。これらの比較衡量をしたうえで、さらに当該マンション
において従前とられてきた措置の内容・経緯、問題となる決議等に至った背 景・理由、代替措置の有無やその内容といった具体的な区分所有関係の実態・
内容を詳細に検討したうえで、「特別の影響」といえるかどうかが判断される、 ということです。

(3) 裁判例の紹介 では、具体的な事案について類型別に検討してみましょう。 (A) 専用使用権の変更・廃止

専用使用権の使用料の増額については、増額の必要性および合理性が認め

られ、かつ増額された使用料が当該区分所有関係において社会通念上相当と 認められる場合には、専用使用権者は使用料の増額を受忍すべきであり、「特
別の影響」に該当しないとされています(前掲・最高裁平成10年10月30日判決)。 その判断においては、増額された使用料が社会通念上相当なものかどうか、
また、社会通念上相当とされる増額幅はどのくらいか、については、分譲当 初の対価やマンション本体価格との関係、近隣相場との関係、使用期間、対
象となる専用使用部分の維持管理費用など、諸般の事情を総合的に考慮する とされています。

一方、専用使用部分を消滅させる決議については、専用使用権者の権利自 体を奪うものであることから、一般的に「特別の影響」があるとされる傾向
にあり、有償化決議については、有償化の必要性や合理性が認められ、設定 使用料が社会通念上相当であるとされる場合には、受忍限度内とされる傾向
にあります(最高裁平成10年11月20日判決(判タ991号121頁)、東京高裁平成11

年7月27日判決(判タ 1037号168頁)など)。 (B) 専有部分の使用目的(用途)の制限など

たとえば、規約上、専用使用部分の用途について店舗などの事業用途も認 めていた(複合用途型)場合に、住居専用の用途制限に規約を変更しようとす

更する場合などが考えられます。 このような規約変更では、規制されることとなる行為の内容や性質、当該
マンションにおける従来の専有部分の利用目的や利用実態、規制(規約変更) により一部の区分所有者が受ける不利益の具体的な内容や程度、他の区分所
有者が受ける利益の具体的な内容や程度といった諸般の事情を総合的に考慮 して「特別の影響」の有無が判断されています。

具体的には、の動物の飼育を一律に禁止する内容の規約変更について、盲 導犬などその動物の存在が飼い主の日常生活そのものに不可欠な意味を有す
る場合はともかく、一般的なペットの飼育がそのような意味はないことから 「特別の影響」を受ける場合にあたらないとされた事案(東京高裁平成6年8
月4日判決(判タ 855号301頁))や、2店舗部分の営業時間を午前10時から午
後10時までに制限した総会決議について、当該マンションの構造(4階から 12階までが居住用であり住民の生活環境維持の要請が強い)や飲食店も含めた通
常の店舗営業形態からしてこの制限に合理性があるなどとして、「特別の影 響」を及ぼすことを否定した事案(東京高裁平成15年12月4日判決(判時1860号
66頁))、いわゆるリゾート地に存在するマンションについて、不定期に保 養施設として使用する範囲を超えて使用することを原則的に禁止する規約改
正がなされたことについて、所有者がその所有物を本来の用方に従って使用 収益することは所有権の本質的内容であることを指摘し、当該規約改正以前
から生活の本拠として居住してきた区分所有者に「特別の影響」を及ぼすも のとした事案(東京高裁平成21年9月24日判決(判タ
1319号145頁))などがあり

7. (C) 専有部分の共用部分への変更

専有部分という区分所有者自身の所有権の対象物について共用部分に変更 するという内容であることから、一般的には、「特別の影響」を及ぼすものと
される傾向です。ただし、決議等の必要性や合理性、その決議の理由、区分 所有者が受ける不利益の内容や程度などに照らして受忍限度内とされる場合
には「特別の影響」が否定される場合もあります。

