第2章 管理組合の組織と運営

第2章 管理組合の組織と運営


管理会社をめぐる問題


    それだけではなく、日頃の広報が継続的に行われていること、決定までに、 たとえば、アンケートや聴き取りなど、区分所有者の意思を確認するプロセ
    スを踏んでいることがとても重要です。つまり、区分所有者の多数の意思を


    反映する形で総会運営しているのかが、ポイントとなります。


    理事長が独断専行で総会提案すると反対にあうのは、そのようなプロセス を踏まないためです。また、総会における提案を理解してもらうために、わ
    かりやすい資料を付けることも重要です。総会運営を円滑に進めるためには、 コミュニケーションをとりながら、わかりやすい資料を作成し、多数の意思
    を尊重して、臨む姿勢が求められます。それが結果として、充実したマンシ ョンライフを送ることにつながります。


    れた決議について、事後にその効力を否定する場合は、やはり安定したマン ション管理運営にとっては支障があるといえます。そのような観点から、そ
    の瑕疵が極めて軽微な程度にとどまるものであって、かつ、決議の結果に当 該瑕疵が影響を及ぼさないことが明白であるような場合には、例外的に当該
    決議を有効とすべきものといえます。


    具体的には、瑕疵の内容や程度、瑕疵に至った経緯、決議の具体的内容や 重要性といった諸般の要素を勘案してその有効性が判断されます。


    裁判例では、総会において旧管理規約を廃止して新規約を制定する決議 がなされたものの、総会に先立ち、あらかじめ旧規約廃止・新規約制定を議

 
    題とする旨の通知がなく、議案の要領の通知も欠いていた事案で、「召集手 続の瑕疵は決して軽微なものとはいえ」ないとして決議を無効としたもの(東
    京地裁昭和62年4月10日判決(判時1266号49頁))や、 理事選任決議や規約変
    更決議について、総会において理事に選任され、その後理事の互選により理 事長となった者が、当該総会において、代理人と称する区分所有者でない多
    数の者を出席させて威圧的な言動をした事実などから理事選任決議を無効と し、また、翌年の総会における規約変更決議は、無効な決議によって選任さ
    れた理事長が招集したものであり、区分所有法35条5項が定める議案の要領の通知もなく、特別決議の要件も充足していないことを認定したうえで、 「招集権限のない者によって招集された総会であり、区分所有法所定の事項
    等をあらかじめ通知せず、特別多数決議の要件も満たさない規約変更決議を 行うなど瑕疵が著しい」として決議を不存在と判断したもの(東京地裁平成13
    年2月20日判決(判タ 1136号181頁))等があります。


    I 管理会社をめぐる問題


    1 自主管理方式と管理委託方式

    管理組合は、「建物並びにその敷地及び附属施設の管理」を行う団体ですが、 その業務の内容は、共用部分等の保全、保守、清掃、修繕、長期修繕計画の
    作成と実施、予算・決算の作成、出納などの会計業務、管理費等の徴収、滞 納管理費等に対する措置、広報や渉外業務等々、多岐にわたります(標準管
    理規約32条参照)。

    以上のマンション管理を行う方式には、自主管理方式と管理委託方式があ Dj.

    管理会社に委託するのではなく、管理組合とそれぞれの業者が直接契約す る方式を自主管理方式と呼びます(すべてを管理組合で独力実施する場合は、

    今ではあまりみられませんが、一般的に自力管理方式と呼びます)。 | 一部を管理会社に委託する場合は、管理委託方式のうち部分委託(一部委
    託)と呼びます。また、すべてを管理会社に委託する場合は、管理委託方式

