家賃を滞納した賃借人を退去させ、未払いの賃料、原状回復費用も回収できた事例

家賃を滞納した賃借人を退去させ、未払いの賃料、原状回復費用も回収できた事例

 

第1 依頼内容と結果

マンションオーナーの高木様(仮名)が賃貸中のマンションについて家賃を数か月滞納しているとの相談を受けました。

高木様いわく「その賃借人の菊地さん(仮名)は、20代の方で定職についておらず安定した収入がないようだが、親が有名人であり、あまり大袈裟にしたくない。そこで、あまりことが荒立たないように解決をしたい。第1に退去、それがダメなら第2に保証会社などの第三者を新しく保証人に設定したい」とのことでした。

当職らが事件を受任し、結果として、菊地さんには退去をしてもらい、かつ未払いの賃料をすべて払ってもらい、また、敷金から一定の原状回復費用(建物の修繕費用)も払ってもらうことが出来ました。

 

第2 ご相談内容(事案背景)、解決方法、費用・時間と得られた利益

 

1 ご相談内容

高木様は、ご相談の際に、今までの賃料の支払の経緯を詳しく教えてくれました。

持参していただいたのは、当初の契約書、更新契約書、賃料の支払履歴がわかる口座の通帳等でした。

賃料は、約定通り払ってもらっている月もありましたが、未払いの月や、支払の遅延が生じていた月もかなりあり、未払分の合計は家賃の数十か月分にも及んでいました。

賃貸借契約のような継続的契約で、しかも日本の法律は賃借人を保護するというスタンスに立っているため、単なる数か月分の家賃の不払いだけでは、信頼関係が破壊されたとは判断されず、裁判になっても簡単には解除は認められません。

しかし、本件ではおそらく信頼関係が破壊されたと言えるだけの賃料不払いだと判断されました。

また、高木様が賃料の支払経緯が一目でわかるように口座を管理しておいてくれたおかげで立証は十分だと判断されました。

ただ、やはりご依頼人の要望で事を荒立てないようにということでしたので、協議で解決することを第一の目的にしました。

2 解決方法

まず、内容証明(郵便)を賃借人の菊地さんに送りました。

この時、弁護士名で送るわけですが、一般の人にとって見れば、たとえ自分が賃料を支払っていないことを解っていても、弁護士から内容証明が届くということはびっくりするものです。

当職らは内容証明の文章については、特に気を使っております。

あくまでも話し合いで解決するつもりで、裁判沙汰にはしたくないことを前面に出し、説得をするつもりで文章を起案しました。

また、菊地さん本人だけに文章を送っても解決できない可能性もあるため、同時に連帯保証人にも内容証明を送りました。

内容証明には「今後はすべて弁護士である当職らが窓口になりますので、賃貸人にはご連絡をしないようにお願い致します」という旨の文言を入れてあるため、賃貸人の高木様には煩わしい交渉には一切登場頂かなくて済みます。

内容証明では、いきなりこちらから電話をするより、先方からの電話を可能な限り待ちました。

なぜなら、先方に心の準備とある程度の条件の提案をさせるためです。

そして、菊地さんから当職に電話がありました。

そこで、当職はなぜ払わないのか、払う意思はあるのか、当てはあるのか、払わないことで賃貸人がどのような苦労を強いられているか、弁護士費用で相当額をすでに損失していること、などを話しました。

このように相手の方とも親身になって話をすることが大事だと考えております。依頼者だけでなく相手の信頼をも得ることが示談交渉のポイントだからです。

結局、減額の条件はこちらからは一切出さないまま、相当時期の退出と未払の家賃の分割払いの合意をすることが出来ました。当然連帯保証人とも同様の合意をして、かつ、合意書を作成しました。

また、これで次に支払わない時は、この合意書を証拠として提出し裁判をすると説明をしておきました。

また、退出の際の敷金の返還合意も同時に行いました。この合意に際して、高木様が菊地さんから預かっている敷金から原状回復費用として、菊地さん側の都合で損傷を与えてしまった部分の建物の修繕費を控除して敷金を返還することも合意できました。

3 依頼者の支払った弁護士費用と時間、およびそれにより得られた利益

高田様は当事務所に着手金、報酬金合わせて一か月の家賃の約6か月分の弁護士費用をお支払いいただきました。

要した期間は約2か月。それにより、賃料未払分を回収し、敷金から一定の修繕費を回収することもできました。

賃借人側にとっても、裁判などをすれば敗訴が濃厚でありますし、短期で争い無く解決したのでありますから、それほど不利益ではなかったはずです。

今回はうまく事件が解決した良い例でしたが、このような場合ばかりではありません。徹底的に争いになることもあります。しかし、裁判手続きをすると時間もお金もかかる事ですし、当職らは、まず第一に協議で解決するのが一番いいと思っております。協議方法・内容も技術の一つだと思います。

このため、当事務所は、協議のスキルを上げるため研鑽し続けております。

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