底地権,借地権の価格

第2 底地権,借地権の価格

1 一般的な調査の仕方

●更地価格=底地権価格+借地権価格
●借地権割合=借地権価格/更地価格(路線価図のA~G 路線価図を見ると上部欄外に詳しい説明がある 税務署のホームページ http://www.rosenka.ntaa.go.jp/)
●一物四価
種類 金額 内容
実勢価格 100% 売買の市場価格
公示価格 90% 国土交通省発表1月1日時点の標準地の価格(よく銀座の○○の土地が云々とニュースであるやつ)。
路線価 70~80% 国税庁が発表するその年の1月1日時点の価格。相続税。贈与税計算の際に評価額の基礎となる。
固定資産税評価額 60~70% 市区町村が算定する3年ごと1月1日時点における価格。固定資産税,不動産取得税の計算の基礎となる。

 

 

2 流通する場合の価格の実情

●路線価図では借地権割合は10%刻みで,かつ堅固・非堅固を区別していない。

しかし,実際は堅固建物目的での借地権と,非堅固建物借地権では価値が違う。
そこで,堅固建物では+5%~+10%,非堅固建物では-5%ぐらいが借地権割合となる場合が多い。
●しかも,流通する場合にその値段で借地権を買い取ってもらうことが難しいのはご
存じのとおり。
不動産情報でも,安いと思ったら実は土地所有権ではなく借地権であったということはよくある。
消費者は借地権での売買を嫌う傾向があるので(もちろん利回りを考えればむしろお買得の物件も多いが)実際の流通価格は前述の借地権価格の2/3以下ということも珍しくない。

 

 

3 底地を借地人に買い取ってもらう

●確かに借地人も借地関係を終了させたいと積極的に思っている場合でないと,なかなか,借地人が底地を買い取ることを承諾しないのが現状。なぜなら,地代が土地価格に比べて非常に低額であることが通常であり,しかも土地を所有すると固定資産税,都市計画税など負担があるので,それを押しても底地を買おうという借地人は少ないからである。
●しかし,何もしないのでは借地関係は終了することはない。
説明をする機会を作って説得をしてみることから始めなくてはならない。
その際には,
借地人に対しては将来,借地権付きで建物を売却する際には,借地権の価格が大幅に評価が下がってしまい,低額でしか売れないことを説明する。
そうであれば,底地権を買い取ったうえで,土地所有権として建物を売った方が底地の買い取り以上の利益があることを説明する。
結局,借地人が建物を第三者に売却したいと言い出し,地主の承諾を求めてきた時は最大のチャンスである。同じことは建替えの希望を出してきたときも言える。
また,たとえ建物を売却する意思がない場合でも,いずれ代替わりで娘婿に借地上の建物を譲ろうとしている借地人がいた場合は,借地権の譲渡承認等で承諾料がかかること,および土地賃貸借の更新の際に更新料がかかることを説明し,そうであるなら,前もって底地権を買い取ってもらうように説得することも有効と考える。

 

 

4 借地権を地主が買い取る

逆に地主がどうしても土地を手放したくない場合は,建物を譲渡しようとしている借地人には,通常の流通価値としての借地権の価値が低いことを説明し,自ら借地権付きの建物を安く買い取ることによって借地関係を終了しうる。また,老人で住んでいる建物を引き継ぐものがいない場合,老朽化した建物自体市場では人気がなく,かつ借地権だけを買い取ってくれることも少ないであろう。そこで,そういった借地人には老後の余生を有意義に過ごすために借地権を現金化することを進める。すなわち,地主が借地権と老朽化した建物を買い取ったうえで,建物賃貸借契約を結んで住み続けてもらうという方法がある。
借地権者としては地代を払っていたものが,家賃を払うことになり毎月の出費は大きくなるが,借地権の売却金がいっぺんに入るしもしもの時に,借地権の相続問題や売却のための地主の承諾など煩わしい問題を後世に残さないで済むというメリットがある。そのことを説明すれば地主としては借地関係を終了させる有効な手段となる。
 