    
    <strong>区分所有者の意思が反映される総会運営</strong>
    <strong></strong>
</p>
<p>
    管理組合の最大の課題は何かと問われれば、それは、物事の決め方や手続 だといえるかもしれません。マンションでは、実にさまざまな問題が発生し、
    その取組み方が日々問われています。区分所有法、管理規約、細則などが、
</p>
<p>
    物事を決めるのに重要な役割を果たしていることは間違いありません。ただ、
</p>
<p>
    のうち全部委託と呼びます。
</p>
<p>
    現在では、ほとんどのマンションで管理委託方式を採用しています。信頼
</p>
<p>
    <strong>521</strong>
    <strong></strong>
</p>
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    第2章 管理組合の組織と運営
</p>
<p>
    | | 管理会社をめぐる問題
</p>
<p>
    できる管理会社との共同作業で、所有者や居住者が安心してマンション生活
</p>
<p>
    を送ることができるようにすることが重要です。
</p>
<p>
    2 管理会社の選定と管理委託契約
</p>
<p>
    1 : BF 井さい3
</p>
<p>
    ( 3 (
</p>
<p>
    (1) 管理会社の選定 管理会社は、大手だから大丈夫、安心ということはありません。管理会社
    恋評価する際に、会社の規模や資本金の大きさ、管理戸数も目安にはなりま すが、中堅企業でも実績があり、誠実さで信頼されている会社があります。
</p>
<p align="right">
    大手でも、当該会社で採用している管理方法にこだわり、管理組合の意見に 聞く耳をもたず、不評を買う会社があります。ですので、一概に大手だから
    よいということではありません。また、管理委託費の金額も安いほうがよい ということで管理会社を選択してみたら、対応が悪かったという事例もあり
</p>
<p>
    5. 「それでは、どのようなことに着目して管理会社を選ぶのがよいでしょうか。 国土交通省のマンション管理業登録会社であることは当然として、ここでは、
    簡単にポイントをご紹介します。
</p>
<p>
    (A) 管理業務への適切なアドバイス
</p>
<p align="right">
    理事会がマンション管理の素人集団であるとすれば、管理会社は頼れるマ ンション管理のプロであるはずです。理事会からの相談に適切に助言できる
    役割を期待されます。これが十分にできない会社が意外に多いのが実態なの で、管理会社の選定のみならず、担当者の力量を見極める必要があります。
</p>
<p>
    (B) 収納口座が管理会社名義ではないよ
</p>
<p>
    法的には、収納口座は、管理組合理事長名ではなく、管理会社名義でもか まいません。しかし、管理組合の大切な財産の保全のために、管理会社のい
</p>
<p>
    (C) 大規模修繕工事を自社で請け負わない
</p>
<p>
    大規模修繕工事は、10年~ 15年に1回行う、大切な修繕工事です。多額 の金額がかかり、積立金の取崩しを行います。日頃は、管理委託費を安くし
    て、その分、大規模修繕工事を受注することで取り返そうとする管理会社が
</p>
<p>
    残念ながら一部存在します。大規模修繕工事の公正な相見積りを行ううえで も、管理会社は大規模修繕工事を行わないことを会社理念とする姿勢が求め られます。
</p>
<p>
    (D) 緊急時や小さな補修修繕に対応する能力
</p>
<p align="right">
    水漏れなどの緊急時にその原因まで突き止める総合的な判断能力がある会 社に存在感があります。不具合を未然に防ぐ対策や方法などを紹介できるこ
    とも重要です。また、小さな補修修繕に機敏に対応する構えが大切です。
</p>
<p>
    (E) 瑕疵問題で管理組合をサポート 「管理組合と売主との間においては、マンション建築の瑕疵問題に関する交
    渉は大きな課題です。この際、管理組合側に立ち、しっかりアドバイスでき るかどうかが試金石になります。売主と同じ系列の管理会社で、売買時に存
    在していた瑕疵を十分調査しない場合、大規模修繕工事の際に管理組合側の 負担で修繕することになりかねません。そうならない配慮が管理会社には必
</p>
<p>
    To
</p>
<p>
    (2) 管理委託契約書 管理会社との間でよくトラブルになるのが、管理組合が期待している業務
    を実施してくれないというものです。しかし、その期待が過度であり、管理 会社が行う業務として管理委託契約書に明記されていないことがあります。
    また、管理会社が理事長からパワーハラスメントに近い嫌がらせを受けるこ ともあります。管理組合と管理会社に適度の緊張感がありつつ、良好な関係
    が築かれたとき、そのマンションは「よい管理状況」といえるでしょう。そ の視点からも、肝となるのは、管理委託契約書であるといえます。
</p>
<p>
    管理委託契約書は、少なくとも更新時期ごとに見直しましょう。マンショ ン標準管理委託契約書には、一般的なことしか書かれていませんので、専門
</p>
<p>
    いなりにならず、すべての口座は管理組合理事長名義にすることをお勧めし ます。口座名義を管理会社名義とした場合、もし管理会社が倒産でもしたら、
    その預金が管理会社の財産なのか管理組合の財産なのかで紛争となってしま うこともあり得ます。
</p>
<p>
    <strong><em>55</em></strong>
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    ラれるの
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    第2章 管理組合の組織と運営
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    |
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<p>
    || 管理会社をめぐる問題
</p>
<p>
    家と相談しながら内容を深めるようにしましょう。 なお、マンション標準管理委託契約書は、それまで標準的な管理委託契約
    書指針として「中高層共同住宅標準管理委託契約書」(昭和57年)があり、そ の後平成15年4月に「マンション標準管理委託契約書」として改訂され、また、
</p>
<p>
    平成22年5月1日より、財産の分別管理等に関する改正マンション管理適 正化法施行規則が施行されたことで、さらに改訂され、現在に至っています。
</p>
<p>
    m
</p>
<p>
    3 管理会社の変更
</p>
<p>
    19 はじめに、 新築マンションを購入した場合、すでに管理会社が決まっていることがほ
    とんどです。その管理会社に問題があるときは、管理会社の変更を検討する ことになります。ただし、管理会社の変更を考える前に、管理会社と話し合
    って改善を求めることが重要ですし、管理委託契約の内容を修正して管理会 社の業務内容を具体的に明確にするなどの措置も有効です。また、せっかく
    管理会社を変更しても以前と実態は変わらなかったなどということのないよ うに、変更先は十分に調査検討のうえ、契約を締結することが肝心です。管
    理委託費の値段の安さだけで査定するのではなく、担当者の力量や経験、会 社のバックアップ体制、小回りがきくかどうかなどをポイントにすることを
    -お勧めします。会社の規模や資本金の大小よりも管理組合の立場に立って、
</p>
<p>
    運営を進める管理会社の姿勢のほうが大切です。前記21)の管理会社の選定 3、の基準を参考にしてください。
</p>
<p>
    want 2) 管理会社の変更手続 管理会社の変更は、以下に示すとおり、管理会社の法的地位(管理業務の
    法的根拠)によって手続が異なってきます。新規に契約を締結する場合は、 マンション管理適正化法が適用され、同法により説明会の実施などの手続が
</p>
<p>
    定められています。 (A) 管理委託契約を締結している場合
</p>
<p>
    管理委託契約書に契約期間の定めがあれば、期間満了により終了します。
</p>
<p align="right">
    さらに、委託契約には解約申入れについての規定があるのが通常ですから、 その規定に基づき解約することもできます。管理会社の債務不履行があると
    きは、契約の解除、損害賠償請求も可能です。ただし、管理会社の義務が明 確に規定されていないときは、債務不履行があるかどうかが争点となります。 (B)
    管理者である場合 | う。
</p>
<p>
    原始規約で、管理会社を管理者と定めているケースもあります。この場合 は、総会で解任することができます。管理会社に不正な行為があれば、個々
    の区分所有者がその解任を裁判所に請求することもできます(区分所有法25
</p>
<p>
    条1項・2項)。
</p>
<p>
    ているつもそう。 (3) 管理会社を変更する場合の手順と留意点 (A) 区分所有者への説明
</p>
<p align="right">
    管理会社の変更の必要性や合理性を区分所有者全体が理解できるようにす ることが重要です。そのため、まず、総会で管理会社の変更を検討すること
    につき承認をとることが望ましいでしょう。選定方法は、理事会中心で行う、 専門家に依頼する、専門委員会を設置するなど、管理組合が自主的に定めます。
    (B) 統一仕様書の作成と見積りの受理
</p>
<p>
    専門家に依頼して作成してもらうか、理事会において、または専門委員会 を設置するなどして、統一仕様書を作成しましょう。次に、統一仕様書に基
</p>
<p>
    づいて複数会社から見積りをとります。
</p>
<p>
    (C) 選定会社の絞り込み
</p>
<p>
    管理会社にもゼネコンやデベロッパーの系列会社である会社もあれば、そ のような系列に属していない会社など、さまざまな性格の会社が存在してい
</p>
<p>
    35.
</p>
<p>
    管理委託費の金額が安くても、管理組合が望む業務を実行できなければ意 味がありません。金額だけでなく、会社の規模、理念の違い、ゼネコンやデ
    ベロッパー系列か独立系かを比較するために、ある程度の差があるところを わざと選んで絞り込むことも1つの方法です。
</p>
<p>
    <strong>56</strong>
</p>
<br clear="all"/>
<p>
    第2章 管理組合の組織と運営
</p>
<p>
    | | 管理会社をめぐる問題
</p>
<p>
    (D) ヒアリングは現実的な対応をチェック
</p>
<p>
    ヒアリングを行う際のポイントは、担当者の理事会運営能力です。これを 査定できるように管理組合で事前に質問項目を整理しておくことをお勧めし
    ます。または、マンション管理業務の力量のある専門家に相談したり、同席 してもらったりすることも有効です。
</p>
<p>
    (E) 総会による承認と変更後の効果測定
</p>
<p align="right">
    総会で承認を得て、管理会社の変更をした後が大切です。ほとんどの管理 組合で変更後の効果測定をしていません。効果測定をすべきことを指摘した
    り、実際に効果測定できる専門家が少ないのも実態ですが、少なくとも1年
</p>
<p>
    程度は変更後の効果測定を実施することをお勧めします。
</p>
<p>
    景もあるものと思われます。
</p>
<p>
    そこで、以下では、具体的に訴訟になった事例を踏まえて、管理組合にお いて、管理会社との紛争にどのように対応すればよいのかを述べていくこと
</p>
<p>
    にします。
</p>
<p>
    -- 管理会社が負う義務 「管理会社は、前述のような管理業務を行いますが、適切な管理がなされる
    よう、平成13年にマンション管理適正化法が施行されました。この法律は、 基幹業務(経理に関する事務および大規模修繕に関する事務のことをいいます(マ
</p>
<p>
    ンション管理適正化法2条6号))を含む業務を受託する管理会社に対して、
</p>
<p>
    4 管理会社をめぐる紛争
</p>
<p>
    - (1) -はじめに、 前記のとおり、管理会社にマンション管理を委託することは多くのアンシ コンにおいて行われているところです。
</p>
<p align="center">
    ~管理組合と管理会社とがコミュニケーションをとり、管理組合が管理会社 を適切に監督することができれば、マンション管理は円滑に進められると思
</p>
<p>
    われます。
</p>
<p>
    しかし、多くの場合、分譲当初から管理会社は分譲会社の関連の会社で決 まっており、その後も特に契約内容などを見直すことなくきてしまっている
    ということもあります。その場合、管理組合が管理会社の業務を十分に把握 していない、あるいは契約内容が適切でないにもかかわらず是正されないま
    まきてしまったなどということで、管理会社の業務に問題があり、管理組合 に損害が生じる場合も起きうるところです。
</p>
<p>
    この場合、管理組合としては、管理会社と対応を協議し、管理会社を変更 するなどの対応で解決することも多くあることと思います。
</p>
<p>
    刊行されている裁判例を見ても、現実に管理組合と管理会社との間の問題 が訴訟にまでなることは必ずしも多くはないと思われますが、こういった背
</p>
<p>
    管理業務を受託するにさまざまな規制を設けています。 一般的には基幹業務を含む管理業務を委託することが多いと思われますの
    で、管理組合から管理業務を受託する管理会社は、マンション管理適正化法 の規制を受けて、業務を行わなくてはなりません。具体的には、管理会社は、
</p>
<p>
    同法に基づき、以下のような規制を受けます。
</p>
<p>
    0 信義誠実の原則(マンション管理適正化法70条) 民法上、受託者は 善管注意義務を負います(民法644条)。このことは、マンション標準管
    理委託契約書においても明文化されているところです。マンション管理 適正化法も、管理会社に対し、業務を行うにあたって信義誠実義務を負 わせています。 2
    管理委託契約締結時の重要事項説明義務等(マンション管理適正化法72 条) 管理会社が管理組合との間で管理委託契約を締結しようとする
    場合(新築マンションの場合を除きます)、管理会社は、あらかじめ、管理 組合の区分所有者および管理者の全員に契約内容等に関する重要な事項
    を記載した書面(重要事項説明書といいます)を交付し、区分所有者およ び管理者に対して、説明会を開催して重要事項の説明をしなければなら
    ないとされています(同条1項)。また、同一内容にて管理委託契約を更 新する場合には、区分所有者全員に重要事項説明書を交付し、管理者に
    対して契約内容を説明しなければなりません(同条2項・3項)。この場合、
</p>
<p>
    <strong>JY</strong>
    <strong></strong>
</p>
<p>
    <strong><em>58</em></strong>
</p>
<p>
    <strong><em>| 59</em></strong>
</p>
<br clear="all"/>
<p>
    第2章 管理組合の組織と運営
</p>
<p>
    | | 管理会社をめぐる問題
</p>
<p>
    説明会の開催は不要です。重要事項の説明は管理業務主任者が行わなけ ればならず、説明書には管理業務主任者が記名押印しなければなりませ
</p>
<p>
    ん(同条5項)。 3 管理委託契約締結時の書面交付義務(マンション管理適正化法73条)
</p>
<p>
    管理会社は、管理組合から管理業務を受託した場合、管理事務の内容 や実施方法、管理事務に要する費用並びにその支払いの時期や方法など
    法定の事項を記載した書面を、管理者(管理者がいない場合には、区分所 有者全員)に、交付しなければならないとされています。 Q
    基幹業務の一括再委託の禁止(マンション管理適正化法74条) 管理 会社は、管理組合から業務を受託する場合であっても、基幹業務を一括
</p>
<p>
    して再委託してはなりません。
</p>
<p>
    6 財産の分別管理義務(マンション管理適正化法76条) 管理会社は、
</p>
<p>
    修繕積立金など管理組合から預かっている財産と、自己の財産とを分別 「して管理しなければなりません。
    そのほかにも、帳簿作成義務(マンション管理適正化法75条)、管理事務報 告義務(同法77条)などを負います。 そう
</p>
<p align="right">
    管理組合としでは、まずは、委託している管理会社がマンション管理適正 化法を遵守しているかどうかを監督していく必要があります。しかし、それ
    だけで管理会社の管理が問題なくなるという保証はありません。
</p>
<p>
    そのため、マンション管理士などの専門家も活用しながら、管理会社を適 切に監督していく必要があるといえます。 2)(3) 管理会社との紛争
</p>
<p>
    )紛争類型一 管理組合と管理会社との紛争の中で多いのは、やはり金銭に関するもので す。たとえば、管理会社自身が預り金を横領したことの責任追及、理事が横
    領したことに対する管理責任の追及、管理会社が支出した費用が不適切であ るなどとして損害賠償請求がなされる場合などがあります。管理組合が行う
    業務内容は多岐にわたりますので、紛争類型も多岐にわたるものと思われま
</p>
<p>
    195 60
</p>
<p>
    o
</p>
<p>
    以下では、いくつかの類型において、裁判例も紹介しながら解説します。 (B) - 管理会社自身の横領
</p>
<p align="center">
    管理会社は、管理組合が行う修繕積立金等の徴収業務を代行し、徴収した 金銭を預かることになります。あってはならないことですが、管理会社の従
</p>
<p>
    業員が預り金を横領する事例もあります。 「この場合、実際に横領した従業員はもちろん、管理会社に対しても、横領
    されたことにより生じた損害の賠償をすることができます。
</p>
<p>
    この事例に関する裁判例としては、東京地裁平成22年3月22日判決など があります。
</p>
<p>
    管理組合としては、個人に対して責任を追及していたのでは資力がなく損 害賠償を受けられない場合でも、より資力があると見込まれる管理会社から
    損害の賠償を受けられることになります。
</p>
<p align="center">
    もっとも、従業員個人の責任を追及する場合であれ、管理会社の責任を追 及する場合であれ、管理組合の過失が考慮され、全額の賠償が認められない
    こともあり得ます(なお、前掲・東京地裁平成22年3月22日判決では過失相殺の
</p>
<p>
    主張は否定されています)。 「ですので、管理組合としでは、管理会社の担当者の出納業務について、適
</p>
<p>
    宜チェックをしていくことが重要といえるでしょう。 「CE) - 理事による横領
</p>
<p>
    管理会社だけではなく、管理組合の理事が管理費等を横領する事態も生じ ています。近時では、横領額が多額となり、刑事事件に発展する事態も生じ ています。
    「この場合、管理組合としては、管理会社に対しても、財産管理に不備があ ったとして被った損害の賠償を求めたいところです。しかし、基本的には、
    管理組合が理事の業務の執行を監督する立場にあります(標準管理規約51条 も理事会は理事の職務の監督をすることとされています)。
</p>
<p>
    そのような事例に関し、東京地裁平成17年9月15日判決は、以下のとお
</p>
<p>
    72146
</p>
<p>
    <strong>| 61</strong>
</p>
<br clear="all"/>
<p>
    第2章 管理組合の組織と運営
</p>
<p>
    III 管理会社をめぐる問題
</p>
<p>
    り述べています。
</p>
<p align="right">
    この事案は、管理組合が、管理会社を相手として、理事長が横領した金銭 についての損害賠償請求をしたものです。判決文が認めた事実によれば、理
    事長が通帳の届出印を、管理会社が通帳を保管している中で、理事長が、無
</p>
<p align="right">
    断で通帳の再発行をするなどして預金口座から金員を引き出して横領しまし た。その後、通帳が再発行されたことを知った管理会社が理事長に問合せを
    したところ、その弁解は不審なものだったのですが、管理会社は、理事長か ら再発行した通帳を預かっただけでそれ以上の措置を講じなかったのです。
    そうしたところ、理事長は再度通帳の再発行をして無断で預金を引き出して
</p>
<p>
    複数回にわたり横領行為を繰り返しました。
</p>
<p>
    判決では、上記の事実関係のもと、管理会社が、理事長が通帳を無断で再 発行した事実を認識した時期以降の横領行為に関しては、管理会社の債務不
    履行であるとして、その賠償を命じました。 「もっとも、この事案では、管理組合の担当理事が適切な任務を怠っていた
    ことや監事の監査が十分になされていなかったことが損害を拡大させた大き な要因であるとして、管理会社は債務不履行により生じた損害のうち4割の
    賠償のみ命じられました。
</p>
<p>
    このように、管理会社が理事の横領行為を認識し得たにもかかわらず、こ れを防ぐ適切な措置を講じていない場合には損害賠償が認められることがあ
    ります。しかし、基本的には管理組合が理事の監督を行うべき立場にありま すので、そのような場面は限定的に解されますし、賠償が認められるとして
    も、過失相殺がなされる可能性が大きいと思われます。 「ですので、管理組合としては、理事が適切に業務を行っているのか、管理
</p>
<p>
    会社に任せきりにせずに、監督をしていくことが重要です。 (D) 日常的な費用の支出に関する責任
</p>
<p>
    管理会社は、管理組合の予算に基づいて、管理組合の口座から、管理や修 繕等にかかる経費を支出することになります。この場合、個々の支出につい
    て管理組合の事前の承認がない場合もあるでしょう。
</p>
<p>
    このような場合に、管理会社が行った支出が不適切なものであるとして、 その賠償を請求することができるかが争われることがあります。裁判例とし
    ては、の東京地裁平成16年11月30日判決、の東京地裁平成21年5月21日判
</p>
<p>
    決があります。 「Oの事案は、管理会社が、管理人室の机やいすなどの備品の購入に関して、
</p>
<p align="right">
    事前に管理組合の承認を得ずに支出したとして、債務不履行を理由として賠 償が求められた事案です。この事案において、裁判所は、事後に総会で承認
    されている点を理由に、管理会社に債務不履行はないとして管理組合の請求 を棄却しました。
</p>
<p align="right">
    また、2の事案は、管理人(管理会社の従業員)が、理事長の事前の承認な く種々の支出をしたことなどが、管理会社の不法行為にあたるとして損害賠
    償を求めた事案です。当該事案でも、裁判所は、少額の支出につき逐一承認 を求めることが現実的ではなく、決算において支出についての承認がなされ
    ていることなどから、管理会社には不法行為はないとしました。
</p>
<p>
    費用について、予算に概算が計上され、また決算が承認されているような 場合には、個別の支出について事前に承認を得ていないからといって、当然
    にその賠償を求めることは難しいと考えられます。 「もっとも、このような少額の支出が管理されずになされていった結果、多
</p>
<p>
    額の横領事案につながるということも考えられます。 ですから、管理組合としては、管理会社が行う支出について、適宜報告を
    受けるなどして適切な監督をしていくことが重要であるといえるでしょう。&gt;
</p>
<p>
    理費が時効にかかって消滅してしまった場合 管理会社は、管理費の徴収代行業務も行い、滞納している区分所有者に対
    しては、手紙を出すなどして請求をしています。他方、最終的に訴訟などの 法的手続をとるのは、管理組合が総会や理事会で決議をして行うこととなり
</p>
<p>
    5.
</p>
<p>
    管理費の消滅時効は5年間とされていますが(最高裁平成16年4月23日判決 (民集58巻4号959頁))、管理会社がついているにもかかわらず、管理費が消
</p>
<p>
    <strong>62</strong>
    <strong></strong>
</p>
<p>
    <strong>63</strong>
    <strong></strong>
</p>
<br clear="all"/>
<p>
    W 専門家の活用
</p>
<p>
    第2章 管理組合の組織と運営
</p>
<p>
    委任の内容である事務処理自体に関して受任者が不利益を被る時期として、 報酬を喪失した場合を含まないとするのが判例です(最高裁昭和43年9月3日
    判決(集民92号169 頁))。
</p>
<p>
    マンション標準管理委託契約書を前提にした場合、解約の申入れに関して、 相手方に対して少なくとも3カ月前に書面で行うという要件を設けています
    ので、この場合には契約内容に従って処理することになると思われます。し かし、そのような特約がない場合には、基本的に、解除が否定されたり、あ