る場合、店舗の営業を認める時間について従前よりも短くする規定に規約変

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第2章 管理組合の組織と運営

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該規約改正を受け入れていることを指摘して、「特別の影響」に該当しないと
した事案(最高裁平成22年1月26日判決(集民233号9頁・判タ1317号137頁))な どがあります。

7 総会決議の効力

事案としては、O旧規約においてはバルコニーを専有部分としていたもの を共用部分とする規約改正について、建物の安全確保、美観の維持・向上
の観点からの必要性・合理性があり、他方で、共用部分とされても専用使用 権の設定により区分所有者が受ける不利益が格別のものとはならないことを
もって、「特別の影響」なしとした事案(東京地裁昭和61年9月25日判決(判時
1240号88頁))がある一方、2バルコニーや階段部分について規約共用部分と した規約改正について、バルコニーや階段部分を専有部分とすることが必ず
しも当該マンションの美観の維持・向上を害するといえないのに対し、共用 部分とすることによる区分所有者の不利益は小さくないとして「特別の影響」
を及ぼすとした事案(東京地裁平成19年7月26日判決)もあります。

(D) 管理費等の費用負担等の変更 「規約変更等により一部の区分所有者に不利益が生じる場合ではあっても、
その変更に必要性・合理性が認められ、かつ、不利益の程度が軽微なもので あったり、改正前の状況こそが不合理なものであると認められたりする場合
には、その不利益は受忍すべきものとして「特別な影響」が否定される傾向

5.

事案としては、一部の区分所有者が負担するとされていた管理費が他の 区分所有者の負担と比較して著しく低廉であった場合にこれを是正する規約
改正について、専有部分の面積に応じた金額を設定することに合理性がある ことや従前の金額設定が不合理であることを指摘して「特別の影響」を否定
したもの(東京地裁平成5年3月30日判決(判時1461号72頁))や、 非居住組 合員について、管理費に加えて住民活動協力金という名目で新たに経済的に
負担すべきという内容の規約改正につき、当該マンションの規模の大きさか らして保守管理や住環境維持に管理組合活動や組合員の協力が不可欠であ
る一方で、非居住組合員の専有部分が多数に及んでおり、これらの者が組合 活動の負担なく良好な環境の維持という利益を享受する関係となっているこ
と、規約変更により非居住組合員が負担することとなる金額は居住組合員の 負担に比して約15%増加するにとどまること、非居住組合員の大部分が当

(1) 規約および総会決議の効力 管理規約および総会決議は、区分所有者の特定承継人に対してもその効力
が及びます(区分所有法46条1項)。また、専有部分の占有者は、建物、敷地、 附属施設の使用方法について、区分所有者と同一の義務を負っています(同
条2項)。

これらの規定に関しては、標準管理規約においても、同内容の規定がおか れています(標準管理規約5条1項・2項)。

(2) 総会の議決の有効期間 総会の議決について、有効期間に一律の基準はありません。議決がなされ
た後に、何らかの理由でその内容に従った具体的な履行がされていない場合、

当該決議については一定期間に限定して効力が認められることが明記されて いたり、決議の趣旨からその効力が一定期間に限られるものであることが明

白であるといった場合を除き、期間の経過のみを理由としてその効力が当然 に無効とされるものではありません。

そのため、未履行の決議についてその内容に従った措置を講じるか、すで に効力を失ったものとしてあらためて総会で議決すべきか等、当該決議の趣

旨や内容から判断することとなります。

(3) 総会決議の無効 管理組合の総会は、区分所有法34条以下に定める招集・決議に関する規
定に則っていなければならないものですが、その手続に瑕疵があった場合の 決議の効力については、特に明文の定めはありません。