第3 底地を第三者に買い取ってもらうこと
1 借地人の承諾は不要
2 賃貸人たる地位の移転
3 敷金・権利金・保証金の移転
4 未払い賃料債権の移転

 

 

 

第4 借地権を第三者に売却すること

1 地主の承諾が必要

●賃貸借契約が信頼関係に基づくものであることからどのような人物が借主となるかに関して地主としては大きな利害関係を持つ。そのために借地権を譲渡するには地主の承諾が必要となる。多くは,借地上の建物(借地人が自費で建てたもの)を第三者に譲渡するときに法律上当然に借地権も一緒に譲渡されることから,原則,地主の承諾がない限り建物を譲渡できないというケースが考えられる。
 
●仮に地主の承諾が得られる場合は,承諾料がいくらになるのか,期間更新をしてくれるのか,その際の更新料はいくらになるのか,建物の増改築を承諾してくれるのか, 承諾料はいくらなのか,借地条件の変更の承諾をしてくれるか,その承諾料はいくらかについても予め明らかにしたうえで売却することが通常である。なぜなら,買い手としても,地主の様々な承諾が予め得られていないと借地権を買い取ることに消極的となるからである。
 
●なお,譲渡の承諾をする際は,すでに支払っている権利金を未払い地代などに充当したうえで返還し,新たな借地権者から権利金を受け取ることを条件とすることが多い。この定めをしないまま借地権の譲渡が行われた後に,旧借地権者から権利金の返還請求をされたら,地主としては支払いを拒むことが出来ないので注意が必要である。あとから,あわてて新たな賃借人に権利金を請求しても合意にない以上支払ってくれないという事態になってしまう。
 
●地主の承諾が得られない場合は借地権者としては借地非訟手続により裁判所の代諾許可を得なければならない。したがって,裁判所の許可が出ることを停止条件として借地権の売却の契約を交わさなくてはならない。通常裁判に要する期間は6か月から1年かかる。
また,譲渡承諾をしない地主は,当然建替えの承諾や借地条件の変更の承諾もしないのが通常であるから,借地人としては建替えの承諾の申立や,借地条件変更の申立も併合して裁判所に訴訟提起しなければならない。
 
●これだけでも,地主の承諾がないと借地権を売却するのが困難が伴うのに,更に以下の困難がある。
借地権を買い取って建替えの承諾を裁判所で得られても,銀行から抵当権を建物に設定するのに地主の承諾が必要となる。この承諾は裁判所で代諾ではできない。
また,地主の介入権(借地借家法19条3項 借地人が譲渡承認の申立を裁判所にしたときに地主が自ら借地権を買い取る旨の申し立てをする制度。この申立がされたら原則として地主の介入権が認められ,第三者への譲渡許可は取得できなくなる)を行使されたら,借地権が譲渡できないので,そのことも停止条件とした契約をしなくてはならなくなる
 
●このように地主の承諾がないと事実上借地権は譲渡できないことを借地人に説明をして今のうちに借地権を地主に譲渡して,建物賃貸借に切り替えることを勧めるのが有効な方法かもしれない。

 

 

2 承諾料の相場

借地権価格の10%前後が相場である(裁判所の譲渡承諾の裁判の際に命じられる財産的給付が,通常借地権の価格の10%前後である)もっとも,借地権譲渡の承諾だけでなくたとえば抵当権の設定の際の承諾を同時にもらう場合等もあるため,上乗せの交渉となることが多い。
 

 

2-2 ちなみに建替えの承諾,借地条件の変更の承諾にかかる承諾料の相場

建替えの承諾料や,借地条件の変更の承諾料は,更地価格の3%から10%といわれている

 

 

3 承諾に代わる裁判

 

 

4 介入権について

 

 

5 譲渡承諾の申立と増改築の許可の申立の併合

 

 

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底地権,借地権の価格について

底地と借地権をいっぺんに第三者に買い取ってもらうこと