    るいは管理会社が受け取ることができたであろう報酬の支払いをしなければ ならないということはないと思われます。
</p>
<p>
    W 専門家の活用
</p>
<p>
    滅時効の期間を徒過し、結果的に回収できなかった場合、その責任を管理会 社に求めることはできるのでしょうか。
    この場合、管理会社の義務違反があるのかが問題になりますので、管理組 合に対して、契約上、いかなる義務を負っているかを検討する必要があります。
</p>
<p>
    ここで、マンション標準管理委託契約書を参考に検討すると、同契約書に よれば、管理会社が行うことは、管理組合に対して報告をすること、滞納し
    てからの数カ月間、電話などの方法で支払いの催促をすることとされており、 上記によっても滞納が解消されない場合には、管理会社の業務は終了し、以
    降は管理組合が滞納の解消のための方策をとっていくことになるとされてい ます(同契約書3条1号、別表第1・1 (2) 2)。
    「上記契約内容からすると、5年の時効期間を徒過しないようにするために は、管理組合が対処する必要があるのであって、管理会社がそもそも何も報
    告をしていなかったために管理組合が滞納の事実を認識していなかったとい うような場合を除けば、基本的に管理会社がこれに対して責任を負うことは
</p>
<p>
    ないといえそうです。 「この点、東京地裁平成18年7月12日判決は、管理委託契約書において、
    滞納に関して管理会社が負っている業務内容が督促等の通常業務に限られ、 長期滞納者等の扱いについて無償で補助する旨の義務までは認められないと
    して、管理組合の管理会社に対する請求を棄却しています。&gt;※)
</p>
<p>
    ですので、管理組合としては、管理費の滞納に関して管理会社が契約上ど こまでしてくれるのかをしっかりと確認するとともに、管理会社に任せきり
    にせず、管理委託契約書の内容を踏まえ、管理組合として滞納の解消のため に行うべきことをしっかりと行う必要があるといえるでしょう。
</p>
<p>
    管理委託契約の終了に関する紛争 管理組合と管理会社との契約は、準委任契約ですので、契約上特段の定め
    がなければ、管理組合はいつでも契約を解除することができます(民法651条 1項)。受任者にとって不利な時期の解除の場合には、委任者は、受任者の
    被った損害を賠償する義務を負います(同条2項)が、「不利な時期」とは、
</p>
<p>
    「管理組合の業務は、標準管理規約32条に明記されていますが、いわば素 人の集団である管理組合のみで実務上これを全うすることは到底不可能で
    す。そのため、管理会社にこれらの業務を委託することが大半です。
</p>
<p>
    また、専門家をうまく活用することにより、管理組合運営がスムーズに進 むと考えられます。どのような専門家に依頼すればよいのかの例をあげると (表3]
    のようになります。
</p>
<p align="right">
    ほとんどの業務は管理会社が受託できます。しかし、注意点として、たと えばゼネコンやデベロッパーの系列の管理会社が受託する場合、その系列の
    親会社の意向を無視することができないとも考えられます。親会社に遠慮し て、瑕疵などの指摘ができなくなることや、管理組合として把握しにくくな
    ることがあります。少なくとも、瑕疵調査や建物診断、大規模修繕工事など は、実務を行う専門家と、できるだけ直接契約および実質的なやりとりをす
    ることが望ましい管理組合の運営方法と考えます。
</p>
<p>
    <strong><em>| 65</em></strong>
    <strong><em></em></strong>
</p>
<br clear="all"/>
<p>
    520
</p>
<p>
    第3章 管理組合の会計と税務
</p>
<p>
    管理組合の会計
</p>
<p>
    I 管理組合の会計
</p>
<p>
    <strong>1 </strong>
    <strong>管理組合の会計処理総論</strong>
    <strong></strong>
</p>
<p>
    (1) 管理費等とは
</p>
<p>
    賄うための「管理費会計」(委託業務費、損害保険料、公租公課等&gt;と、建物修 繕のための計画的・将来的な支出に備えた、いわば貯金のような「修繕積立
    金会計」(大規模修繕工事費、エレベーター改修費等)の2種類に分かれています。
</p>
<p>
    この区分は、標準管理規約25条に明記されています。
</p>
<p>
    (3) 管理組合会計の種類 会計の種類は、一般的に営利会計と非営利会計に分かれます。営利を目的
    とする団体の代表である株式会社などは、企業会計で会計処理をしています。
</p>
<p>
    マンション管理組合の場合、営利を目的とする団体ではないので、非営利 会計に準じて会計処理をすることになります。
</p>
<p>
    (4) 管理組合会計の内容 マンション会計業務の主な内容は、次のようなものです。
</p>
<p>
    0 短期、中期、長期の事業計画と予算化の立案 2 会計帳簿の作成、収支状況(月次)の確認 3 決算案の作成と報告 9
    収益事業がある場合は、諸税の申告と納付 6 出納業務 6 滞納者督促
</p>
<p>
    「監査を受ける
</p>
<p>
    (5) 管理組合会計報告の基準 管理組合会計報告は、一般原則として次の4点が基準となります。 0 予算準拠主義の原則 予算に基づき収入、支出は行う。
    2 複式簿記の原則 3 真実性・明瞭性の原則 財産状況は真実の内容を明瞭に表示する。 の 継続性の原則 計算書類の表示方法は、継続して行い、みだりに変
</p>
<p>
    更しない。 (6) 計算書類の種類 管理組合会計の計算書類は、次の計算書類を作成することが望ましいとさ
</p>
<p>
    標準管理規約21条では、「敷地及び共用部分等の管理については、管理組 合がその責任と負担においてこれを行うものとする」と定められています。
    管理組合には、敷地および共用部分の管理を行うことが求められ、その目的 の達成のために、区分所有者から管理費等を徴収します。 |
    管理費、修繕積立金について&lt;区分所有法は定義を定めていませんが、管
</p>
<p>
    理費と一般に、共用部分、敷地、附属施設の維持管理費用や管理組合の運 営費用など、管理組合がするマンションの管理全般に使われる費用をいい、
</p>
<p>
    修繕積立金は、将来行われる計画的修繕や災害などの緊急の場合の修繕など に備えるために積み立てられる金銭をいいます。 |
    管理費、修繕積立金、専用使用料など、管理組合が区分所有者に請求し、月々
</p>
<p align="center">
    定期的に徴収する金銭のことをあわせて「管理費等」と呼ぶことがあります。 ン管理費の総額は、1年間に発生する管理委託費、保険料、電気代、ガス代
</p>
<p align="right">
    等の合算金額です。それを専有部分の床面積の割合に応じて月額に計算した ものが、一般的な部屋別月額管理費となります。と修繕積立金は、長期修繕計
    画書(25年以上の計画書)に基づいて計算された工事金額合計を1年単位に割 り、さらに専有部分の床面積の割合に応じて月額に計算したものが一般的な
</p>
<p>
    部屋別月額修繕積立金となりま &lt;区分所有法19条は、「各共有者は、規約に別段の定めがない限りその持分
    に応じて、共用部分の負担に任じ、共用部分から生ずる利益を収取する」と
</p>
<p>
    定めており、区分所有者である限り、当然に管理費支払義務を負うことにな ります。&gt;
</p>
<p>
    いい十ち (2) 管理費等の区分けと使途 - x(り 管理組合の会計は、日常の建物の維持管理およびその他日常的な諸経費を 74 | ー ジ 10
    (イメージ
</p>
<p>
    マ 8 9 99 6 6
</p>
<p>
    mu
</p>
<p>
    れています。
</p>
<p>
    <strong><em>| 75</em></strong>
    <strong><em></em></strong>
</p>
<p>
    こ(4枠現4925条)
</p>
<br clear="all"/>
<p>
    第3章 管理組合の会計と税務
</p>
<p>
    | 管理組合の会計
</p>
<p>
    0 収支計算書 2 貸借対照表 3 HE 4 支払明細書
</p>
<p>
    (7) 会計処理の方法 「管理組合会計処理の方法では、現金主義(費用・収益の認識を現金の収支で
    認識する損益計算方式)ではなく、発生主義(費用・収益の認識を現金収支にと らわれず、合理的期間の帰属を通じて反映させる損益計算方式)で行うことを原
    則としています。すべての費用および収益はその支出および収入に基づいて 計上し、その発生した期間に正しく反映するように処理することが必要です。
</p>
<p>
    管理組合にとって、注意すべき課題の1つです。
</p>
<p>
    (3) 保証契約 管理会社に収納されている管理組合の管理費等について、保証契約があれ
    ば、全額が保証されているような錯覚を覚えますが、そうではありません。 &lt;般社団法人マンション管理業協会の管理費等保証委託契約約款1条によれ
    「ば、あくまでも「管理費等1か月分の額を限度として」保証するものとされ
</p>
<p>
    N図2) 改正前後の分別管理方式の相違点
</p>
<p>
    従前の分別管理方式
</p>
<p>
    「改正後の分別管理方式 平成22年5月1日施
</p>
<p>
    1
</p>
<p>
    <em>$t</em>
</p>
<p>
    2 管理費等徴収方式
</p>
<p>
    0 原則方式
</p>
<p>
    管理業者無関与で、管理組合員から 直接、組合名義の口座に振込・振替を
</p>
<p>
    行い収納する方法
</p>
<p>
    「組合員
</p>
<p>
    「ロム
</p>
<p>
    特徴 仮ぬ口成 参縮想回獲口広
</p>
<p>
    「収納口座管理費用残額
</p>
<p>
    管理費
</p>
<p>
    組合員
</p>
<p>
    管理費収納 保管口座
</p>
<p>
    (管理組合名義)
</p>
<p>
    ※今月分としての収納を翌月末までに保
</p>
<p>
    管口座へ資金移動。 ※収納口座の名義は問わない。
</p>
<p>
    (1) 管理費等の徴収方法 管理費等の徴収方法は、以下の3通りがあります。 (A) 現金集金
</p>
<p>
    各住戸を周り、現金を集金する方法です。自力管理方式を採用している管 理組合以外では、最近ではほとんど実施されていません。 (B)
    1つの金融機関に理事長名義の口座を開設し、同時に組合員も同機関
</p>
<p>
    に預金口座を開設する方法 1つの金融機関に集約されるため、収納状況が早くわかります。 (C) 他銀行からの自動振替または集金代行会社を経由する方法
</p>
<p>
    2 収納代行方式
</p>
<p>
    各種支払完了後、残った管理費等を 1カ月以内に組合名義の保管口座へ収
</p>
<p>
    納する方式
</p>
<p>
    管理費等収納口座管理費等保管口座 IÁN
</p>
<p>
    (管理業者名義) (管理組合名義)
</p>
<p>
    修繕積立費 組合圓管理費 管理組合名義
</p>
<p>
    「収納口座
</p>
<p>
    「保管口座
</p>
<p>
    ※修繕積立金は保証措置の対象とならな
</p>
<p>
    V. ※今月分としての収納を翌月末までに保
</p>
<p>
    管口座へ資金移動。 ※収納口座の名義は問わない。
</p>
<p>
    管理費等が引き落とされる金融機関の口座を各区分所有者が自由に選択で
</p>
<p>
    3 支払一任代行方式
</p>
<p>
    収納口座の印鑑と通帳は管理業者が 保管。各種支払い後、残りの管理費等 を1カ月以内に組合名義の保管口座に 収納する方式
</p>
<p align="center">
    管理費等収納口座」 管理費等保管口座 (管理組合名義) (管理組合名義)
</p>
<p>
    HAM
</p>
<p>
    HAR
</p>
<p>
    きる利点があります。
</p>
<p>
    (2) 分別管理方式 マンション管理適正化法施行規則の平成22年改正で、従来あった分別管
    理方式である原則方式、収納代行方式、支払一任代行方式が廃止され、イ・ロ・ ハ方式に変更されました((図2)参照)。 」
</p>
<p>
    従来わかりやすかった原則方式が、よりわかりにくい形に変更されました。
</p>
<p>
    「収納保管口座
</p>
<p>
    RS
</p>
<p>
    ※収納と保管を分けず、1つの口座しか
</p>
<p>
    認められていない。
</p>
<p>
    「O2のすべて廃止
</p>
<p>
    <strong>76</strong>
    <strong></strong>
</p>
<br clear="all"/>
<p>
    第3章 管理組合の会計と税務
</p>
<p>
    | || 管理費等滞納者への対応
</p>
<p>
    ています。分別管理の方法として、翌月末日までに、管理会社の収納口座か ら管理組合の保管口座に資金移動するということは、収納口座に2カ月分は
    収納されているため、全額保証というものではありません((図2)参照)。さ らにいえば、上限が1カ月分ということです。&gt;※2
</p>
<p>
    これを考えると、日原則方式であれば、収納口座が管理会社名義ではなく、 管理組合名義の収納口座であって、管理会社が印鑑を保有しないので、保証
    契約をする必要はなく、安全な措置といえます。
</p>
<p>
    <strong>3 </strong>
    <strong>管理費等の定め方</strong>
    <strong></strong>
</p>
<p>
    区分所有法18条1項は、「共用部分の管理に関する事項は、......集会の決 議で決する」と定めていますので、管理費は、総会の普通決議で定めること
    ができます。ただし、原始規約で管理費の金額が定められているときは、そ れを改定するためには、区分所有者の数および議決権の各4分の3以上の賛
    成が必要となり、管理費の値上げが困難になる状況が見受けられます。その ような場合には、まず、管理費の金額はそのままにして、管理費を規約事項
    としている規定を削除することから始めるのがよいようです。
</p>
<p>
    区分所有法19条は、「各共有者は、規約に別段の定めがない限りその持分 に応じて、共用部分の負担に任じ、共用部分から生ずる利益を収取する」と
</p>
<p>
    定めており、管理費の負担割合は、原則として共用部分の持分割合 = 専有部 分の床面積割合によります。ただし、規約で別段の定めをすることができま
    す。修繕積立金についても同様に考えられています。
</p>
<p align="right">
    管理費等の負担の差異がどこまで許容されるかは、当該差異が合理的と評 価できるか否か、という観点から総合判断せざるを得ず、許容範囲を数値化
    することは困難です。しかし、区分所有法19条の趣旨および規約の内容に ついで区分所有者間の利害の衡平を図らなければならないとする同法30条
    3項からすれば、たとえば専有部分の床面積割合による負担とされているに もかかわらず、他と比較して2倍以上の格差がある場合には無効となるもの
    と考えられます。
</p>
<p align="center">
    なお、専有部分の用途別に管理費等に差を設けることは、合理的な理由が あれば2倍以上の格差も有効とした裁判例があります。住居部分と店舗部分
    では、たとえば、不特定多数の人が出入りするなど、共用部分や敷地の利用 状況や態様が異なるなどの合理的な理由がある場合には、管理費の負担割合
    に差を設けることも一般に許容されています(東京地裁昭和58年5月30日判決
    (判時1094号57頁)は、店舗部分について、住居部分の2倍以上の管理費を定めた
</p>
<p>
    規約を有効としています)。 「どのくらいの差までが有効となるかはケースによります。ただし、使用頻
    度の立証となるとなかなか困難な面もあり、判例の傾向としては使用頻度の 差は、管理費に差を設ける合理的理由とはならないとする傾向がありそうで
    す(東京高裁昭和59年11月29日判決(判時1139号44頁))。
</p>
<p>
    また、法人と個人で、管理費に差を設ける総会決議の有効性が争われた事 案では、負担能力の差は、合理的な理由とならないとして、法人と個人1.72
    対1、1.65対1の差異を設けた総会決議を無効としています(東京地裁平成2 年7月24日判決(判時1382号83頁))。
</p>
<p>
    平成14年改正で新設された区分所有法30条3項は、「規約は、専有部分若 しくは共用部分又は建物の敷地若しくは附属施設......につき、これらの形状、
    面積、位置関係、使用目的及び利用状況並びに区分所有者が支払った対価そ の他の事情を総合的に考慮して、区分所有者間の利害の衡平が図られるよう
    に定めなければならない」としていますので、今後、事例の集積が待たれる ところです。&gt;XE た 管理費等滞納者への対応
</p>
<p>
    <strong>Der</strong>
    <strong></strong>
</p>
<p>
    マンションの適切な管理のためには、区分所有者から、管理費等(管理費 や修繕積立金)がしっかりと支払われていることがとても重要です。しかし、
    マンションというのは長年にわたって存続するため、その間、高齢や、病気、
</p>
<p>
    (ダも送っ
</p>
<p>
    <strong><em>78</em></strong>
    <strong><em></em></strong>
</p>
<br clear="all"/>
<p>
    第3章 管理組合の会計と税務
</p>
<p>
    | | 管理費等滞納者への対応
</p>
<p>
    失業等で状況が変わることにより、区分所有者が管理費等を支払うことがで きないということが発生することがあります。また、マンションの管理方法
    などに不満を抱いた区分所有者が管理費等の支払いを拒むこともあるかもし れません。
</p>
<p>
    きゃんかw7~) このような状況を放置すれば、管理不全マンションともなりかねないため、 早期かつ適切に対応する必要性がとても高いといえます。
    ~本項では、管理費等の滞納問題について論じます。
</p>
<p>
    <strong>0 2 </strong>
    <strong>管理費等の性質</strong>
    <strong></strong>
</p>
<p>
    (1) 時 効 管理費等の消滅時効は、5年間と考えられています(最高裁平成16年4月
    23日判決(民集58巻4号959頁))。ですので、管理組合としては、管理費等が
</p>
<p>
    時効消滅しないように適切に管理する必要があります。
</p>
<p>
    時効を中断するためには、裁判上の請求や差押えをしたり、滞納者に債務 を承認してもらう必要があります。
</p>
<p>
    たまに、「うちは定期的に通知文を送って請求しているから大丈夫」と言っ ている管理組合の方がいますが、こういった裁判外での催告は、そこから6
    カ月以内に裁判上の請求などをして初めて時効の中断の効力を生じることに なります(民法153条)。通知文だけでは時効消滅を防ぐことはできませんの
    で、注意が必要です。
</p>
<p>
    (2) 特定承継人への請求 (A) 請求できる範囲
</p>
<p align="right">
    区分所有法上、規約に基づく債務については、マンションの特定承継人(買 い受けた人など)にも請求できることになります(同法8条)。特定承継人から
    滞納管理費等を支払ってもらうことができるため、滞納問題に対処すること が可能となります。
</p>
<p>
    特定承継人に対して請求できる範囲として、一括受給している場合の電気 料金や水道料金などまでを請求できるかという問題があります。名古屋高裁
</p>
<p align="right">
    平成25年2月22日判決(判時2188号62頁)などは、一括受給する必要性を考 慮し、特定承継人への請求を認めています。もっとも、必要性がある場合な
    どに限定されますので、注意が必要です。
</p>
<p align="right">
    駐車料金については、契約に基づき発生するものであるため、当然には特 定承継人に請求できないとする考えが多いようですが、管理規約で規定して
    いる場合には特定承継人に滞納駐車料金を請求できるとする考えもあります ので(上記名古屋高裁判決も、管理規約に駐車場料金についての規定がある事案
    において、駐車料金の特定承継人への請求を認めています)、管理組合としては そのような対応が望ましいといえるでしょう。
</p>
<p>
    (B) 特定承継人となる者
</p>
<p>
    特定承継人とは、マンションを直接買い受けた者だけではなく、競売によ り取得した者や譲渡担保権者も含まれます(前者につき東京地裁平成9年6月
    26日判決(判時1634号94頁)、後者につき、東京地裁平成6年3月29日判決(判時 1521号80頁))。
</p>
<p>
    また、滞納者から買い受け、これを転売した後の中間取得者(たとえば、 転売して利益を上げる不動産業者など)も、近時の裁判例では、特定承継人に
    あたるとされています(大阪地裁平成21年3月12日判決(判タ 1326号275頁)など)。
</p>
<p>
    管理組合としては、区分所有者が変更した場合には、組合員名簿が適切に 更新されるように徹底したり、登記事項証明書を取得するなどして、区分所
    有者が誰であるかを確認しておくとよいでしょう。
</p>
<p>
    (3) 賃借人への請求 滞納管理費等を賃借人に請求できるかですが、これはできないと考えられ ます(東京地裁平成16年5月31日判決)。
    もっとも、後で述る強制執行として、滞納者の賃借人に対する賃料支払請 求権を差し押さえることにより、賃借人から滞納管理費等を回収するという
</p>
<p>
    ことは可能と考えられます。
</p>
<p>
    <strong>80</strong>
</p>
<br clear="all"/>
<p>
    第3章 管理組合の会計と税務
</p>
<p>
    | || 管理費等滞納者への対応
</p>
<p>
    ==
</p>
<p>
    =
</p>
<p>
    (4) 自分が使う共用部分ではない(一部共用部分である)として管理
</p>
<p>
    費等の支払いを拒むことができるか たとえば、1階の区分所有者は、通常はエレベーターを利用していません
    ので、その分の管理費等の支払いを拒むことが考えられます。 「しかし、一部共用部分となるためには、これが一部の区分所有者のみの共
</p>
<p>
    用であることが明白であることが必要であるとされており、エレベーターは これにあたらないと考えられます。そして、全体の共用部分である以上、そ
</p>
<p>
    れにかかる管理費等の支払いをする義務を免れることはできないとして、管 理費等の支払義務を負った主張を否定した判決があります(東京高裁昭和59
    年11月29日判決(判タ566号155頁)。
</p>
<p>
    <strong>b3 </strong>
    <strong>滞納者への対応方法</strong>
    <strong></strong>
</p>
<p>
    (1) - はじめに 滞納者への対応方法としては、以下に記載するような法的措置が考えられ
    ます。しかし、これらはいずれも期間や費用がかかります。ですので、まず 「は、管理組合としては、滞納者との間でよく話合いの機会をもち、滞納の理
</p>
<p>
    由を確認するとともに、支払いを促すことが重要です。
</p>
<p>
    また、時間が経過すればするほど、対応が困難になってしまいますので、 滞納額が少ない早期の段階で対処することが必要です。 (2) 2) 任意の話合い
</p>
<p>
    滞納者には早期に対応することが望ましいので、まずは、管理組合として、 話合いの機会をもつなどして、滞納の理由を確認することがよいでしょう。
</p>
<p align="right">
    たとえば、滞納の理由が、管理に対する不満などであれば、これについて しっかりと説明をすることで、滞納が解消するかもしれませんし、「自分は
    1階の区分所有者なので、全体に関する管理費等は支払う義務がない」など と主張するのであれば、法律的な説明をすることで対応できるかもしれませ
</p>
<p>
    払いなどの対応策を検討してもよいでしょう。
</p>
<p>
    しかし、話合いを拒否したり、話合いをしても支払う意思がないような場 合には、後記のような措置を検討する必要があるでしょう。 (2) )
    訴訟などの法的措置
</p>
<p>
    滞納者に対して行うことができる法的措置としては、以下のようなものが あります。
</p>
<p>
    (A) 支払督促
</p>
<p>
    裁判所に行くことなく、書面審理だけで滞納組合員に支払督促を出しても らうことができます。支払督促は判決と同じ効力がありますので、強制執行
    をすることもできます。
</p>
<p>
    この方法は、費用も安く、簡単に利用することができます。
</p>
<p>
