住宅ローンの滞納

住宅ローンを滞納してしまうと、延滞解消の督促状やさらには放置しすぎると裁判所から競売開始の通知書が届きます。こうなってしまった場合、解決するためには主に下記の3つの方法が考えられます。

・住宅の任意売却
・住宅の競売
・個人再生申立て

ここではこの3つについて簡単に説明していきたいと思います。

(1)住宅の任意売却
 

任意売却とは、住宅の所有者と債権者との間に仲介者が入り、不動産を競売にかけることなく、所有者・債権者・その住宅を購入する人の納得のいく価格で住宅を売却することをいいます。

この方法の一番のメリットは所有者=あなたの納得が前提となることかもしれません。

また、一般的には任意売却の方が競売よりも高額で売却出来るとも言われています。しかし、売却価格より、債務額の方が大きいオーバーローン物件の場合は、任意売却しても債務が残ってしまいます。このような場合、住宅を売却後にしばらくしてからローン返済の督促状が来て困惑する。という事態を招きかねません。そのため、オーバーローン物件の場合は特に注意が必要です。  

債務関係に強い弁護士等に相談することもおすすめします。オーバーローン分の最終的な解決策は

①破産申立て
②個人再生申立て
③任意整理

となります。

(2)住宅の競売

競売とは借入金の返済が出来ない場合に債権者が裁判所に申し立てて、結果、裁判所が売却する住宅を競売物件として最低売却価格以上の価格で落札する方法です。競売手続では、執行官が物件調査を行います。住宅の中に入り、写真を何枚も撮られたりします。

この写真は競売記録の一部となり、インターネット等で公開されることもあります。
また競売では、最高価格を付けた人が買受人になるわけですが、どこの誰(法人の場合もあります)が落札するかわかりません。これらのことが嫌だと思われる方は、任意売却の方法を選択することをお勧めします。  

しかし、大都市圏、特に東京の都心部等では任意売却物件が相対的にみて比較的少なく、かつ競落後の転売が比較的容易なためか、一般論に反して任意売却よりも競売の方が高額になることがままあります。

(3)個人再生申立て

将来にわたって住宅ローンを返済していけるだけの安定的収入が見込める方は、住宅をあきらめる必要はありません。
保証会社が住宅ローンの滞納により住宅ローン借入金を住宅ローン借入人に代わって債権者に返済した代位弁済日から6ヶ月を経過していなければ住宅資金特別条項付個人再生申立てという解決方法があるからです。

このような場合は例え競売手続が始まってしまっていてもこの個人再生申立と同時に競売手続の中止を申し立てれば、競売手続を止めることが出来ます。

個人再生申立にはいくつか種類がありますが、住宅資金特別条項を利用するためには、法定要件があり、住宅ローン以外の抵当権等担保権が住宅に設定されている場合などには、利用することができません。その場合には、抵当権者等担保権者と別途協議の上で個人再生申立てをする方法を検討します。この個人再生申立ては住宅を手放さずにローン返済を目指すものなので住宅の所有者や居住者にとっては負担が少ないと思われます。

このような大きな選択に直面した場合、住宅を処分しないでよい個人再生申立てを選択するか、あるいは任意売却か、競売手続か、とお悩みになることと思います。

知識に不安があって適格な判断をご自身で下せないという方も多いと思いますので、お悩みの方は専門家である当事務所にどうぞご相談ください。

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