この点については、総会決議の手続に瑕疵がある場合は、原則として当該 決議は無効と考えられます。一方で、外形上いったん有効なものとしてなさ

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第2章 管理組合の組織と運営

II 管理会社をめぐる問題

それだけではなく、日頃の広報が継続的に行われていること、決定までに、 たとえば、アンケートや聴き取りなど、区分所有者の意思を確認するプロセ
スを踏んでいることがとても重要です。つまり、区分所有者の多数の意思を 反映する形で総会運営しているのかが、ポイントとなります。

理事長が独断専行で総会提案すると反対にあうのは、そのようなプロセス を踏まないためです。また、総会における提案を理解してもらうために、わ
かりやすい資料を付けることも重要です。総会運営を円滑に進めるためには、 コミュニケーションをとりながら、わかりやすい資料を作成し、多数の意思
を尊重して、臨む姿勢が求められます。それが結果として、充実したマンシ ョンライフを送ることにつながります。

れた決議について、事後にその効力を否定する場合は、やはり安定したマン ション管理運営にとっては支障があるといえます。そのような観点から、そ
の瑕疵が極めて軽微な程度にとどまるものであって、かつ、決議の結果に当 該瑕疵が影響を及ぼさないことが明白であるような場合には、例外的に当該
決議を有効とすべきものといえます。

具体的には、瑕疵の内容や程度、瑕疵に至った経緯、決議の具体的内容や 重要性といった諸般の要素を勘案してその有効性が判断されます。

裁判例では、総会において旧管理規約を廃止して新規約を制定する決議 がなされたものの、総会に先立ち、あらかじめ旧規約廃止・新規約制定を議
題とする旨の通知がなく、議案の要領の通知も欠いていた事案で、「召集手 続の瑕疵は決して軽微なものとはいえ」ないとして決議を無効としたもの(東
京地裁昭和62年4月10日判決(判時1266号49頁))や、 理事選任決議や規約変
更決議について、総会において理事に選任され、その後理事の互選により理 事長となった者が、当該総会において、代理人と称する区分所有者でない多
数の者を出席させて威圧的な言動をした事実などから理事選任決議を無効と し、また、翌年の総会における規約変更決議は、無効な決議によって選任さ
れた理事長が招集したものであり、区分所有法35条5項が定める議案の要

領の通知もなく、特別決議の要件を充足していないことを認定したうえで、 「招集権限のない者によって招集された総会であり、区分所有法所定の事項
等をあらかじめ通知せず、特別多数決議の要件も満たさない規約変更決議を 行うなど瑕疵が著しい」として決議を不存在と判断したもの(東京地裁平成13
年2月20日判決(判タ1136号181頁))等があります。

II 管理会社をめぐる問題

1 自主管理方式と管理委託方式

管理組合は、「建物並びにその敷地及び附属施設の管理」を行う団体ですが、 その業務の内容は、共用部分等の保全、保守、清掃、修繕、長期修繕計画の
作成と実施、予算・決算の作成、出納などの会計業務、管理費等の徴収、滞 納管理費等に対する措置、広報や渉外業務等々、多岐にわたります(標準管
理規約32条参照)。

以上のマンション管理を行う方式には、自主管理方式と管理委託方式があ 135.

管理会社に委託するのではなく、管理組合とそれぞれの業者が直接契約す る方式を自主管理方式と呼びます(すべてを管理組合で独力実施する場合は、

今ではあまりみられませんが、一般的に自力管理方式と呼びます)。 一部を管理会社に委託する場合は、管理委託方式のうち部分委託(一部委
託)と呼びます。また、すべてを管理会社に委託する場合は、管理委託方式 のうち全部委託と呼びます。

現在では、ほとんどのマンションで管理委託方式を採用しています。信頼

8 区分所有者の意思が反映される総会運営

管理組合の最大の課題は何かと問われれば、それは、物事の決め方や手続 だといえるかもしれません。マンションでは、実にさまざまな問題が発生し、
その取組み方が日々問われています。区分所有法、管理規約、細則などが、 物事を決めるのに重要な役割を果たしていることは間違いありません。ただ、

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