    もっとも、滞納組合員が支払督促に異議を出した場合には通常訴訟の手続 に移行することになってしまいますので、注意が必要です。
</p>
<p>
    (B) 少額訴訟
</p>
<p>
    少額 (60万円まで)の請求をする場合に利用することができる制度です。 原則として1回の期日で審理を終え、判決を出してもらうことができますし、
    通常訴訟よりも費用を抑えることができます。
</p>
<p>
    支払督促だと異議が出されることが予想される場合には、この少額訴訟を 利用することを検討してもよいでしょう。 (C) 訴訟
    一般的に知られている裁判のことです。
</p>
<p>
    前記(A)(B)の2つに比べて、時間と費用がかかりますが、滞納金が多額で ある、支払督促を出しても異議が出されそうというときは、最初から通常
    訴訟を提起したほうがよい場合もあるでしょう。
</p>
<p>
    なお、組合員が今後も支払いをしないと思われる場合、滞納分だけでは なく、今後発生する管理費等の支払いも命じさせることができる場合があ
    り、滞納者への対応には有効な場合があります。
</p>
<p>
    ho
</p>
<p>
    支払う意思はあるが、現在事情があり支払えないというのであれば、分割
</p>
<p>
    <strong>82</strong>
    <strong></strong>
</p>
<p>
    (
</p>
<p>
    みえ)
</p>
<br clear="all"/>
<p>
    第3章 管理組合の会計と税務
</p>
<p>
    || 管理費等滞納者への対応
</p>
<p>
    (D) 強制執行
</p>
<p>
    (E) 先取特権による競売
</p>
<p>
    マンションの管理費等については先取特権というものが認められており (区分所有法7条)、上記(A)~(C)の手続をすることなく、マンションを競売す
    ることができます。
</p>
<p align="right">
    しかし、この場合も、上記の剰余主義が適用されるため、必ずしも実効 的とはいいにくいと思われます。なお、抵当権が設定されているかは登記
    事項証明書を見れば確認できます。
</p>
<p>
    (F) 配当要求
</p>
<p>
    (A)(B)(C)の3つの方法により判決など(これらを債務名義といいます)を取得 すると、滞納者の財産の差押えをすることができ、これにより管理費等を
</p>
<p>
    回収することができます。
</p>
<p>
    もっとも、滞納者の財産を把握していないと強制執行により回収するこ とができません。たとえば、勤務先や預金口座の支店名までを把握してい
    る必要があります。また、マンション自体を競売にかけることも可能ですが、 マンションに抵当権が設定されていたり、税金の滞納があって、売却金額
    がこれらに満たないような場合には、競売自体を進めることができません (剰余主義、民事執行法63条)。
</p>
<p>
    現実には、以上のような問題から回収ができないという事態が少なくあ りません。
</p>
<p>
    なお、平成28年改正標準管理規約および同コメントの別添3資料「滞納管
</p>
<p>
    理費等回収のための管理組合による措置に係るフローチャート」には、管理
</p>
<p>
    組合が「金融資産については、滞納者の同意書を携行し、銀行等から情報を 得るように努める」、「不動産については、...課税当局の固定資産税台帳を
</p>
<p>
    調査するように努める」との記載がなされていますが、疑問です。滞納して いる区分所有者から「同意書」をとることはまず現実的とは思えません。仮
</p>
<p>
    に「同意書」を得たとしても、それだけで金融機関や課税当局が個人の資産 内容という究極のプライバシーを簡単に他人に開示するとは思えません。
</p>
<p align="right">
    「ちなみに、弁護士法23条の2は、弁護士が職務上の必要性がある場合に 各自の所属する弁護士会を通じて、官公庁や企業などに対して一定の事項の
    照会を求める制度を規定していますが、金融機関に対する個人の預金口座の 情報照会については、ようやく昨年(平成28年)から今年初めにかけて、三
    菱東京UFJ銀行、三井住友銀行、みずほ銀行などの限られた銀行について、 東京、大阪などの一部の弁護士会からの照会を受け付ける運用が始まったば
    かりです。その場合も、対象は債権差押命令申立事件に限られ、債務名義の あることが必要となります。
</p>
<p>
    前記D)と(E)は管理組合自身が競売を申し立てて競売を進めることになり ますが、他の債権者が競売を申し立てている場合には、配当要求の手続を
    することにより、この競売手続で配当を受けられることがあります。 (3) 59条競売
</p>
<p>
    以上のような方策が功を奏しない場合、その人の所有建物を区分所有法 59条に基づいて競売にかけることが可能です。
    「区分所有法59条は、「区分所有者の共同の利益に反する行為」がある場合、 マンションを競売できる旨規定しており、管理費の滞納もこれにあたると
    考えられているため、滞納額が大きくなった場合には、競売にかけること も選択肢になり得ます。
</p>
<p align="right">
    いくら滞納があれば競売が認められる程度となるのかということには明 確な基準はありませんので、実際に訴訟にするかどうかの決断は難しいで
    すが、この方法によれば、滞納者自体を排除することができ、滞納問題を 根本的に解決することもできるため、最終手段としては検討に値するもの
    と考えられます。
</p>
<p>
    また、59条競売が認められるためには、「他の方法によってはその障害を 除去して共用部分の利用の確保その他の区分所有者の共同生活の維持を図
    ることが困難であるとき」という要件を満たす必要があります。たとえば、 マンションを競売にかけたものの、無剰余取消しされてしまった場合などが
    考えられますが、実際に競売にかけなくても、登記記録上抵当権が設定され
</p>
<p>
    <strong>84</strong>
    <strong></strong>
</p>
<p>
    <strong><em>185</em></strong>
</p>
<br clear="all"/>
<p>
    第3章 管理組合の会計と税務
</p>
<p>
    | || 管理費等滞納者への対応
</p>
<p>
    ていることなどの事情があれば、このような要件を満たすこともあります。
</p>
<p>
    詳細は事案によりますので、59条競売を進める場合には、専門家に相談 するとよいでしょう。
</p>
<p>
    なお、競売を認める判決が出された後に組合員が部屋を他人に売ってしま うとそのマンションを競売することはできなくなってしまいます(最高裁平
</p>
<p>
    成23年10月11日判決(集民238号1頁))ので、判決が認められた場合には迅速 な対応が必要になります。また、これを回避するために、59条競売を求め
    る裁判を申し立てる前に、所有者を変更しないように仮処分を申し立てると いうことも考えられますが、最高裁は、これもできないとしました(最高裁
    平成28年3月18日決定(民集70巻3号937頁))。ですので、59条競売をしよう
    とする場合には、判決後すぐに競売をできるようにするしか、現状ではない といえるでしょう。
</p>
<p>
    (5/65) 58条による使用禁止
</p>
<p>
    区分所有法58条は、共同の利益に反する行為をしている場合、専有部分 の使用禁止を請求できるとしています。上記のとおり、管理費等の滞納は共
</p>
<p>
    同の利益に反する行為といえますので、本条により専有部分の使用禁止を求 めるということが考えられます。
</p>
<p>
    しかし、専有部分の使用を禁止したからといって、滞納の解消には直結し ないということから、裁判所は、現状においてはこれを認めていません(大
    阪高裁平成14年5月16日判決(判タ 1109号253頁))。
</p>
<p>
    最高裁判所の判例ではなく、結論が変わる可能性もありますが、現状にお いては上記の実務となっていますので、管理組合としては、他の方法を検討
</p>
<p>
    することになると考えられます。 ( 6) 水道・電気等の供給停止
</p>
<p align="right">
    管理組合が水道や電気の料金を集金しているような場合、滞納者に対する 水道や電気等の供給を停止することで、事実上、支払いを促そうとすること
    が考えられます。
</p>
<p>
    しかし、福岡地裁小倉支部平成9年5月7日判決など、供給停止をしたこ
</p>
<p>
    とが区分所有者の平穏な生活を侵害するものであるなどとして、不法行為で あるとして管理組合に損害賠償を命じた裁判例があります。
    「水道や電気が生活において不可欠なものであることからすれば、管理費等 を滞納している人がいるとしても、これらを停止する措置を講じることは、
</p>
<p>
    基本的には避けたほうがよいでしょう。 (6) 氏名公表
</p>
<p>
    管理費等を滞納している人の氏名などを公表することで、事実上、支払い を促そうという管理組合がしばしばありますが、これがプライバシー権の侵
    害や名誉毀損であるとして、管理組合に対して慰謝料の請求を求めることが 考えられます。
</p>
<p>
    東京地裁平成11年12月24日判決(判時1712号159頁)は、管理組合が、事前 に支払いの意思があるのであれば公表を控える旨を伝え、管理費等を一部で
    も支払っていれば氏名を削除する措置を講じていたなどの点を考慮し、立看
</p>
<p>
    板の設置による氏名の公表は不法行為にはあたらないとしました。
</p>
<p align="center">
    しかし、個人情報の取扱いについて議論のある現在においてもこれと全く 同じように考えられるとは限らないことなどからすれば、管理組合としては、
    安易な氏名の公表は差し控えたほうがよいでしょう。少なくとも、規約にお いて管理費等の回収に関して規定するに際して氏名の公表に関するルールを
</p>
<p>
    定め、実際に公表をするにしても、事前に通知をし、対処の機会を設けてお くなどをしておく必要があるといえるでしょう。
</p>
<p>
    ○ 4 法的措置をとる場合の注意点
</p>
<p>
    (1) 決議 前記3で述べた法的措置を講じる場合には、その旨の決議を経る必要があ ります。基本的には総会決議によることになりますが、標準管理規約54条
    7号、60条4項のような規定がある場合には、理事会決議で足りると考え られます。
</p>
<p>
    裁判所において手続をする際には、適切な内部手続をとっている資料とし
</p>
<p>
    <strong>861</strong>
    <strong></strong>
</p>
<p>
    <strong>| 87</strong>
</p>
<br clear="all"/>
<p>
    第3章 管理組合の会計と税務
</p>
<p>
    | | マンション管理と保険
</p>
<p>
    られます。
</p>
<p align="right">
    マンションを取り巻くリスクを考えた場合、マンションに損害保険をかけ ておかないと、事故が起こり、管理組合が責任を負う場合、管理組合の費用
    負担で損害を補償することになりますので、保険を賢く利用することが重要 75.
</p>
<p>
    て、管理規約のほか、これらの決議に関する議事録の提出を求められること が一般的です。
</p>
<p>
    (2) 遅延損害金 滞納者に対しては、遅延損害金を請求することができます。 管理規約に遅延損害金の規定がある場合には、それに基づく利率の遅延損
    害金を請求することになります(たとえば、標準管理規約60条2項は規定にお いて利率を決めることとしています)が、規約に定めがない場合には年5%の
</p>
<p>
    割合となります。
</p>
<p align="center">
    また、遅延損害金は、各支払期日の翌日からとなりますので、法的措置を 講じる場合には、各支払期日からの遅延損害金を請求するようにしておく必
</p>
<p>
    2 マンション総合保険の対象の範囲
</p>
<p>
    要があります。
</p>
<p>
    (3) 弁護士費用
</p>
<p>
    法的措置を講じる場合には、弁護士に費用を支出して依頼することがあり
</p>
<p>
    ます。この弁護士費用については、管理規約に規定することで、滞納者に請 求することができます。
</p>
<p>
    たとえば、標準管理規約60条2項のように「違約金として」弁護士費用を 負担させるにようにしておくとよいでしょう。この場合、実際に支払った弁
    護士費用を滞納者に請求できると考えられます(東京高裁平成26年4月16日判
</p>
<p>
    「マンション総合保険は、建物の共用部分および共用部分に収容される区分 所有者共有の動産が対象となり、マンションの専有部分は、対象になりませ
    ん。具体的には以下のとおりです。 O 専有部分以外の建物の部分 2 専有部分に属さない建物の附属物で建物に直接附属する設備
</p>
<p>
    専有部分に属さない建物の附属物で建物に直接附属しない設備 4 管理規約により共用部分となる建物の部分または附属の建物
    60~9までに掲げる部分にある畳、建具その他これらに類する物 60~のに収容される区分所有者共有の動産
</p>
<p>
    なお、マンションの共用部分の範囲を決める基準として、上塗り基準と壁 芯基準があります。
</p>
<p>
    「上塗り基準」とは、共用部分と専有部分の境界を天井、壁、床など部屋 の内側とする基準です。
</p>
<p>
    決(判時2226号26頁))。
</p>
<p>
    上記のような管理規約の内容にしていない場合には、弁護士費用を負担し ても、これを滞納者に請求することができなくなってしまいます。
</p>
<p>
    (図3) 壁芯基準と上塗り基準
</p>
<p>
    II マンション管理と保険
</p>
<p>
    [壁芯基準)
</p>
<p>
    [上塗り基準]
</p>
<p>
    BO
</p>
<p>
    1 マンションのリスクと保険
</p>
<p>
    火災、爆発、落雷、風災、雪災、水ぬれ、破損、汚損など、マンションの 賠償事故リスクは多様です。上記のような各種の事故による損害のほか、地
    震による損害や電気的・機械的事故、個人の賠償責任となる事故などが考え
</p>
<p>
    Em
</p>
<p>
    <strong>88</strong>
</p>
<br clear="all"/>
<p>
    A W 大規模修繕工事の進め方
</p>
<p>
    第4章 共用部分の維持管理
</p>
<p>
    -
</p>
<p>
    -
</p>
<p>
    -
</p>
<p>
    (2) 不具合の発生現象・要因と日常のチェックポイント (A) 自走式駐車場
</p>
<p>
    自走式駐車場は、経年で塗装や仕上げの劣化が生じます。これは、建物の 日常点検や大規模修繕を行う際の建物調査時に確認を行います。
</p>
<p align="center">
    屋根がない場合は、最上階の防水劣化状況の確認が必要になります。また、 周囲の落下防止手すりや車止めなども固定部分の緩み等を確認する必要があ
</p>
<p>
    W大規模修繕工事の進め方
</p>
<p>
    <em>03)</em>
</p>
<p>
    1 大規模修繕工事とは
</p>
<p>
    「建物は手入れを怠ると劣化してしまい、寿命が短くなります。鉄筋コンタ リートの建物は、適切に手入れをしていれば60年以上使用できます。
    く定期的に下記の内容を伴う工事を、一般的に大規模修繕工事と称します。
</p>
<p>
    ・建物を長持ちさせ資産を維持していくために行う計画修繕工事
</p>
<p>
    Do
</p>
<p>
    (B) 機械式駐車場
</p>
<p>
    機械式駐車場は、エレベーターと同様に、保守契約を結んで運用します。 ただし、エレベーターのような点検の義務づけはありませんが、附属設備と
    して設置してある消火設備は消防法による点検の対象です。
</p>
<p>
    (3) 修繕の時期と方法
</p>
<p>
    ・通常は足場を架けて行う、複数のまとまった工事
</p>
<p>
    (A) 自走式駐車場
</p>
<p>
    *長期修繕計画では12年周期が多い(実質10 ~ 15年) ・対象は共用部分で、費用は修繕積立金を用いて行う工事(管理規約で
    修繕積立金の取り崩しの規定がある)。ただし、昨今は、給水管更生工
</p>
<p>
    事など施工上合理性があったり、劣化により他室に影響を及ぼす箇所 の工事の場合は、総会決議を経て、専有部分を含む場合もある。
</p>
<p>
    自走式駐車場は、大規模修繕工事などとあわせて塗装や防水などの補修を
</p>
<p>
    行いながら、長期的には建替えを想定しておくことが必要です。
</p>
<p>
    なお、改修工事を行う際は、車の通行が絡むため、防水等の使用材料の選 定のほか、工事中の車の移動方法の検討が必要になります。
</p>
<p>
    er
</p>
<p>
    (B) 機械式駐車場
</p>
<p>
    なお、建築基準法の中で工事の種類として以下の定義がされています。 O 建築:建築物の新築、増築、改築、移転 2
    大規模の修繕:建築物の主要構造部を含む過半の修繕 3 大規模の模様替:建築物の主要構造部を含む過半の模様替
    しかし、本章で述べている一般的に「大規模修繕工事」と呼ばれる工事は、 過半の主要構造部を含まない修繕のため、上記のいずれにもあてはまりませ
</p>
<p align="center">
    の大型落。 4巻。
</p>
<p align="center">
    既法 必ず 一 ?
</p>
<p align="right">
    機械式駐車場の修繕周期は、設置されている装置や環境によって幅があり ます。駐車装置の全面更新は、屋外設置の場合、20 ~ 25年程度で行われます。
    部分補修箇所としては、駆動部分等の昇降装置は10年程度で取替え、安全 装置は5年程度で修繕・取替え、ピット式の場合に設置されている排水ポン
    プは10年程度で取替え、塗装部分は4~5年で再塗装とされています。
</p>
<p align="right">
    なお、近年は駐車場の空きが多くなり、維持管理費用が不足する状況が出 てきています。全面的な修繕の際は、現状どおりで更新する以外に、駐車装
    置を撤去して平面式駐車場に変更することも考えられます。仮に、余った駐 車区画をマンション外の所有者に貸し出す場合、その方法によっては課税対
    象となる場合があります。詳しくは、第3章V2をご参照ください。
</p>
<p>
    <strong>2 </strong>
    <strong>大規模修繕工事までの流れ</strong>
    <strong></strong>
</p>
<p>
    大規模修繕工事は、思い立ったらすぐに取りかかれるわけではなく、いろ
</p>
<p>
    9 問題が発生して行う工事を対処修繕といい、問題発生前に予防的に行う工事を計画修繕といい
</p>
<p>
    35.
</p>
<p>
    <strong>158</strong>
</p>
<p>
    <strong><em>159</em></strong>
    <strong><em></em></strong>
</p>
<br clear="all"/>
<p>
    V 大規模修繕工事の進め方
</p>
<p>
    第4章 共用部分の維持管理
</p>
<p>
    --
</p>
<p>
    -
</p>
<p align="center">
    いろと準備が必要になり、主な流れは「表15] のとおりとなります。 多くの組合員に周知するように心がけることがポイントです。
</p>
<p>
    (1) 準備段階 (A) 大規模修繕工事専門の委員会を立ち上げる
</p>
<p align="right">
    すべてを管理会社に任せてしまうマンションが多い中、自分たちの資産で すので自分たちで劣化状況を把握し考えることが必要です。その準備として、
    理事会が中心となって取り組むことも可能ですが、期ごとにメンバーが替わ
</p>
<p>
    る理事会では検討から工事完了まで2年程度はかかる大規模修繕を継続的に
</p>
<p>
    効率よく高水準でまとめ上げることはできません。そこで、大規模修繕工事 専門の委員会を立ち上げて、複数年にまたがる検討を固定メンバーで行うよ
    うにしましょう。
</p>
<p>
    委員会メンバー構成のポイントは、以下のとおりです。
</p>
<p></p>
<p>
    れにち9.と。
</p>
<p>
    ・メンバーを公募する。希望者がいない場合は、理事や役員の経験者、
</p>
<p>
    公平な意見を出せる方などに声をかける。必ずしも専門家である必要
</p>
<p>
    (表15] 大規模修繕工事までの流れ
</p>
<p>
    it to V.
</p>
<p>
    $ses --
</p>
<p>
    ・理事との兼任者を入れておくことで、理事会との連携も保つことが容
</p>
<p>
    易になる。 ・老若男女揃うのが望ましい。いろいろな参加者がいると意見が広がる。
</p>
<p>
    特に常時在宅している方の意見は重要。
</p>
<p>
    &gt;
</p>
<p>
    ・大規模修繕工事専門委員会の設立 NY (1) 準備段階
</p>
<p>
    ・パートナー決定(専門家の活用方法)。 ・大規模修繕工事の検討開始を告げる総会決議 ・調査までのスケジュール検討
</p>
<p align="center">
    ・不具合・劣化部分の調査(パイロット調査) (2) 建物調査診断・組合員意識調査、居住者による不具合箇所聴き取り(アン
</p>
<p>
    (2~3カ月) | ケート)
</p>
<p>
    ・調査結果報告会の開催 ・工事までのスケジュール、工事時期の検討
</p>
<p>
    ・組合員要望聴き取り (3) 修繕計画立案・工事範囲と修繕方法検討
</p>
<p>
    (3~4カ月) |・予算検討
</p>
<p>
    ・工事仕様書作成 ・工事範囲説明会の実施 ・公募条件検討 ・公募(専門新聞、WEB)
</p>
<p>
    ・見積発注会社選定(第1次選定) (4) 工事会社選定
</p>
<p>
    ・見積発注 (3~4カ月)
</p>
<p>
    ・選定会議開催(第2次選定) ・ヒアリング(第3次選定) ・工事会社および予算の承認総会の実施
</p>
<p>
    ・工事実施状況の把握 (5) I 事
</p>
<p>
    ・色決め等の検討
</p>
<p>
    専門委員会は、理事会の諮問機関と位置づけられます。専門委員会から答 申された審議結果が理事会で快く追認される組織づくりが必要です。 (B)
    専門家(パートナー)への依頼方式を決める
</p>
<p>
    適正な補修箇所や価格を知るなど、工事にあたっては専門的な知識が必要 なため、委員会だけで検討するのは無理があります。専門家であるパートナー
    を活用しましょう。
</p>
<p>
    パートナーには大きく分けて2つの方式があり、それぞれ特徴があります (表16] 参照)。
</p>
<p align="right">
    できるだけ管理組合側の手間をかけたくない場合は責任施工方式(大抵の 場合、管理会社に委託している場合が多い)を選択するのに対し、工事の内容
    をきちんと把握し、費用も安く済ませたい場合は設計監理方式を選択します。
</p>
<p>
    責任施工方式はすべてお任せになるため、高額な工事費用になる可能性が あります。また、第三者チェックがないため、作業や品質が甘くなることも
    考えられます。
</p>
<p>
    <strong>160</strong>
    <strong></strong>
</p>
<p>
    <strong><em>161</em></strong>
</p>
<br clear="all"/>
<p>
    第4章 共用部分の維持管理
</p>
<p>
    IV 大規模修繕工事の進め方
</p>
<p>
    (表16] パートナー方式比較
</p>
<p>
    Etat
</p>
<p>
    責任施工方式
</p>
<p>
    設計管理方式 安心できそうな工事会社や管理 設計事務所や管理会社に、建物診
</p>
<p>
    会社に建物診断・補修計画・工事|断・補修計画・工事会社選定・監 概 要 | の施工をすべて委託する。 理を委託する。
</p>
<p>
    工事会社選定は公募を行い、見積
</p>
<p>
    合わせを行う。 パートナー|工事会社または管理会社 設計事務所
</p>
<p>
    ・管理組合の手間がかからない。|・第三者による工事の厳正な品 ・設計管理費用がかからない。|質チェックが入る。
</p>
<p>
    ・工事費用のコストダウンが図 XUwy
</p>
<p>
    63. ・何を行っているのかが透明に
</p>
<p>
    <em>t.</em>
</p>
<p>
    ・建築士資格者がかかわる。 ・内容が管理会社の思惑でどの|・設計管理費用が発生する。た
</p>
<p>
    ようにも進められる。 | だし、工事費は安くなるため、 ・競争がないため工事価格は割| トータルとしては安くつく。
</p>
<p>
    高になる。
</p>
<p>
    |・打合せが多くなる。 デメリット
</p>
<p>
    ・第三者がいないため品質
</p>
<p>
    チェックが甘くなる。 ・工事品質や状況などが管理組 「合から見えにくい。
</p>
<p>
    計監理者としてふさわしいパートナーの選定をお勧めします。
</p>
<p>
    (C) 設計監理方式のパートナーの選び方
</p>
<p align="right">
    前記1で述べたように、「大規模修繕工事」は建築基準法上で定義されるエ 事ではないため、計画を立てるのにあたって有資格者は必要ありません。し
    かし、修繕工事における必要知識は、新築時の知識だけではなく、その劣化 状況から改修方法を判断するなど、新築時の知識+ a が求められます。した
    がって、最低でも有資格者が携わる必要性があることから「建築士」が行う べきと考えますし、その中でも同じ理由により改修工事の経験の豊かな建築
    士である必要があります。
</p>
<p align="right">
    「新築設計」しか行っていない建築士の場合、「新築設計」と「改修設計」の 違いすら知らずに携わってしまっている場合もありますので、建築士であれ
    ば誰でもよいわけではありません。注意が必要です。
</p>
<p>
    建築士を選ぶ場合、建築士の所属する「設計事務所」に依頼します。 間違えやすい設計事務所の選び方として、以下のようなものがあります。 1
    工事会社を選定するのと同じ方法で選定してしまう(例:管理組合側
</p>
<p>
    から劣化調査診断や補修箇所の項目、作業数(人工)を指定して、単価のみを
</p>
<p>
    これに対し、設計監理方式は、管理組合とパートナーが協力し合って進め るため、納得と安心が得られやすく、「オーダーメイド」に例えられます。こ
    の方式を採用することで、見積金額を第三者の目で審査することになります ので、結果的に工事費が安く済むことにもつながります。充実した結果が得
    られやすい方式といえます。
</p>
<p>
    大規模修繕工事は、建物を長く使い続けるための大切な工事です。工事が 終了した後のフォローやアフター点検、補修なども重要です。
</p>
<p>
    工事前、工事中、工事後の管理組合のさまざまな負担を軽減するため、設
</p>
<p>
    入れてもらう形式をとる) →どのような方法で建物診断や補修設計を行うのかは専門家でないと判
</p>
<p>
    断できません。中途半端な情報で項目や作業数を指定すると、無駄な項 「目が入ったり、足りないものが生じてしまいます。足場を立てないと実
</p>
<p>
    施できない調査が入っていた例もあります。 2 市販本に記載されている改修方法や経験の少ないマンション管理士の
    助言などにより、選定を試みようとする(例:上記のの条件をもとに、金 額や会社の規模で判断する)
    →パートナーの差は個人の素質・能力に最も現れます。0の方法だと必 然的に業務費用や会社の規模で判断することになり、個人の素質・能力
    は二の次、三の次になります。金額は一般組合員への選定理由として説 明しやすいですが、パートナーの業務費用の差は工事金額の差に比べれ
</p>
<p>
    <strong><em>162</em></strong>
    <strong><em></em></strong>
</p>
<p>
    <strong>163</strong>
    <strong></strong>
</p>
<br clear="all"/>
<p>
    第4章 共用部分の維持管理
</p>
<p>
    「IV 大規模修繕工事の進め方
</p>
<p>
    ・管理組合がわかりやすいように説明ができる(コミュニケショーンがと
</p>
<p align="center">
    ばわずかでしかなく、バックマージンを受け取っているパートナーがい ることも覚えておく必要があります(国土交通省「設計コンサルタントを
    活用したマンション大規模修繕工事の発注等の相談窓口の周知について(通
    知)」(平成29年1月27日)&lt;http://www.mlit.go.jp/common/001170196.pdf&gt; 参照)。
</p>
<p>
    また、会社規模が大きいほど、経験豊富な技術者は多くの物件を並行 して見ることになるため、実質の個別の現場担当者は経験の浅い技術者 になりがちです。
    マンションの改修設計に携わる設計事務所が増えてきたのは、新築工事が 減り、逆に改修工事が増えて「仕事になる」と思われるようになった近年です。
    それまでは、マンションの改修工事の質や工事費用に疑問をもち、管理組合 の利益を守るためや工事の質の向上のために力を注いできた熱意のある設計
    事務所のみが携わってきたという歴史があります。それらのほとんどは、規 模の小さな設計事務所であることを考えると、パートナー選定の際に規模の
    大きな事務所に限定すると、こういった経験・技術や熱意をもった設計事務 所が除外されてしまうことになるので、大変もったいないことになります。
    一見、技術者の差は見えにくいですが、実際にはかなりの差があることを 知っておいてほしいと思います。
</p>
<p>
    選定する場合は以下の点を重視するとよいでしょう。
</p>
<p>
    りやすい、組合の意見に真摯に耳を傾けてくれる)人 ・管理組合に対しても、中立的な意見を言ってくれる人(何でも言うこ
</p>
<p>
    とを聞く人は要注意) 2 業務費用にとらわれない ・パートナーに支払う委託業務費用は、工事費に比べればごくわずかな
</p>
<p>
    費用。パートナーによって今後の工事費用が変動することを考えれば、 上記Oの基準で選定することのほうがパートナーの費用の大小より大
    切。100万円程度の費用を削って数千万円損することのないよう熟慮 530 ・設計事務所の業務報酬は、国土交通省の告示で算定基準が規定されて
</p>
<p>
    いる。これは、直接人件費(作業量に技術者の力量に応じた報酬額を掛 けた金額)に経費・技術料を加算したもので、本来はそれほど差が出
    るものではない。しかし、その金額に比較して2分の1や3分の1と いった極端に安い金額で提示される場合は注意が必要。
    ・委託業務費用が安い場合、マンションを管理している管理会社や決定
</p>
<p>
    した工事会社から紹介料やバックマージンなどを受ける場合が見受け られる。このような費用の授受は公平な判断や工事会社への指示力を
    妨げるし、管理組合を単なる「客」としか見ていないことになる。場 合によっては出来レースを組まれる場合もある。
    ・委託業務費用が安い場合、契約前には経験豊富な建築士が来ていても、
</p>
<p>
    契約後は経験の少ない担当者だけになる場合がある。 のヒアリング(面接)の実施 ・コミュニケーションがとりやすいかは直接会って話をする必要があ
</p>
<p>
    る。必ずヒアリングを行って確かめる。 ・実際の実務を行う担当者がヒアリングに参加するよう要請する。
    ・資料について、多額の費用がかかっていたり、まだ決まっていない先 の設計内容まで網羅したりする資料の作成は、業務費用から考えると
</p>
<p>
    0 会社や団体の規模等ではなく担当者で選ぶ ・専門家として信頼できる人 ・マンション改修に対する経験や実績が豊富な人
    ・特定の業者や企業とかかわりをもたない第三者であることを約束でき
</p>
<p>
    る人、そのようにして管理組合の利益を守れる人 ・建築技術だけではなく、資金計画や借入れなどの資金面にも配慮でき
</p>
<p>
    31 ・区分所有法や規約など管理組合運営に関する知識も備えている人 ・工事会社へはもちろん、管理会社へもきちんと意見が言える人
</p>
<p>
    <strong><em>164</em></strong>
</p>
<p>
    <strong><em>165</em></strong>
    <strong><em></em></strong>
</p>
<br clear="all"/>
<p>
    第4章 共用部分の維持管理
</p>
<p>
    「V 大規模修繕工事の進め方
</p>
<p>
    難しいのが実態。そのような資料を提出できるのは、実務に対して営
</p>
<p>
    業の比率が高い会社。 ・担当者がかかわった管理組合の方の話を聞いてみる。
</p>
<p>
    (A) 不具合・劣化部分の調査
</p>
<p>
    「(a) 資料の準備
</p>
<p>
    調査に先立ち、以下にあげた資料を準備し、パートナーに提供する必要が ありますので、前もって準備をしておくとよいでしょう。
</p>
<p>
    ・建物概要(下記書類に記載されていない内容を記載したもの一売主、設
</p>
<p>
    計者、施工者、管理会社、完成引渡日などの情報)
</p>
<p>
    ・新築時の建物の図面(竣工図書)
</p>
<p>
    ・新築時からこれまでの修繕・改修履歴 ・各種検査報告書
</p>
<p>
    パートナーの質が悪かった場合、そのパートナーを選定した執行部(理事 会や専門委員会)の責任が問われることを恐れたり、それによる工事品質が
    悪かった場合は資産価値に影響することを恐れて、パートナーの質に関して なかなか表立って明確な評価が出てくることは少ないのが現状です。しかし、
</p>
<p>
    悪質なパートナーはリピーターが少ないことで判断ができます。
</p>
<p>
    したがって、リピーターや紹介が多い建築士や、大規模修繕工事を実施し た他の管理組合が紹介する建築士はよいパートナーとしての1つの基準とな
    りますし、実際にお付き合いしてみた印象を聞いてみることをお勧めします。
</p>
<p>
    また、決定する前に、担当予定の建築士に有償でもかまわないので、修繕 についての講習会を開いてもらうと勉強になるだけでなく、その建築士の力
</p>
<p>
    量や知識を判断する材料にもなります。
</p>
<p>
    信頼できるよいパートナーにめぐり会えると、大規模修繕だけでなく、そ の先まで長い付き合いが可能です。かかりつけのお医者さんのように携わっ
    てもらえるパートナーを選びましょう。
</p>
<p>
    (D) 総会の実施
</p>
<p>
    この時期の総会において、以下を決議しておく必要があります。 0 大規模修繕工事を近々実施すること(正確な日程は決めなくてかまわな
</p>
<p>
    11) 2 パートナーとの契約(どこにいくらで発注するか)
</p>
<p>
    (2) 建物調査診断 今後のロードマップ(進め方やスケジュール)はパートナーが作ります。こ
    れに基づいて大規模修繕工事まで進めていきますが、その最初の作業が建物
</p>
<p>
    劣化診断調査になります。
</p>
<p>
    なお、竣工図書はいろいろな工事で利用するため、やぶけたり、印刷がか すれてきたりします。早めにデジタル化(スキャニング)しておくことをお勧 めします。
</p>
<p align="center">
    (b) 組合員意識調査、居住者による不具合箇所聴き取り(アンケート) 調査前には、居住者・区分所有者にアンケートを行うのが一般的です。こ
    のアンケート項目には、居住者が把握している不具合内容と大規模修繕工事 に対する質問や要望事項などを入れますが、通常はパートナーがひな型を作
</p>
<p>
    成し、管理組合と内容を吟味したうえで行います。
</p>
<p>
    (c) 調査箇所
</p>
<p align="center">
    調査部位や方法の適正さは主にパートナーが判断することになりますが、 外壁など高所の調査は足場がないとできないこと、調査用足場をかけると費
</p>
<p>
    用が膨大になること、工事が始まればあらためてすべてを調査することにな ることから、部位によっては部分調査によって劣化傾向をみることになりま
    す。そのため、このあとに工事数量を積算しますが、脳体補修など調査では 数量が確定できない箇所は、調査結果から想定数量を割り出し、工事開始後
    に増減精算を行う「精算工事」として扱うことが一般的です。 調査箇所・方法は、一般的には(表17] の部分で行います。
</p>
<p>
    <strong>166</strong>
    <strong></strong>
</p>
<p>
    <strong>167</strong>
    <strong></strong>
</p>
<br clear="all"/>
<p>
    第4章 共用部分の維持管理
</p>
<p>
    IV 大規模修繕工事の進め方
</p>
<p>
    (表17] 主な調査箇所
</p>
<p>
    B
</p>
<p>
    ・共用部分のうち、手が届く専用使用されていない箇所すべて(屋上・ 屋根・外壁・共用廊下・エントランス周り・機械室・ごみ置き場・ 駐車場・駐輪場など)
    ・専用使用されている共用部分(主にバルコニー)の一部(全住戸の
</p>
<p>
    1/10程度) ・主に目視調査で編体・仕上・防水等の劣化具合を確認 ・機械調査(破壊調査)にて、既存仕上材付着力(塗装面・タイル面)、
</p>
<p>
    コンクリート中性化、シーリング材質の試験を実施 第1回目の大規模修繕工事ではほとんど行う必要はありませんが、新
    築時の工事瑕疵が気になる場合は調査を行う場合もあります。 ・メーターボックス内・一部の住戸のパイプスペース内の配管類、水
</p>
<p>
    槽類、機械・機器・器具類 ・給排水衛生設備の外観 ・電気関係の外観 ・消防設備の外観 ・配管経路、材質を確認
    ・築年数が経っている場合、設備配管類の抜管(配管を切り取って内
</p>
<p>
    部を確認する)や内視鏡による劣化状況を検査
</p>
<p>
    行います。また、工事の実施時期は劣化状態や資金面などから想定し、最終 的には、工事範囲や社会情勢なども加味するなどして決定するのが望ましい
    方法ですが、工事実施までの途中には必ず総会の開催もあるため、通常は調 査診断後、工事業者選定の総会決議まで6カ月から8カ月が必要になります。
    十分な期間を確保して的確に進めるようにしましょう。 (A) 工事範檢討
</p>
<p align="right">
    調査結果に基づき、工事範囲を決めていきます。その内容は、パートナー からの提案に、管理組合からの要望を加えたものがベースとなります。管理
    組合の要望は、調査前のアンケートも活用しますが、調査結果から提案され た補修内容が、修繕委員会や理事会だけでは判断できなかった場合など、マ
    ンションの状況によってはあらためてアンケートをとることも必要です。し かし、多くの内容を盛り込みすぎると工事費がかさんでしまうため、調査結
    果と予算をもとにパートナーに工事範囲と工事費予算書を作ってもらい、優 先順位とどの項目を実施すればどの程度の費用になるかを検討し決めていき
</p>
<p>
    A
</p>
<p>
    $5.
</p>
<p>
    (B) 調査結果報告会の開催 パートナーより調査結果報告書が提出されたら、専門委員会にて報告を受
    けます。その後、一般居住者へ向けた報告会を開催して、建物の状況を広く
</p>
<p>
    知ってもらいましょう。多くの人に状況を知ってもらうことで、この先の居 住者の協力態勢など、進め方がスムーズになります。
    「できれば、パートナーに建物を案内してもらい、居住者自ら不具合部分を
</p>
<p>
    見ておくことでより理解が深まります。
</p>
<p>
    (3) 修繕計画立案 工事範囲、予算、工期と時期を盛り込んだ修繕計画を立案し、最終的には
    区分所有者へ工事範囲の説明会を実施することをめざしますが、そのために は、理事会(または専門委員会)とパートナーとの打合せを1カ月に1回程度
</p>
<p>
    ○「予算書」の内容 ・工事範囲や内容を網羅した見積書形式の書類 ・パートナーが数量を積算し、標準単価を掛けて出す ・金額から工事範囲の検討が容易になる
    ・工事会社にはこの予算書をベースに、金額を伏せ、項目と数量のみの
</p>
<p>
    資料として提出することにより、競争見積りの際に項目や数量が共通 となり、金額のみの差になる
</p>
<p align="center">
    なお、大規模修繕工事の基本方針(目的)を明確にしておくと実施項目の 選択におれが少なくなります。ある古いマンションでは、資産価値の減少を
    抑えることを大目的とし、「近隣新築マンションに見劣りしない建物にする」 とのスローガンを掲げ、エントランスの改修や耐震工事までも実施しました。
</p>
<p>
    <strong>168</strong>
</p>
<p>
    <strong><em>169</em></strong>
</p>
<br clear="all"/>
<p>
    IV 大規模修繕工事の進め方
</p>
<p>
    第4章 共用部分の維持管理
</p>
<p>
    ー ー ー
</p>
<p>
    ー ー トレ
</p>
<p>
    その結果、中古売買価格が2割以上上昇したという例もあります。
</p>
<p>
    (B) 工事費予算の検討
</p>
<p align="center">
    工事範囲を決めるには、負担可能な予算を把握しておく必要があります。 予算を決めるにあたっては、長期修繕計画をもとに出費可能な額を出してお
    くことが望ましい方法ですが、長期修繕計画書自体がずさんな場合も多いた め、1度パートナーにチェックしてもらいましょう。ただし、あまりにずさ
    んな場合は長期修繕計画書自体を作り直す必要があり、別途費用が発生しま
</p>
<p>
    説明資料は、総会同様に前もって全戸配布しておくとよいでしょう。
</p>
<p>
    なお、工事範囲に共用部分の区画または用途が変わる工事が含まれる場合、 説明会ではなく総会が必要となりますのでご注意ください。 (E)
    仕様書の作成(実施設計)
</p>
<p>
    設計監理方式の場合、見積りを工事業者に発注する前に標準見積書式と標 準仕様書をパートナーに作ってもらいます。標準見積書式には予算書から価
    格を抜いた、工事項目と数量のみとします。これらによって、複数の施工会 社から提出される工事見積書が、同じ工事内容・同じ数量の見積りとなり、
    単に金額だけの比較ができるようになります。
</p>
<p>
    ○「仕様書」の内容 ・工事会社に対する指示書 ・工事の内容・工法・設計図、居住者対応などが具体的に記載された書
</p>
<p>
    ・使用する材料や工法が明示されているため、工事会社間で品質が統一
</p>
<p>
    され、見積り時の差がなくなる ・見積条件(支払条件、保証内容、アフターサービス内容等)も記載
</p>
<p>
    この検討結果によって、修繕積立金を今後増額する必要があることが発覚 する場合も少なくありません。
    「すべてを手持ち資金で賄えることが望ましいですが、必要な工事ができな い場合、一時金の徴収や借入れを検討せざるを得ない場合もあります。特に、
    一時金は支払えない住戸も出てくることが想定されるため、非常にハードル の高い方法です。一方で、借入れはうまく使うと修繕積立金の増額を抑える
    ことができる場合も多く、また本書執筆時点(平成29年2月1日)では、独立 行政法人住宅金融支援機構の借入金利は10年以内の償還期間の場合0.69%と
    非常に低く、担保の必要もないため、一考されることをお勧めします。
</p>
<p>
    (C) 工事期間(工期と時期)
</p>
<p align="center">
    工事規模をもとにどのくらいの工期が必要なのかを判断します。また、エ 事内容によっては季節(気温や湿度)の影響を受けますし、劣化状態や資金面
    も考慮する必要がありますので、パートナーの助言をもとに適切な工事開始
</p>
<p>
    時期を検討します。
</p>
<p>
    (D) 工事範囲説明会の実施
</p>
<p align="right">
    ある程度工事箇所・基本方針ができた段階で、区分所有者への説明会を開 催し、理解を得てもらうとともに意見を集約します。そのときも大規模修繕
    工事の基本方針があると理解が得られやすく、質疑応答も容易になります。
</p>
<p>
    (4) 施工業者の選定
</p>
<p>
    責任施工方式だと調査診断を行う前から、設計監理方式だと修繕計画立案 後に、複数の業者から工事見積りをとり、1社を選びます。
    「1社だけに依頼する方法もありますが、競争原理が働かないこと、工事費 用が適正かどうかが判断できないことなどから、一般的には工事費が高くな
    ることが考えられ、よほどよい工事を適正な価格で請け負うことが約束され ない限りはお勧めできません。
</p>
<p>
    (A) 工事会社のリストアップ
</p>
<p>
    以下の方法で見積りを依頼する工事会社をリストアップします。 0 公募(専門新聞やインターネットでの募集)
</p>
<p>
    10 別途、公益財団法人マンション管理センターの保証が必要です。
</p>
<p>
    <strong><em>170</em></strong>
    <strong><em></em></strong>
</p>
<p>
    <strong><em>171</em></strong>
</p>
<br clear="all"/>
<p>
    第4章 共用部分の維持管理
</p>
<p>
    IV 大規模修繕工事の進め方
</p>
<p>
    ・工事実績経歴書
</p>
<p>
    ・直近3年間の財務諸表
</p>
<p>
    ・法人税納税証明書 ・経営事項審査結果通知書
</p>
<p>
    2 紹介(居住者や知人、パートナーや管理会社)
</p>
<p>
    専門新聞の代表的なものには「建通新聞」「マンション管理新聞」等があり ますが、無償で掲載してもらえます。インターネットで募集できるサイトも
    複数ありますが、無料で掲載してもらえるサイトと手数料が必要となるサイ トがありますので、よく調べるかパートナーに相談しましょう。
</p>
<p>
    (B) 公募条件検討
</p>
<p align="center">
    公募においては闇雲に募集するのではなく、いくつかの条件を付けます。 修繕工事は実績が非常に重要で、新築工事とは大きく異なる以下のような力
</p>
<p>
    量が求められます。
</p>
<p>
    ・帝国データバンク企業情報
</p>
<p>
    ○工事会社に求められる力量 ・劣化具合から元々の施工状況を推察する ・一部分の状況から建物全体の注意点を把握する ・推察から施工方法を考慮する
    ・人が住んでいる状態での工事のため、監督や職人が居住者にしっかり
</p>
<p>
    対応できる
</p>
<p>
    (C) 公募の注意点
</p>
<p>
    公募を行う限り厳正な審査が必要になります。応募会社間で話合いが起き れば談合になりますし、管理会社や管理組合理事・委員に対して紹介料を出
    すことも考えられます。そのため、組合内での約束事や、情報が他所に漏れ ないような工夫が必要となります。特に、管理会社はいかようにも操作がで
    きる立場ですので(多くの管理会社は行わないと信じていますが)、釘を刺して おくか、心配事を減らすためにもあえて情報は流さないことも選択肢の1つ
    です。もちろん、管理会社にお手伝い願うことも可能ですが、上記のことは
</p>
<p>
    念頭に置いておく必要があります。
</p>
<p>
    よくある失敗として、組合員向け広報誌に候補となる工事会社名や予算、 見積金額などを記載して、それを掲示板に貼り出していることがあります。
    情報が筒抜けになりますので注意が必要です。 (D) 見積発注会社選定(第1次選定)
</p>
<p>
    これらのため、最低限の実績を公募条件に入れることが重要となります。 また、工事中の契約履行能力、完成後の工事保証(アフターサービスの範囲)
    のことを考えると、倒産しない会社を選定する必要もあります。そのため、
</p>
<p>
    財務諸表や課税証明書の添付などを行うのが一般的ですが、公募条件・添付 資料は建物の規模や工事範囲によって変わってきますし、規模にそぐわない
    高いハードルは工事費の高騰にもつながるため、パートナーと相談のうえで 決めます。
</p>
<p>
    修繕工事は施工会社として経験値が必要となります。そのため、工事費以 外の部分を考慮した選定も非常に重要になってきます。
</p>
<p>
    ○第1次選定 ・リストアップした工事会社の比較表はパートナーが作る ・第1次選定では会社規模・内容で、6~8社程度にふるいをかける
</p>
<p>
    ○公募提出書類の例 ・会社案内 ・会社経歴書
</p>
<p>
    できるだけ多くの会社から見積りをとることで工事費が安くなる可能性が あると思われがちですが、工事会社にとっても見積りの作成は大変な作業で
</p>
<p>
    <strong>172</strong>
</p>
<p>
    <strong><em>173</em></strong>
</p>
<br clear="all"/>
<p>
    第4章 共用部分の維持管理
</p>
<p>
    IV 大規模修繕工事の進め方
</p>
<p>
    4
</p>
<p>
    施工提案書(施工方針、工事管理体制、提案項目等)
</p>
<p>
    あり、受注できる可能性が低いと辞退される場合もあります。また、見積り をまとめる立場のパートナーの作業が増えるのはもちろんのこと、その精査・
    把握・対応にかかる管理組合の時間的負担も増大するため、お勧めできませ ん。また、見積りを依頼しその額が仮に安く出たとしても、この会社には頼
    みたくないという場合(評判がよくない、資料の不備が多いなど)も候補からは ずします。
</p>
<p>
    (E) 見積発注
</p>
<p>
    第1次選定で残った会社に見積りを発注します。 そのための資料として、パートナーは以下のものを工事会社に渡します。 1 見積要項書 2 標準見積内訳書式
    (3) 標準仕様書 O 建物図面 見積要項書とは、見積りについての条件を記載したもので、建物の概要を
    はじめ、見積書の提出方法や提出日、工事日程や工事費の支払方法等を記載 したものになります。
</p>
<p>
    発注するときは「見積現場説明会」をマンションで実施し、パートナーが 工事内容や条件等を説明します。管理組合の立会いは必ずしも必要ではあり
</p>
<p>
    ません。以前は一堂に会して説明会を行っていましたが、談合等の件を考慮 して、少数ずつか、1社ずつで説明会を行う場合も増えてきました。
</p>
<p>
    発注後は内容について質疑応答がありますが、これもパートナーが集約し、 公平を期すため全社に同じ回答を行います。
</p>
<p>
    (F) 見積提出
</p>
<p>
    見積要項書に提出する資料の内容が記載されますが、代表的な提出書類と して以下のものがあげられます。
</p>
<p align="right">
    0 工事見積書 (2) 概略工程表 3 仮設計画書
</p>
<p>
    現場代理人予定者の経歴書 6 工事履行継承保証人(予定)の会社概要 の 使用予定材料カタログ
    また、見積提出資料は通常2通同じものを提出してもらいますが、受取方 法に以下の方法があります。
</p>
<p>
    0 2通とも封印のうえ、管理組合が受取り・開封確認し、うち1通をパ |-トナーに渡す。
</p>
<p>
    2 管理組合とパートナーのそれぞれに1通ずつ同日に渡す(郵送) パートナーもいわばいろいろな操作ができてしまう立場ですので、少しで
    もその不安をなくそうとした場合は0になりますが、信頼できるパートナー を選んでいる場合は2の選択でかまわないでしょう。
</p>
<p>
    (G) ヒアリング会社選定(第2次選定) 「見積りが提出されたら、ヒアリングを行う会社を選定します。
</p>
<p>
    実績が必要となるのは、会社だけではなく現場担当者(監督)となる「現場 代理人」にも必要になります。そのため、最終的にはヒアリング(面接)を行っ
    て決定します。ヒアリングは複数の日にまたがると印象がかなり変わってし まうため、原則1日で行います。また1社1時間から1.5時間かけることに
    なるため、1日でできるのは3、4社となります。そのため、見積りを提出 してきた会社を絞り込む必要があります。
</p>
<p align="right">
    基本的には、第1次選定で通った会社であればどこに発注してもかまわな いはずですので、見積額の安い順に決めることになりますが、異常な安値を
    付けてきた場合や、間違いが甚だしい会社の場合は一考する必要があります。 また、談合の可能性がある場合は(慣れたパートナーであれば見抜けます)、白
</p>
<p>
    紙に戻す場合もあります。 (H) ヒアリング(第3次選定)
</p>
<p>
    業者選定作業の山場となります。ほぼ1日をかけて、工事会社のプレゼン テーションを聞き、質疑応答を行います。ヒアリングには、予定している現
</p>
<p>
    <strong><em>174</em></strong>
</p>
<p>
    <strong><em>175</em></strong>
    <strong><em></em></strong>
</p>
<br clear="all"/>
<p>
    第4章 共用部分の維持管理
</p>
<p>
    V 大規模修繕工事の進め方
</p>
<p align="right">
    場代理人には必ず出席してもらいます。なお、ヒアリングの実施はもちろん 管理組合(または専門委員会)が主体ですが、パートナーの質問が重要になる
    でしょう。
</p>
<p>
    ヒアリングでは以下の点を注視してください。
</p>
<p>
    0 会社本体
</p>
<p>
    @ * 6 工事に対する姿勢
</p>
<p>
    © アフターサービスの取組み方 (2) 工事体制
</p>
<p>
    a バックアップ体制 6 品質管理方法
</p>
<p>
    © 危機管理体制 (3) 現場代理人
</p>
<p>
    a) コミュニケーション能力 6 経験値 © 工事の理解度 @ 指導力 特に、現場代理人のコミュニケーション能力は非常に重要となります。ど
    んなによい会社でも、現場代理人が悪ければよい工事はできない一方で、小 さな名も知られていない会社でも、よい現場代理人が就けばよい工事になり
    ます。そのためには、現場代理人と居住者とのコミュニケーションが非常に 大切になります。居住者の立場で考えるためには、雑談の中で居住者から意
    見を引き出したり、工事上のお願いを確実に伝えたりすることが重要になっ たりします。
</p>
<p align="right">
    よって、見積金額の差が5%程度(規模による)までであれば、よい現場代 理人を選んだほうが結果的に満足する工事になる場合が多いと思われます
    が、その差にもよりますので、パートナーに助言を受けてください。
</p>
<p>
    ヒアリング後、できれば当日中に内定作業を行うことをお勧めします。
</p>
<p>
    まずは出席者で感想を述べ合い、話合いで決める場合もあれば、点数制に して決める場合もあります。どうしても決まらない場合や、より交渉が必要
    と判断された場合には、再度ヒアリング(この場合は交渉や打合せの形態にな
</p>
<p>
    る)を行う場合もあります。
</p>
<p>
    内定したときには、その業者はもちろん、落選した業者へも連絡を入れま す。パートナーが代行して連絡することが多いです。
</p>
<p>
    (I) 工事会社および予算の承認総会の実施
</p>
<p>
    工事会社が内定したら、総会の準備に取りかかります。議案書の作成はバー トナーに依頼するとよいでしょう。
</p>
<p>
    --一 'll 工事会社の内定に至ったこれまでの経緯と、工事会社の概要・見積金額を
    提示し、工事会社への発注承認をとりますが、同時に大規模修繕工事の予算 の承認をとります。これは、工事中に費用が変動する精算工事が含まれてい
</p>
<p>
    1992 るためで、見積金額で総会承認を得てしまうと、1円でもこの金額をオーバー した場合、再度総会承認が必要になるためです。工事会社の見積金額にパー
    トナーの工事監理費用を加え、工事見積金額の5%程度を「予備費」として 加えた金額を大規模修繕工事の予算額(上限)として、また予備費の使途に
    ついては理事会に一任してもらうことも併記して承認をとります。
</p>
<p>
    ○総会議案書に記載しておく内容 ・ここに至るまでの経緯 ・工事の実施内容(すでに説明会を開催している場合は概略)
    ・工事予算額と収支に問題がないことの説明 ・借入れを行う場合は借入先とその償還予定 ・工事を発注する工事会社の概要と契約金額
</p>
<p>
    (5) 工事の実施 (A) 請負契約の締結
</p>
<p>
    工事契約には、以下の書類を添付することが一般的です。
</p>
<p>
    <strong>176</strong>
</p>
<p>
    <strong><em>177</em></strong>
    <strong><em></em></strong>
</p>
<br clear="all"/>
<p>
    第4章 共用部分の維持管理
</p>
<p>
    IV 大規模修繕工事の進め方
</p>
<p>
    1 工事請負契約書(鑑ほか) (2) 工事請負契約約款
</p>
<p>
    3 見積要項書
</p>
<p>
    標準仕様書 5 質疑回答書 6 工事見積書 7 工程表 Oとのは「民間(旧四会)連合協定 マンション修繕工事 工事契約書」を
    使用する場合がほとんどです。 「3~6はパートナーが作成した資料です。6とのは請負者(工事会社)から
</p>
<p>
    前記(4)のE)~(G)で提出される書類です。
</p>
<p>
    これらを確認し、工事着工前に契約を行います。 「(B) 工事説明会の実施
</p>
<p>
    工事が始まる2週間~1カ月前に居住者(賃貸居住者も含む)に対して、エ 事中の注意点などを説明する「工事説明会」を実施します。工事は居住者が
    住んでいる中で行われます。騒音・振動・臭い・埃などは、少なくすること はできてもなくすことはできません。また、ベランダの片づけ、洗濯物の制
    限といった生活に密接に絡むことも必至のため、それらの協力も必要となり
</p>
<p>
    31 *5.
</p>
<p align="right">
    そのため、こういった説明会を実施しますが、できるだけ多くの居住者に 参加してもらえるよう、住戸数の多いマンションでは複数回実施したりくつか
    *学生以下のお子様に対しての説明会を実施したりといった配慮を行うことも 必要です。なお、説明資料は工事会社が作り、管理組合およびパートナーが
    事前に確認し、全居住者・所有者に配布します。
</p>
<p>
    (C) 近隣あいさつ
</p>
<p>
    新築工事とは異なり、振動や騒音は少ないもののゼロではありません。ま た、足場の設置解体のときは大型車も通ります。そのため、近隣へのあいさ
    つが必要になります。
</p>
<p align="right">
    一般的には、境界に面する建物、前面道路が通学路になっている小中学校、 近くの幼稚園・保育園、町会長といったところにあいさつに回りますが、特
    に問題となりそうなところを除いて、工事会社のみであいさつに向かいます。
</p>
<p align="right">
    事前にどこに回るか、リストや地図を提出してもらい、確認しましょう。一 一た、あいさつ実施の際に、あいさつした相手がどのような相手で、どのよう
    な会話がなされたかの報告を受けておきましょう。後に問題が生じたときの 参考になります。
</p>
<p>
    &lt; 313 (D) 工事の実施 「(a) 検 査
</p>
<p>
    工事が始まってからは、仕様書どおりに施工されているか、工程表どおり に進んでいるか、特別な問題点はないかといったことをチェックし、打ち合
    わせる必要が生じます。設計監理方式の場合は、パートナーが工事内容や進 捗状況などを確認・検査し、管理組合へ報告しますが、これを「監理業務」
    といいます(「管理」とは異なります)。よい仕様書があっても、この監理が適 正に行われないと絵に描いた餅になってしまうため、パートナー(=「監理
    者」)はこれを厳しく行わなければなりません。
</p>
<p>
    (b) 定例会議の実施 月に1、2回、管理組合・監理者・工事会社の三者が集まる合同会議が開 かれます。この場で話し合われる主な内容は以下のとおりです。
</p>
<p>
    ○主な会議の内容 ・工事進捗状況報告 ・居住者からの要望・指摘事項報告 ・精算工事の対応方法 ・追加工事の対応方法 ・各所の色決め
</p>
<p>
    ・その他問題点の対応 ほか
</p>
<p>
    <strong><em>178</em></strong>
    <strong><em></em></strong>
</p>
<br clear="all"/>
<p>
    第4章 共用部分の維持管理
</p>
<p>
    IV 大規模修繕工事の進め方 ーーーーーーーーーーーーー
</p>
<p>
    ○長期修繕計画書を見直す理由 ・大きな費用が動いた後であること ・補修した工事内容から、建物独自の劣化進行度合いがわかること(「こ
</p>
<p>
    の建物はタイルの浮きが多い」といったような特徴) など
</p>
<p>
    なお、工事中最低1回(通常、足 「写真29] 管理組合による足場解体前 場解体直前)は、足場に登って確認 することが一般的です。マンション
    を外側から見る機会はめったにな いので、監理者や工事会社に同行し て外から建物を確認してみましょ う。その後に管理組合が検査するの
    は竣工検査の時になります。
</p>
<p>
    (C) 竣工検査と完成引渡し 工事の終了は2つあり、「竣工」と「完成引渡し」です。「竣工」は、工事会
    社が完成しましたと発注者に申し入れた日で、これに基づいて発注者の竣工 検査が執り行われます。「完成引渡し」とは、竣工検査後に必要な手直しが終
    わって再検査に合格し、借りていた鍵の返却その他工事に関係するものがす べて引き上げられた状態を示します。 |
    一般的にいわれる「工期」とは「竣工」までを表し、「竣工から1カ月以内
</p>
<p>
    に引渡しを行う」等の文面が契約書に記載されます。
</p>
<p>
    (d) 竣工図書 完成引渡し後、この工事の実施結果として「竣工図書」が工事会社より渡
    されます。この中には保証書や、工事中に行われた打合せ議事録、下地補修 箇所を示した図面、工事写真等が綴られ、工事の記録として残ります。次回
    の大規模修繕工事までの間に活用されるため、大切に保管しましょう。もし
</p>
<p>
    渡されなかった場合は必ず請求してください。パートナーが作成した仕様書
</p>
<p>
    にも、この竣工図書に含める内容が記載されているのが通常です。
</p>
<p>
    専門委員になった方は、工事の終わる頃には建物についての知識がそれな りに付いていると思われるので、この長期修繕計画の見直しまで担当するこ
    とをお勧めします。
</p>
<p>
    (2) アフターサービス実施確認 一般的には、大規模修繕工事には瑕疵保証が設けられており、その内容は
    工事請負契約書や引渡し時の竣工図書の中に記載されています。それは、た とえば屋上防水の漏水保証が一番長く10年間保証されるのに対し、廊下や
    バルコニーの防水保証が5年間だったり、外壁塗装が7年間だったり、鉄部 塗装が2年間しか保証されなかったりと、工事内容ごとに決められています。
    工事会社はアフターサービスとして、上記保証に基づく自主点検を行いま すが、多くの場合、この実施年や要領も工事請負契約書や竣工図書に記載さ
    れています。一般的に、実施年度は各種工事の保証が切れる年度に行われる ことが多く、上記の例の場合ですと工事実施後2年目にすべての工事箇所に
</p>
<p align="center">
    ついて、5年目には鉄部塗装を除く工事箇所について、7年目には外壁塗装 と屋上防水について、10年目には屋上防水のみを点検することになります。
    「これらは工事請負契約の項目であるため、管理組合が何も言わなくてもエ 事会社は実施しなければなりませんが、現状は残念ながらすべては実施され
    ていない状況です。そのため、期限が来るたびに、工事会社から連絡がない
</p>
<p>
    場合は管理組合側から申し入れる必要があります。管理組合理事が変わって も、この引継ぎを忘れないようにすると同時に、管理会社にこの連絡および
    確認の実施を依頼しておくことも必要です。
</p>
<p>
    なお、定期点検実施の際に工事監理を行ったパートナーに同行してもらう
</p>
<p>
    3 工事終了後に行うこと
</p>
<p>
    (1) 長期修繕計画の見直し 工事が終われば終了と思われがちですが、この時点で「長期修繕計画書」
    の見直しを行っておきましょう。理由は以下のとおりです。
</p>
<p>
    <strong><em>181</em></strong>
</p>
<p>
    <strong><em>180</em></strong>
</p>
<br clear="all"/>
<p>
    第4章 共用部分の維持管理
</p>
<p>
    mcm de les
</p>
<p>
    と、より一層厳しい目で点検が実施されますし、発生した不具合が現疵に相
</p>
<p>
    当するかどうかの判断や工事会社への交渉も補助してもらえるため安心です。
</p>
<p>
    HOE
</p>
<p>
    <strong>日常生活におけるトラブルの対処</strong>
    <strong></strong>
</p>
<p>
    <strong>182</strong>
</p>
<br clear="all"/>
<p>
    第4章 共用部分の維持管理
</p>
<p>
    、9n IV 大規模修繕工事の進め方
</p>
<p>
    (2) 不具合の発生現象・要因と日常のチェックポイント
</p>
<p>
    g務めし V 大規模修繕工事の進め方 T大規模修繕工事の進め方
</p>
<p>
    <em>03</em>
</p>
<p>
    1 大規模修繕工事とは
</p>
<p>
    (A) 自走式駐車場
</p>
<p>
    自走式駐車場は、経年で塗装や仕上げの劣化が生じます。これは、建物の 日常点検や大規模修繕を行う際の建物調査時に確認を行います。
    「屋根がない場合は、最上階の防水劣化状況の確認が必要になります。また、 周囲の落下防止手すりや車止めなども固定部分の緩み等を確認する必要があ
</p>
<p>
    35. (B) 機械式駐車場
</p>
<p align="center">
    機械式駐車場は、エレベーターと同様に、保守契約を結んで運用します。 ただし、エレベーターのような点検の義務づけはありませんが、附属設備と
</p>
<p>
    建物は手入れを怠ると劣化してしまい、寿命が短くなります。鉄筋コンク リートの建物は、適切に手入れをしていれば60年以上使用できます。
</p>
<p>
    定期的に下記の内容を伴う工事を、一般的に大規模修繕工事と称します。
</p>
<p>
    して設置してある消火設備は消防法による点検の対象です。
</p>
<p>
    (3) 修繕の時期と方法
</p>
<p>
    建物を長持ちさせ資産を維持していくために行う計画修繕工事 ・通常は足場を架けて行う、複数のまとまった工事
    ・長期修繕計画では12年周期が多い(実質10~15年) ・対象は共用部分で、費用は修繕積立金を用いて行う工事(管理規約で
</p>
<p align="right">
    修繕積立金の取り崩しの規定がある)。ただし、昨今は、給水管更生工 事など施工上合理性があったり、劣化により他室に影響を及ぼす箇所
    の工事の場合は、総会決議を経て、専有部分を含む場合もある。
</p>
<p>
    13 なお、建築基準法の中で工事の種類として以下の定義がされています。 O 建築:建築物の新築、増築、改築、移転 2
    大規模の修繕:建築物の主要構造部を含む過半の修繕 3 大規模の模様替:建築物の主要構造部を含む過半の模様替
    しかし、本章で述べている一般的に「大規模修繕工事」と呼ばれる工事は、そん 過半の主要構造部を含まない修繕のため、土記のいずれにもあてはまりませ
</p>
<p>
    (A) 自走式駐車場
</p>
<p>
    自走式駐車場は、大規模修繕工事などとあわせて塗装や防水などの補修を 行いながら、長期的には建替えを想定しておくことが必要です。
</p>
<p>
    なお、改修工事を行う際は、車の通行が絡むため、防水等の使用材料の選 定のほか、工事中の車の移動方法の検討が必要になります。 (B) 機械式駐車場
</p>
<p>
    機械式駐車場の修繕周期は、設置されている装置や環境によって幅があり ます。駐車装置の全面更新は、屋外設置の場合、20 ~ 25年程度で行われます。
    部分補修箇所としては、駆動部分等の昇降装置は10年程度で取替え、安全 装置は5年程度で修繕・取替え、ピット式の場合に設置されている排水ポン
    プは10年程度で取替え、塗装部分は4~5年で再塗装とされています。
</p>
<p align="right">
    なお、近年は駐車場の空きが多くなり、維持管理費用が不足する状況が出 てきています。全面的な修繕の際は、現状どおりで更新する以外に、駐車装
    置を撤去して平面式駐車場に変更することも考えられます。仮に、余った駐 車区画をマンション外の所有者に貸し出す場合、その方法によっては課税対
    象となる場合があります。詳しくは、第3章V2をご参照ください。
</p>
<p>
    が大切換。
</p>
<p>
    tors
</p>
<p>
    <strong>2</strong>
    <strong></strong>
</p>
<p>
    大規模修繕工事までの流れ
</p>
<p>
    <strong>AUT</strong>
    <strong></strong>
</p>
<p>
    大規模修繕工事は、思い立ったらすぐに取りかかれるわけではなく、いろ
</p>
<p>
    9 問題が発生して行う工事を対処修繕といい、問題発生前に予防的に行う工事を計画修繕といい
</p>
<p>
    5.
</p>
<p>
    <strong><em>158</em></strong>
    <strong><em></em></strong>
</p>
<p>
    <strong>159</strong>
    <strong></strong>
</p>
<br clear="all"/>
<p>
    第2章 管理組合の組織と運営
</p>
<p>
    V 団地型マンションの管理
</p>
<p>
    (表3) 管理組合の業務と活用することが可能な専門家
</p>
<p>
    V 団地型マンションの管理
</p>
<p>
    1 団地型マンションとは
</p>
<p>
    <em>DE</em>
    <em></em>
</p>
<p>
    +
</p>
<p>
    業務・決議事項
</p>
<p>
    必要な業務 | 適任と考えられる専門家 0 収支決算案、事業報告案、収支予算 相談、ひな型 | マンション管理士、税理
</p>
<p>
    案および事業計画案
</p>
<p>
    PES!
</p>
<p>
    + 2 規約および使用細則等の制定、変更|相談、ひな型 | マンション管理士、弁護 または廃止に関する案
</p>
<p>
    VE BU 士、司法書士 3 長期修繕計画の作成または変更に「相談、案の作|マンション管理士、建築
</p>
<p>
    +3* O 専有部分の修繕等、バルコニー等の相談、実務補| マンション管理士、建築
</p>
<p>
    保存行為、窓ガラス等の改良工事の承認|助 または不承認 5 会計年度の開始後、総会の承認を得|相談、実務補| マンション管理士、税理
    るまでの間、経費の支出が必要となった「助
</p>
<p>
    場合の承認または不承認 6 管理費等の滞納者に対し、請求に関|相談 マンション管理士、弁護 する訴訟その他法的措置の追行
</p>
<p>
    <u>#</u>
</p>
<p>
    # 0 区分所有者等が、共同生活の秩序を相談 マンション管理士、弁護 乱す行為を行ったとき、その是正のため 必要な勧告または指示
</p>
<p>
    <u>#35</u>
</p>
<p align="center">
    # (8) 共用部分の保存行為(大規模修繕工|相談 マンション管理士、建築
</p>
<p>
    事などの計画・実施
</p>
<p>
    # 建築士事務所の資格を
</p>
<p>
    もった管理会社、建築士 9 工事瑕疵の調査および交渉 「相談、実務補| マンション管理士、建築
</p>
<p>
    土、弁護士 O 専有部分内工事の内容確認、検査|届出事項の|マンション管理士、建築
</p>
<p>
    TER
</p>
<p>
    + te
</p>
<p>
    + ID 管理組合の法人化
</p>
<p>
    tek
</p>
<p>
    マンション管理士、司法
</p>
<p>
    (1) はじめに 区分所有法65条は、団地に関し「一団地内に数棟の建物があって、その団
    地内の土地又は附属施設がそれらの建物の所有者の共有に属する場合」と規 定しています。
    「具体的にどのような場合に「団地」となるかについて、区分所有法は上記 のとおり述べるのみで正面から定義を設けていませんが、一団地内に数棟
    の建物があること、のその団地内の土地または附属施設がそれらの建物の所 有者の共有に属する場合に団地と扱われることになります。つまり、団地と
    は、団地建物所有者の共有に属する団地内の土地または附属施設があること を前提にして成立することになるのです。
</p>
<p align="right">
    たとえば、以下のような場合に団地関係が成立することとなります(稲本 洋之助=鎌野邦樹『コンメンタールマンション区分所有法(第3版]』448頁。図お
    よび説明は横浜弁護士会編『マンション・団地の法律実務』257頁、258頁をもとに ME!).
</p>
<p>
    (2) 団地型マンションの特殊性 以上のように、団地型マンションにおいては、団地内の数棟の建物全体の
    共有となっている部分と、棟(個々の所有建物のことを「棟」といいます)ごと の所有者や団地内の一部の所有者のみの共有となっているものとの2つが存
    在し得ます(たとえば、(図1》Dの場合、敷地は団地全体の共有となりますが、 各棟の建物の共用部分は、後記の管理規約がない場合には当該棟の所有者の共有
    となります)。 「そのため、団地型マンションにおいては、管理の方法や管理規約の設定等 において、単棟型マンションとは異なった対応が必要になるのです。
</p>
<p>
    FIE
</p>
<p align="center">
    # to
</p>
<p>
    Ā マンション管理士
</p>
<p>
    2 管理会社の変更
</p>
<p>
    <strong>66</strong>
</p>
<p>
    <strong>67</strong>
    <strong></strong>
</p>
<br clear="all"/>
<p>
    IV 大規模修繕工事の進め方
</p>
<p>
    第4章 共用部分の維持管理
</p>
<p>
    る理事会では検討から工事完了まで2年程度はかかる大規模修繕を継続的に
</p>
<p align="right">
    効率よく高水準でまとめ上げることはできません。そこで、大規模修繕工事 専門の委員会を立ち上げて、複数年にまたがる検討を固定メンバーで行うよ
    うにしましょう。
</p>
<p>
    委員会メンバー構成のポイントは、以下のとおりです。
</p>
<p>
    735
</p>
<p>
    LA
</p>
<p>
    *り成立
</p>
<p>
    ・メンバーを公募する。希望者がいない場合は、理事や役員の経験者、
</p>
<p>
    公平な意見を出せる方などに声をかける。必ずしも専門家である必要 vt teve
</p>
<p>
    理事との兼任者を入れておくことで、理事会との連携も保つことが容
</p>
<p>
    易になる。 ・老若男女揃うのが望ましい。いろいろな参加者がいると意見が広がる。
</p>
<p>
    特に常時在宅している方の意見は重要。
</p>
<p align="center">
    いろと準備が必要になり、主な流れは「表15) のとおりとなります。 多くの組合員に周知するように心がけることがポイントです。
</p>
<p>
    (1) 準備段階 (A) 大規模修繕工事専門の委員会を立ち上げる
</p>
<p align="right">
    すべてを管理会社に任せてしまうマンションが多い中、自分たちの資産で すので自分たちで劣化状況を把握し考えることが必要です。その準備として、
    理事会が中心となって取り組むことも可能ですが、期ごとにメンバーが替わ
</p>
<p>
    (もんたちと 【表15] 大規模修繕工事までの流れ
</p>
<p>
    ・大規模修繕工事専門委員会の設立
</p>
<p>
    ・パートナー決定(専門家の活用方法) Y (1) 準備段階
</p>
<p>
    ・大規模修繕工事の検討開始を告げる総会決議 ・調査までのスケジュール検討
</p>
<p align="center">
    ・不具合・劣化部分の調査(パイロット調査) (2) 建物調査診断・組合員意識調査、居住者による不具合箇所聴き取り(アン
</p>
<p>
    (2~3カ月) | ケート)
</p>
<p>
    ・調査結果報告会の開催 ・工事までのスケジュール、工事時期の検討
</p>
<p>
    ・組合員要望聴き取り (3) 修繕計画立案・工事範囲と修繕方法検討
</p>
<p>
    (3~4カ月) |・予算検討
</p>
<p>
    ・工事仕様書作成 ・工事範囲説明会の実施 ・公募条件検討 ・公募(専門新聞、WEB)
</p>
<p>
    ・見積発注会社選定(第1次選定) (4) 工事会社選定
</p>
<p>
    ・見積発注 (3~4カ月)
</p>
<p>
    ・選定会議開催(第2次選定) ・ヒアリング(第3次選定) ・工事会社および予算の承認総会の実施
</p>
<p>
    ・工事実施状況の把握 (5) エ 事
</p>
<p>
    ・色決め等の検討
</p>
<p>
    SPAN SS es
</p>
<p>
    専門委員会は、理事会の諮問機関と位置づけられます。専門委員会から答 申された審議結果が理事会で快く追認される組織づくりが必要です。 (B)
    専門家(パートナー)への依頼方式を決める」
</p>
<p>
    適正な補修箇所や価格を知るなど、工事にあたっては専門的な知識が必要 なため、委員会だけで検討するのは無理があります。専門家であるパートナー
    を活用しましょう。
</p>
<p>
    パートナーには大きく分けて2つの方式があり、それぞれ特徴があります ((表16] 参照)。
</p>
<p align="right">
    「できるだけ管理組合側の手間をかけたくない場合は責任施工方式(大抵の 場合、管理会社に委託している場合が多い)を選択するのに対し、工事の内容
    をきちんと把握し、費用も安く済ませたい場合は設計監理方式を選択します。
</p>
<p align="center">
    「責任施工方式はすべてお任せになるため、高額な工事費用になる可能性が あります。また、第三者チェックがないため、作業や品質が甘くなることも
</p>
<p>
    考えられます。
</p>
<p>
    <strong>160</strong>
    <strong></strong>
</p>
<p>
    <strong>161</strong>
    <strong></strong>
</p>
<br clear="all"/>
<p>
    第4章 共用部分の維持管理
</p>
<p>
    IV 大規模修繕工事の進め方
</p>
<p>
    (表16] パートナー方式比較
</p>
<p>
    Èta tsit
</p>
<p>
    責任施工方式
</p>
<p>
    設計管理方式 安心できそうな工事会社や管理|設計事務所や管理会社に、建物診
</p>
<p>
    会社に建物診断・補修計画・工事|断・補修計画・工事会社選定・監 概 要 |の施工をすべて委託する。
</p>
<p>
    理を委託する。 工事会社選定は公募を行い、見積
</p>
<p>
    合わせを行う。 パートナー|工事会社または管理会社 設計事務所
</p>
<p>
    ・管理組合の手間がかからない。|・第三者による工事の厳正な品 ・設計管理費用がかからない。| 質チェックが入る。
</p>
<p>
    ・工事費用のコストダウンが図 Xyr
</p>
<p>
    to ・何を行っているのかが透明に
</p>
<p>
    t.
</p>
<p>
    ・建築士資格者がかかわる。 ・内容が管理会社の思惑でどの|・設計管理費用が発生する。た
</p>
<p>
    ようにも進められる。
</p>
<p>
    だし、工事費は安くなるため、 ・競争がないため工事価格は割| トータルとしては安くつく。
</p>
<p>
    高になる。
</p>
<p>
    ・打合せが多くなる。 デメリット
</p>
<p>
    ・第三者がいないため品質
</p>
<p>
    チェックが甘くなる。 ・工事品質や状況などが管理組 「合から見えにくい。
</p>
<p>
    計監理者としてふさわしいパートナーの選定をお勧めします。
</p>
<p>
    (C) 設計監理方式のパートナーの選び方
</p>
<p>
    前記1で述べたように、「大規模修繕工事」は建築基準法上で定義される工 事ではないため、計画を立てるのにあたって有資格者は必要ありません。し
    かし、修繕工事における必要知識は、新築時の知識だけではなく、その劣化 状況から改修方法を判断するなど、新築時の知識+ a が求められます。した
    がって、最低でも有資格者が携わる必要性があることから「建築士」が行う べきと考えますし、その中でも同じ理由により改修工事の経験の豊かな建築
    士である必要があります。 「新築設計」しか行っていない建築士の場合、「新築設計」と「改修設計」の
    違いすら知らずに携わってしまっている場合もありますので、建築士であれ ば誰でもよいわけではありません。注意が必要です。
</p>
<p>
    建築士を選ぶ場合、建築士の所属する「設計事務所」に依頼します。 間違えやすい設計事務所の選び方として、以下のようなものがあります。 0
    工事会社を選定するのと同じ方法で選定してしまう(例:管理組合側 から劣化調査診断や補修箇所の項目、作業数(人工)を指定して、単価のみを
    入れてもらう形式をとる) →どのような方法で建物診断や補修設計を行うのかは専門家でないと判
    断できません。中途半端な情報で項目や作業数を指定すると、無駄な項 目が入ったり、足りないものが生じてしまいます。足場を立てないと実
</p>
<p>
    施できない調査が入っていた例もあります。 2 市販本に記載されている改修方法や経験の少ないマンション管理士の
    助言などにより、選定を試みようとする(例:上記のの条件をもとに、金 額や会社の規模で判断する)
    →パートナーの差は個人の素質・能力に最も現れます。1の方法だと必 然的に業務費用や会社の規模で判断することになり、個人の素質・能力
    は二の次、三の次になります。金額は一般組合員への選定理由として説 明しやすいですが、パートナーの業務費用の差は工事金額の差に比べれ
</p>
<p>
    <em>X ly</em>
</p>
<p>
    これに対し、設計監理方式は、管理組合とパートナーが協力し合って進め るため、納得と安心が得られやすく、「オーダーメイド」に例えられます。こ
    の方式を採用することで、見積金額を第三者の目で審査することになります ので、結果的に工事費が安く済むことにもつながります。充実した結果が得
    られやすい方式といえます。
</p>
<p>
    大規模修繕工事は、建物を長く使い続けるための大切な工事です。工事が 終了した後のフォローやアフター点検、補修なども重要です。
</p>
<p>
    工事前、工事中、工事後の管理組合のさまざまな負担を軽減するため、設
</p>
<p>
    <strong>162</strong>
    <strong></strong>
</p>
<p>
    <strong>163</strong>
    <strong></strong>
</p>
<br clear="all"/>
<p>
    138 この
</p>
<p></p>
<p>
    第6章 マンションの再生
</p>
<p>
    | マンションの再生とは
</p>
<p>
    (図15〉資金負担の基本的仕組み
</p>
<p>
    I マンションの再生とは、
</p>
<p>
    1 はじめに
</p>
<p>
    [建替え事業費]
</p>
<p>
    従前資産(1000万円×4)+建設費等(2億1600万円) =2億5600 万円
</p>
<p>
    (建替え後)
</p>
<p>
    80mを8戸 (649 m)
</p>
<p>
    分譲住宅|分譲住宅 2億1600万円で建設 (建替え前)
</p>
<p>
    分譲住宅 分譲住宅
</p>
<p>
    100
</p>
<p>
    900
</p>
<p>
    6000
</p>
<p>
    2
</p>
<p>
    6000
</p>
<p>
    <em>Ah</em>
    <em></em>
</p>
<p>
    Běh
</p>
<p>
    Aさん | Bさん
</p>
<p>
    [床価格ンじのDD
</p>
<p align="right">
    長く住み続けるためには定期的な修繕が重要となりますが、マンションを 取り巻くさまざまな状況の変化により、修繕だけでは解決できないいろい
    ろな課題が生じてきます。国土交通省の調査によると、築40年超のマンシ
    ョン戸数は2016年時点で56万戸、2026年には162万戸、2036年には316万戸
    と今後ますます増えることが見込まれており(国土交通省住宅局市街地建築課 マンション政策室「最近のマンション政策及びマンション標準管理規約の改正の背
    景・ポイントについて」より)、修繕以外の方法でこれらのマンションの将来 像を描くことが必要となってきます。この章では、マンションの安心できる
    将来像を築くための手法を「再生」と広く位置づけ、ご紹介したいと思います。
</p>
<p>
    Cさん | Dさん 2億5600万円:640m | Cさん | Dさん
</p>
<p>
    =40万円/m Pol 土地は共同所有
</p>
<p>
    土地は共同所有
</p>
<p>
    ※1戸 H600万円の評価額
</p>
<p align="center">
    ※A~Dさんの資金負担 -80 m ×40万円/m-1000万円
</p>
<p>
    20. Sop することが必要になりますが、その分大量の分譲住宅販売が必要となってき
</p>
<p>
    評価額
</p>
<p>
    Spec
</p>
<p>
    (sos
</p>
<p>
    Fox
</p>
<p>
    2 建替えの現実
</p>
<p>
    国土交通省の調査によると、平成27年4月時点で建替えが実現したマン ションは211件(約1万7000戸)となっています(国土交通省住宅局市街地建築
    課マンション政策室・前掲資料より)。前述した2016年の築40年超のマンショ ン戸数56万戸と比較すると、わずか3%程度しかないのが実情です。
    「建替えには、老朽化や耐震化などの諸課題が一気に解決できるということ もあり、期待を寄せる声も多く聞きます。しかし、現実的には、ごく少数の
</p>
<p>
    例外を除き極めて困難であるといわざるを得ません。
</p>
<p align="center">
    なぜ、建替えが思うように進まないのでしょうか。その要因にはさまざま なことが考えられますが、代表例として、組合員が合意できる資金条件が揃
    わないことがあげられます。(図15〉は、建替えの資金負担の仕組みを模式 的に示したものです。建替えを成立させるには、区分所有者が資金負担でき
    ること、あわせて、新たに分譲販売する床面積(保留床)が売れることが条
</p>
<p>
    件となってきます。資金負担を少なくするには容積率を上げて保留床を多く
</p>
<p>
    ご承知のとおり、わが国は人口減少期を迎え、造れば即完売」という売り一 手市場の時代ではなくなりました。また、所得低下、非正規雇用の増加など、
</p>
<p>
    住宅販売市況はますます厳しくなることが予測されます。それらの状況をみ一 ても全国至るところでマンジョンが建て替えられることは想像しづらず、建
</p>
<p>
    替えはますます厳しくなると思われます。「建替え以外に道はない」という強 い思いを抱く前に、ご自分のマンションのおかれている状況を踏まえながら、
    さまざまな選択肢を視野に入れて「再生」を構想することが必要になってく るでしょう。
</p>
<p>
    22 3 再生に向けて
</p>
<p>
    2
</p>
<p>
    (1) 再生が必要となる要因
</p>
<p>
    (A) 高齢化 (図16〉のように年々高齢化が進み、平成25年度時点では、60歳以上の世
    帯主の割合が全国平均で5割以上となっています。マンションでは2世帯住
</p>
<p>
    <strong>210</strong>
</p>
<p>
    <strong>211</strong>
</p>
<br clear="all"/>
<p>
    第6章 マンションの再生
</p>
<p>
    | マンションの再生とは
</p>
<p>
    (図16》
</p>
<p>
    世帯主の年齢
</p>
<p>
    13.2 1.2
</p>
<p>
    19.2
</p>
<p>
    11.9 0.8
</p>
<p>
    0.2
</p>
<p>
    100%
</p>
<p>
    90% 80% 70%
</p>
<p align="center">
    7.6 18.9
</p>
<p>
    25.8
</p>
<p>
    22.9
</p>
<p>
    <em>27.9</em>
    <em></em>
</p>
<p>
    60%
</p>
<p>
    <strong>TITE</strong>
    <strong></strong>
</p>
<p>
    ||||||||||
</p>
<p>
    ■ 30 歳代
</p>
<p>
    40 H 50 歳代
</p>
<p align="center">
    60 歳代 ロ 70 歳以上
</p>
<p>
    TA
</p>
<p>
    50% 40%
</p>
<p>
    31.1 30% 20%
</p>
<p>
    21.5 184 10%
</p>
<p>
    18.9 7.3 10.5 10.2 10.2
</p>
<p>
    0.3 0%
</p>
<p>
    平成11年度 平成 15 年度 平成20年度 平成 25 年度
</p>
<p align="center">
    E ※国土交通省「平成25年度マンション総合調査結果」をもとに作成
</p>
<p>
    26.4
</p>
<p>
    り管理組合の役員の担い手不足などの不安もあり、ソフト、ハード両面で課
</p>
<p>
    題が出やすくなります。 「(B) 空室化
</p>
<p align="right">
    (図18〉をみると、築年数の古いマンションほど空室割合が高いことがわ かります。空室を生むことで、防犯や治安、防災などの生活不安を感じやす
    くなります。
</p>
<p>
    (C) 老朽化
</p>
<p>
    定期的な修繕を怠ると、建物が全体的に古くなることで耐用年数への不安 を感じやすくなります。また、修繕を行っていても、建物や設備の機能が時
    代に見合わないものになれば、日常生活に不便や不安を感じやすくなります。 (D) 地震への不安
</p>
<p>
    建築基準法が改正されることにより、耐震性の基準が高められてきていま すが、旧耐震基準のマンションでは大地震への不安がつきまといます。
</p>
<p>
    (E) 小 括
</p>
<p>
    13.0 log.
</p>
<p></p>
<p>
    (図17》 築年次別エレベーター設置割合
</p>
<p>
    ■あり口なし■不明 100%
</p>
<p>
    <em>10.0</em>
    <em></em>
</p>
<p>
    20.3
</p>
<p>
    <em>27.8</em>
    <em></em>
</p>
<p>
    80%
</p>
<p>
    31.3
</p>
<p>
    再生を検討するには、マンション内にある再生を必要とする要因を十分に 把握し、全員で共有化することが大切です。
</p>
<p>
    46.2
</p>
<p>
    ģa
</p>
<p>
    (図18》 完成年次別空室割合
</p>
<p>
    ~昭和8年
</p>
<p>
    ~平成元年
</p>
<p>
    799
</p>
<p>
    20%超の管理組合 D0%超~20%の管理組合 口0%の管理組合
</p>
<p>
    ~平成6年
</p>
<p>
    ~平成1年
</p>
<p>
    ~平成9年
</p>
<p>
    ~平成3年
</p>
<p>
    SMO ROSSO
</p>
<p>
    LU
</p>
<p>
    平成8年以降
</p>
<p>
    TTTTT|||||
</p>
<p>
    IIIIII
</p>
<p>
    EX
</p>
<p>
    増査結果」をもとに作成
</p>
<p>
    (
</p>
<p>
    (
</p>
<p>
    (
</p>
<p>
    to DVE
</p>
<p align="center">
    的に示した ること、あお
</p>
<p>
    件となってきま
</p>
<p>
    3歳以上の世
</p>
<p>
    では2世帯住
</p>
<p>
    ( (
</p>
<p align="right">
    昭 昭 和 和 54 59
</p>
<p>
    59
</p>
<p align="right">
    結果、おのずと高齢化が進みやすい /ションでは、エレベーターがない場 心しているようです。また、高齢化によ
</p>
<p>
    和9年以前
</p>
<p>
    ~平成元年
</p>
<p>
    成 6
</p>
<p></p>
<p>
    ~平成1年
</p>
<p>
    ~平成9年
</p>
<p>
    ~平成3年
</p>
<p>
    平成8年以降
</p>
<p>
    <strong>211</strong>
</p>
<p>
    TEX
</p>
<p>
    210
</p>
<br clear="all"/>
<p>
    第6章 マンションの再生
</p>
<p>
    (2) 再生方法の選択 再生の方法には、修繕や改修、建替えなどの方法があげられます。(表18]は、
    各方法のメリット、デメリットをまとめたものです。修繕は新築時の性能が
</p>
<p>
    低下した部分を新築時の性能まで回復することをいい、改修は新築時の性能 以上に機能を付加することをいいます。例として耐震化、バリアフリー化、
    オートロック化などがあげられます。建替えは新たなマンションとして既存 建物を解体し新築することをいいます。
</p>
<p>
    これらの方法を選択するうえで大切なことは、各自の将来への希望や不安
</p>
<p align="right">
    ー ー ー マンションの再生とは を十分に把握し、意向に見合った方法を選択することです。区分所有者の意
    一向に治わない方法を選択し推し進めてしまうと、検討期間の長期化を招き、
</p>
<p>
    「修繕すら実施できずに老朽化を招く可能性もあります。再生の一番の目的は、
</p>
<p align="center">
    居住者が安心して快適に暮らせるマンションにしていくことです。どの方法 を選べばよいのか、管理組合内で十分に話し合うことが再生に向けた第一歩
</p>
<p>
    .
</p>
<p>
    です。/
</p>
<p>
    &lt;3
</p>
<p>
    4 再生方法
</p>
<p>
    (表18] 再生方法の比較
</p>
<p>
    改善度|手法
</p>
<p>
    muy ・費用負担が少なくて済む ・建物を長く使える = 環境に
</p>
<p>
    plu DE TEN
</p>
<p>
    ・既存管理組合を継続できる ・今のコミュニティを維持で
</p>
<p align="center">
    デメリット ・耐震化やバリアフリー化な どの問題解決に限界がある ・住戸面積を大きくできない ・設備水準などのグレードは
</p>
<p>
    現状のままとなる
</p>
<p>
    # 3
</p>
<p>
    ・既存管理組合を継続できる |・共用部分の変更にあたる合 ・今のコミュニティを維持で 意形成が必要
</p>
<p align="center">
    os 改修 |・住戸面積や設備水準などを
</p>
<p>
    「改善できる(※1)
</p>
<p>
    耐震化やバリアフリー化が
</p>
<p align="center">
    実現できる(※1) ・すべてを一新できる
</p>
<p>
    ・新たに管理組合やコミュニ ・資金負担が少なくて済む場 「ティをつくる必要がある
</p>
<p>
    合がある(※2)
</p>
<p>
    ・合意形成のハードルが高い ・実現までに時間がかかる
</p>
<p>
    (1) 修繕 一修繕を行うことですら再生として位置づけられるくらい朽廃化が危惧され
    るマンションもあります。本来、修繕を適切に行っていけば、建物としては 70年以上使うことは可能ですが、修繕はあくまでも原状回復です。居住者
    の高齢化や社会変化に伴って発生するさまざまな問題を将来的にどうするの
</p>
<p>
    か、新たな機能を付加する改修工事や建替えのことも考えていくことが重要。 です。そこまで踏み込むことで、「安心で快適に住み続ける」ための修繕と位
</p>
<p>
    置づけることができます。一
</p>
<p>
    (2) 改 修 近年、築年数の古いマンションが増えていることを背景に、エレベータ ーの設置、オートロック化、外断
</p>
<p>
    [写真30] エレベーターと階段、廊下の増 熱などの新たな機能を付加する技
</p>
<p>
    築事例(ゆいま〜る多摩平の森) 術、また、共用部分に限らず専有 部分内のリフォームの技術が進歩 しています。また、平成26年には
    エレベーターの床面積を容積率の 算定から除外する法改正もあり、 既存ストック活用が積極的に取り 組まれています。
</p>
<p>
    改修による再生のよいところ
</p>
<p>
    ※1 建物の構造や設備の状況によって可能性に違いがあります。 ※2 立地条件や住宅市場性、容積率や条例などのさまざまな条件により違いが
</p>
<p>
    あります。
</p>
<p>
    <strong>214</strong>
</p>
<p>
    <strong><em>215</em></strong>
    <strong><em></em></strong>
</p>
<br clear="all"/>
<p>
    たっての72園内 781
</p>
<p>
    第6章 マンションの再生
</p>
<p>
    | 建替えの手続
</p>
<p>
    3 立地条件がよく、マンションとして販売しやすい。 建替えを検討するうえでは、上記の点を踏まえて、大所で見極めることが 大切です。間違えでしまつ
    建替え検討の時間と労力、コンサルタント費 用ぼかりがかさみいつまで経っても建替えが進まず、管理組合内の対立、
    修繕積立金の無駄遣いにつながることになってしまいまず。建替えの基本的 な手続(進め方)については後記II で記述することとします。
</p>
<p>
    <em>EDE</em>
    <em></em>
</p>
<p>
    5 生活サービスによる再生も有効
</p>
<p>
    23
</p>
<p>
    は、建物を長く使い続けられるこ「写真31] 外壁や外構を工夫してデザイン と以外に、現在の管理組合の人間 を一新した事例(AURA243 多摩
</p>
<p>
    F #) 関係を継続しながら成熟していけ る点です。良好なマンション運営 には良好な管理組合運営が切って も切り離せず、成熟した管理組合
    運営がなされるためには時間をか けて育てていくことが必要です。 その点からみても、居住者が末永 く住み続けられる改修という方法
</p>
<p>
    には利点があります。 | 一方で、工事費の捻出や合意形 [写真32] 築54年の団地住戸をリフォーム
</p>
<p>
    79151 成には課題もあります。一般的に 修繕積立金は修繕工事を前提にし ていますので、積立金では改修工
</p>
<p align="right">
    事の費用が賄えない場合もありま す。改修工事費の捻出については、 管理組合内で十分に議論しておく こと、できれば長期修繕計画書に
</p>
<p>
    位置づけることが重要です。
</p>
<p>
    ※UR都市機構提供 また、エレベーターを設置する 場合は、建築基準法における増築となりますので、敷地の一部に建物を建て
    ることから、規約上は「共用部分の変更」として、区分所有者および議決権 の各4分の3以上の合意を得る必要があります。
</p>
<p>
    (3) 建替え 建替えが実現しているマンションには以下の特徴があります。 0 余剰容積があり、建替え後に容積率を大きく増やせる。 2
    小規模なことで合意形成のハードルが低い。
</p>
<p>
    建物や設備に手を加えるハードによる再生はどうしてもお金が多くかかり ます。いきなり、ハードを考えずに、居住者同士の助け合い、場合によって
    はマンション内で生活サービス事業を導入するなどのソフトによる再生も有 効です。ソフトによる再生の場合、イニシャルコストが少なく済み、定年を
    迎えた区分所有者がサービスする側に回れれば、マンション内で仕事を生み 出せ、生き甲斐にもつながるなど好循環を生むことができます。
    「高齢者世帯への食事サービスや買い物サービス、子育て世帯への見守りや
</p>
<p>
    食事サービスなど、居住者が快適に暮らせるように工夫していき。若い世代 の永住意識向上 マンションへの愛着を高めることが長く住み続けられる
</p>
<p>
    マンションにもつながっていきます。
</p>
<p>
    1
</p>
<p>
    <em>no</em>
    <em></em>
</p>
<p>
    II 建替えの手続される
</p>
<p>
    1 建替え決議に至るまでの手続の流れ
</p>
<p>
    (1) 建替えに向けた準備 マンションを建て替えようとする場合、通常は、建替えの必要性を感じた
    区分所有者有志が、賛同者を募り、勉強会等を開催し、ある程度の案がまと まった段階で、理事会に対してマンションの建替えの検討を開始することが
    提案されます。理事会としても建替えについて検討する必要性を認めた場合、 管理組合の事業として建替え問題を独上に載せる となります。
</p>
<p>
    <strong>216</strong>
    <strong></strong>
</p>
<p>
    (マス×3
</p>
<p>
    <strong><em>217</em></strong>
    <strong><em></em></strong>
</p>
<br clear="all"/>
<p>
    |
</p>
<p>
    建替えの手続
</p>
<p>
    第6章 マンションの再生
</p>
<p>
    (図19) 建替え決議までの合意形成の基本プロセス
</p>
<p>
    「ステップ1:準備段階 | ステップII:検討段階
</p>
<p>
    ステップII:計画段階 有志による、「建替え提|管理組合による、「建替えを計画する「管理組合による、建替え 起」に向けての勉強段階 |
    ことの合意」に向けた建替え構想と建「決議」に向けての建替え
</p>
<p>
    替えの必要性の検討段階
</p>
<p>
    計画の策定段階
</p>
<p>
    建替え発意 [1]
</p>
<p align="center">
    有志による 勉強会の発足
</p>
<p>
    [5]
</p>
<p>
    管理組合における検討組織の設置
</p>
<p>
    [9]
</p>
<p>
    管理組合にお ける計画組織
</p>
<p>
    A検討組織の設置|B専門家の導入
</p>
<p>
    [6]
</p>
<p>
    管理組合の中に、建替えについて検討を進める会議体を設置し(建替え検 討委員会)、その費用を管理組合の会計から支出することとします。なお、
    建替えは区分所有者間での合意形成を慎重に進めていく必要性があることか ら、建替えに向けた重要な場面ごとに、管理組合総会において必要な決議を
    重ねていくことが望ましいといえるでしょう。国土交通省のウェブサイトで は、建替えに関する注意事項をまとめ、手続の流れについて紹介した各種の
    マニュアルが公開されていますので、参考にするとよいでしょう。
</p>
<p>
    (2) 建替えの検討 建替え検討委員会では、建替えの必要性、修繕・改修との比較、敷地に関
    する法規制の有無やその内容、費用の見通しなどを検討し、計画策定に向け た情報収集、意見の集約を図ります。専門家のアドバイスを求めることも有
</p>
<p>
    用でしょう。建替えに向けて区分所有者の多数の支持が得られる見通しがつ いてきた段階で、建替えの推進に向けて総会で議決しましょう。
</p>
<p>
    (3) 建替え計画の策定 建替え推進決議を受けて、建替えに向けて具体的な計画の策定に入ります。
    個々の区分所有者の意向の把握、事業遂行に向けたパートナーとなるべき事 業者の選択、資金面での準備状況の確認・検討、周辺地域の住民や行政との
    調整など、検討すべき諸課題はたくさんあるでしょう。これらを1つひとつ クリアしていく中で、具体的な建築計画の内容を固めていきます。
</p>
<p>
    [2]
</p>
<p>
    建替え情報の
</p>
<p>
    4
</p>
<p>
    専門家の選定
</p>
<p>
    (10]
</p>
<p>
    専門家(および 事業協力者)の
</p>
<p>
    E
</p>
<p>
    [11]
</p>
<p>
    建替え計画の
</p>
<p>
    C 検討・意見の調整
</p>
<p>
    [3]
</p>
<p align="center">
    建替えに関す る基礎的検討
</p>
<p>
    [7]
</p>
<p align="center">
    建替え構想の策定と 建替えか修繕・改修かの検討 の老朽度判定、不満や改善ニーズ
</p>
<p align="center">
    に基づく要求改善水準の設定 の修繕・改修の改善効果の把握と
</p>
<p>
    WATE の建替えの改善効果の把握と費用
</p>
<p>
    [11]
</p>
<p align="right">
    意見交換によ る計画の調整 [12]
</p>
<p>
    非賛成者等へ
</p>
<p>
    otto
</p>
<p>
    [13]
</p>
<p align="center">
    関係団体および近 隣住民との協議
</p>
<p>
    の建替えか修繕・改修かの判断
</p>
<p>
    2 建替え決議
</p>
<p>
    建替え計画の策定
</p>
<p>
    [8]
</p>
<p>
    [14]
</p>
<p>
    (1) 集会の招集と決議 建替え計画が固まり、建替え決議について区分所有者および議決権の各5
    分の4以上の賛成が得られる見通しが立ったら、いよいよ集会において建替 え決議をします。建替え決議は、事柄の重大性に鑑み、集会において、区分
</p>
<p>
    所有者および議決権の各5分の4以上の賛成が必要とされています(区分所 有法62条1項)。建替え決議を行うための集会の招集通知は、会日の少なく
    とも2カ月前に発する必要があります(同条4項)。集会を招集した者は、総
</p>
<p>
    D当該段階の合意
</p>
<p>
    [4]
</p>
<p>
    管理組合として 建替えを検討す ることの合意
</p>
<p>
    修繕・改修の
</p>
<p>
    建替え推進決議 (建替えを計画 することの合意
</p>
<p>
    建替え決議 (建替え計画を前提 とした建替えの合意)
</p>
<p>
    参考資料:国土交通省「マンションの建替えに向けた合意形成に関するマニュアル」3頁
</p>
<p>
    <strong>219</strong>
</p>
<p>
    <strong>218</strong>
    <strong></strong>
</p>
<br clear="all"/>
<p>
    第6章 マンションの再生
</p>
<p>
    | | 建替えの手続
</p>
<p>
    会の会日の少なくとも1カ月前までに、通知事項について区分所有者に説明 分に変請求権は形成権であり、行使されることで売買契約が成立します。区分所
    するための説明会を開催しなければなりません(同条6項)。
</p>
<p>
    有法3条4項)。 招集通知には、会議の目的たる事項(「建替え決議について」)と議案の要因
</p>
<p>
    ン建替えの実施一建替え等円滑化法 (建替え決議で定めるべき事項の要約)のほか、 建替えを必要とする理由、
</p>
<p>
    建物の建替えをしないとした場合における当該建物の効用の維持または国配 (1) 概一論、円) 払っR
    をするのに必要となる費用の額およびその内訳、の建物の修繕に関する計画
</p>
<p>
    分所有法上、建替え決議成立後の建替え事業遂行に関する規定がないこ が定められているときは、当該計画の内容、の建物について積み立てられて
    とから、マンションの建替えの円滑化等に関する法律」が制定されました(法 いる修繕積立金の金額を記載します(区分所有法62条5項)。
</p>
<p align="right">
    単発ぼ制定時のもの。平成14年6月19日公布)。これにより、建替組合の設立 記載すべき議案の要領としては、決議において定めなければならないとだ
    を認めてこれを法人とし、権利変換手続によって権利関係の円滑な移行を実 れている、新たに建築する建物の設計概要、の建物の取壊しおよび再建造
</p>
<p>
    「現する制度が設けられました。 物の建築に関する費用の概算額、その費用の分担に関する事項、再
</p>
<p align="right">
    また、同法は、建替え事業の施行方式として、建替組合による施行と個人 物の区分所有権の帰属に関する事項(区分所有法62条2項)について、そのま
    による施行(建替え等円滑化法5条)と2種類を定めています。個人施行とは、 約を記載することが必要です。このうち、3とのについては、各区分所有者
    区分所有者またはその同意を得た者(デベロッパー等)が建替え事業を実施す。 の衡平を害しないようにしなければなりません(同条3項)。
</p>
<p>
    ちるので、全員合意により事業を進めるものです。 建替え決議においては、決議成立後の建替え事業遂行を見据えて、場懇
</p>
<p>
    以ドでは一建替組合による施行について説明します。 施段階で具体的に決定しなければならない内容についても、可能な限り確認
</p>
<p>
    (2) 建替組合の設立 しておくことが重要です。具体的には、事業の方式や実施段階における参加
    血替え決議における建替え合意者は、5人以上が設立発起人となって、定 組合員、専門家の参画や選定、建設会社の選定、建替え不参加者への売波
    認よび事業計画を定めたうえで、建替え合意者の4分の3以上の同意を得 求の方法や内容などが考えられます。
</p>
<p>
    て、都道府県知事等に建替組合設立の認可を申請します(建替え等円滑化法9 (2) 建替え決議成立から建替え合意まで
</p>
<p>
    。認可された建替組合(同法12条)は、法人格が認められます(同法6条)。 建替え決議が成立した場合、集会の招集者は、遅滞なく、決議に賛成した
    この建替組合は、建替え決議のときにおける管理組合とは別の組織になり かった敷地共有者等に対し再建決議の内容により再建に参加するかどうかを ます。
    書面で回答するように催告をします(区分所有法63条1項)。決議不賛成者だ。
</p>
<p>
    (3) 権利変換手続・売渡請求 この催告を受けた日から2カ月以内に、再建に参加するか否かを回答します
</p>
<p>
    資え事業が円滑に遂行されるには、区分所有権、借家権、抵当権など各 (回答しなかった場合には参加しない旨回答したものとみなされます)。
</p>
<p>
    進権利関係がスムーズに再建マンションに移行することが必要です。そのた
    これにより、建替えに参加しない区分所有者が確定しますので、建替えに10の手続が権利変換手続です。
    参加する区分所有者および買受指定者は建替え不参加者に対し、その区分
</p>
<p>
    新者は、権利変換計画を定め都道府県知事等の認可を受けなければなり 渡すことを請求できます(
</p>
<p>
    こ 有権および敷地利用権につき「時価」により売り渡すことを請求できます(
</p>
<p>
    こ ませんが(建替え等円滑化
</p>
<p>
    ませんが(建替え等円滑化法57条1項)、この認可の申請をするに際しては、
</p>
<p>
    1956325
</p>
<p>
    | g3 we -
</p>
<p>
    <strong>220</strong>
    <strong></strong>
</p>
<p>
    <strong>221</strong>
    <strong></strong>
</p>
<br clear="all"/>
<p>
    第6章 マンションの再生
</p>
<p>
    II) 団地建替えの手続
</p>
<p>
    ---
</p>
<p>
    中ーーーーーー
</p>
<p>
    建替組合の議決を経る必要があり、また、建替組合員以外の権利者の同意を
</p>
<p align="center">
    得る必要があります(同条2項)。この議決は、組合員の議決権および持分割 合の各5分の4以上の特別多数決議によります(同法30条3項、27条7号)。
    「この決議がされると、建替組合は当該議決に賛成しなかった組合員に対し
</p>
<p>
    て、その区分所有権および敷地利用権を時価で売り渡すよう請求することが でき(建替え等円滑化法64条1項)、一方で、権利変換計画に関する決議に賛
    成しなかった組合員は、建替組合に対して、その区分所有権および敷地利用 権を時価で買い取るよう請求することができます(同法64条3項)。
    「この権利変換手続により、旧マンションについて区分所有権および敷地利 用権を有していた者は再建マンションの区分所有権および敷地利用権を取得
    し、借家権を有していた者は再建マンションの借家権を与えられます。また、 旧マンションの区分所有権および敷地利用権について担保権を有していた者
</p>
<p align="center">
    方の申立てにより、建替組合がO賃借目的、2家賃の額、支払期日および支 払方法、敷金または借家権の設定の対価を支払うべきときは、その額、に
    ついて裁定します(建替え等円滑化法83条2項)。この建替組合の裁定に不服 がある場合、裁定があった日から起算して60日以内に、訴えをもってその
</p>
<p>
    変更を請求することができます(同条6項)。
</p>
<p align="right">
    再建マンションの建築工事が完了したときは、建替組合は、速やかにその 旨を公告し、再建マンションについて権利を取得する者に通知するとともに
    (建替え等円滑化法81条)、遅滞なく、再建マンションおよびその権利につき
</p>
<p>
    登記をしなければなりません(同法82条)。
</p>
<p>
    B), Aut
</p>
<p>
    I 団地建替えの手続
</p>
<p>
    1 区分所有法の定め
</p>
<p>
    は、再建マンションの区分所有権および敷地利用権につき担保権を設定でき
</p>
<p>
    ることとなります。 「権利変換を希望しない者は、建替組合認可等の公告のあった日から起算し
    て30日以内に、施行者に対して権利変換を希望しない旨を申し出ることと され(建替え等円滑化法56条)、従前の権利の価額に相当する補償金を施行者
    から給付されます。
</p>
<p>
    (4) 建替え工事の実施と完了の公告等 権利変換計画が決定することで最終的な建替え参加者が確定します。その
    段階で、各住戸(専有部分)に関する個別的な設計作業を終え、建替え事業 本体の工事計画を詰めます。これに基づき、建替組合は建物の建築を請け負
    う建設会社と契約を締結し、まだ旧建物の占有を継続している占有者に対し て明渡しを請求します(建替え等円滑化法80条1項)。すべての明渡し完了に
</p>
<p>
    より、いよいよ旧建物の取壊し・新建物の建築工事が開始されます。
</p>
<p>
    工事完成までの間に、区分所有者(賃貸人)と借家人との間で、家賃その 他の借家条件について協議を行います。再建マンション完成後に行われる建
    築工事完了の公告の日までに協議が成立しない場合、当事者の一方または双
</p>
<p>
    (1) 棟ごとの建替えと一括建替え 団地の建替えは、棟ごとに建替えを行う場合と団地全体として建替えを行
    う場合(これを一括建替えといいます)の2つがあります。
</p>
<p>
    平成14年の区分所有法改正により区分所有法69条および70条の規定が新 設されたことにより、団地の建替えに関する規定が整備されました。
</p>
<p>
    (2) 団地内建物の建替え まず、団地内の各棟については、区分所有法62条が適用されるため、こ れにより集会決議を行う必要があります。
</p>
<p>
    各棟の建替えは、敷地に関しては、団地共用部分となるため、団地管理組 合における対応が必要となります(この点、平成14年改正以前は、特段の規定
    が設けられていなかったため、共有物の変更であるとして、団地管理組合の区分 所有者全員の合意が必要となるのではないかとの議論があり、その実施が困難と
    なるのではないかという指摘がありました)。
</p>
<p align="center">
    平成14年改正により新設された区分所有法69条1項は、団地内の特定の 区分所有建物の建替えについて、団地管理組合または団地管理組合法人の集
</p>
<p>
    <strong>222</strong>
    <strong></strong>
</p>
<p>
    <strong>223</strong>
</p>
<br clear="all"/>
<p>
    第6章 借地権と底地
</p>
<p>
    The
</p>
<p>
    「第1節 ■
</p>
<p>
    借地関係とその問題
</p>
<p>
    <strong>111</strong>
    <strong></strong>
</p>
<p>
    1. 借地権の存在
</p>
<p>
    (1) 借地権の形成
</p>
<p>
    借地権とは、建物所有を目的とする土地の賃借権または地上権のことであ
</p>
<p>
    bo
</p>
<p align="right">
    土地を借りて家を建てるという借地関係は,東京方面では江戸の頃から習 慣としてあった。むろん土地の貸借に関しての権利金の授与などはなく,今
    風に言うならば「土地の有効利用」といったごく自然な形でスタートした ものらしい。
</p>
<p align="right">
    その後人口の都市部集中等により地価は高騰したが,それに見合う地代の 値上げが困難だったため,地主側はいわゆる「地震売買」等により,借地人
    に対して種々の攻勢をかけるようになった。そこで, 経済力の弱い借地人を 守るための社会政策的立法が次々となされた。具体的には, 明治42年の建物
    保護法,以下, 借地借家法, 地代家賃統制令等である。
</p>
<p>
    戦後に入ってからはむしろ,「弱い借地人を立場の強い地主の横暴から守 る」といういきすぎた固定観念から,民法や借地法等の運用や改正がなされ
    ていくようになっていった。地代は理不尽なまでに安く据え置かれる一方。
</p>
<p>
    借地期間も事実上無制限に更新できてしまうような状況になり,借地人の地 位は不自然とも思えるほど強固なものになっていった(いわゆる「賃借権の
    物権化」)。その結果,大都市圏を中心に, この借地権自体の価値が,土地の 価値に対して50%, 60%,
    70%といった割合(借地権割合)で示される程の 大変な水準となっていったのである。
</p>
<p>
    なお, 関西方面では以前から東京流の借地の風習はなかったが, この東京 の慣行が,民法やその後の借地関係の立法の基準とされたため,あたかも
</p>
<p>
    <em>146</em>
    <em></em>
</p>
<p>
    「東京弁」が日本の標準語になったかのごとく, 東京流の借地慣行が徐々に
</p>
<p>
    地方へ伝わっていった。さらに大戦後に,地主が財産税制度などによって資 力を失うことになった結果, 戦後急速に借地慣行が各地に拡散し,今では全
    国的に借地関係が存在するようになったとのことである。
</p>
<p align="right">
    現状の借地借家関係を冷静に見てみれば, 明らかに公平を欠いた, 借地人 等に不当に有利な形での法制や運用がなされていると言わざるをえない。一
    般社会では,「貸してしまった土地や建物は盗られてしまったと思え」といっ た考え方が根強い。したがって,こうした矛盾を改善すべく,かなり前から
</p>
<p>
    借地借家法の改正が検討されてきた。
</p>
<p>
    (2) 新借地法
</p>
<p>
    平成3年9月に新「借地借家法」が成立し,翌年8月から施行された。 新借地法は,借地人等の偏重を改め、土地の有効利用を促すという目的で
    作られた。しかし前段の目的は借地人側の強い反発にあい, 骨抜きにされて しまった。何より新法施行以前に発生していた借地借家関係には, この新法
    の適用は及ばず, 旧法の適用となるのだ(更新後も旧法)。また,新法の適 用を受ける普通借地権を, 存続期間の変更等若干の改訂はあったが,本質的
    には旧法のものと大差ないと言わざるをえない。 「もっとも,新借地法は定期借地権という新方式の借地権を定め, 土地の有
    効利用促進に資することとした。定期借地権は, 一般定期借地権。 事業用定 期借地権 建物買取型定期借地権の3種類ある。
</p>
<p align="right">
    このうち事業用定期借地権は,借地期間を10年以上20年以下とし、建物用 途を事業用に限定しており, 郊外レストラン等をイメージしたものだ。従来
    は土地を賃借した形で事業者が建築する事業用の建物を各地に展開するといっ た方式が借地法の存在で地主の協力が得られなかった(借地権が発生し,土
</p>
<p>
    地を取られてしまう)。この点、借地関係を消滅させる定期借地権によって, この問題の解消を図ったわけだ。ただし平成20年から最長期間を50年まで延
    長し,用途の多様性を図った。なお短期型に限って,公正証書による契約を 要件としている。
</p>
<p>
    一般定期借地権は,存続期間を50年以上とするものの,書面による更新排
</p>
<p>
    <em>147</em>
</p>
<br clear="all"/>
<p>
    7
</p>
<p>
    第6章 借地権と底地
</p>
<p>
    図表2.承諾料の目安(首都圏の場合)
</p>
<p>
    ・ 更 新 料 ・増改築承諾料 ・用途変更承諾料 ・名義変更承諾料
</p>
<p>
    更地価格の4~5% 更地価格の2~5% 更地価格の10% 売買代金の10%
</p>
<p align="center">
    除の特約により,借地関係を終了させてしまうという定期借地権である。こ れは土地取得代金を低廉な権利金に変えることにより,良好な住宅を無理の
    ない価格水準で供給することを念頭においている。地価高騰により大 都市圏では,一般サラリーマンには,戸建てのマイホームの取得は困難となっ
    て久しい。こうした中, 自分の人生をエンジョイしたい層には, 3,000万円
</p>
<p>
    台の資金で立派な戸建て住宅が手に入るのは、大きな魅力であろう。筆者は この制度は悪くないと思う。ただし実際は当初期待されていた程は利用され
</p>
<p>
    ていない。やはり権利の複雑さが問題とされたのであろうか。
</p>
<p>
    以上で,新借地法の説明は終わることとし,以下はすべて従来型の借地関 係の説明をする。くり返すが,平成4年8月以前に契約された借地関係は、
    正式に契約が解除されるまで(契約が更新しても同様), 旧法が適用される のだ(要するに、実務上は新法は滅多にお目にかからないのである)。
</p>
<p>
    2.借地関係の問題点
</p>
<p>
    (1) 借地人側
</p>
<p align="right">
    現状の借地関係には,具体的にどのような問題があるのだろうか。これを 図表1の事例に基づき, 借地人・地主の各当事者ごとにそのポイントを簡単
    に説明する。まず借地人側。
</p>
<p>
    借地人は,(今となっては)比較的広い土地に,しかも極めて安い地代で ゆったり住んでいる場合が少なくない。やりようによっては事実上無期限で
</p>
<p>
    借り続けることも可能だ。
</p>
<p>
    しかし,所詮は地主からの借りものの土地だから,その地位は不安定で、
</p>
<p>
    借地期間の延長(更新)には神経を使うし,法的に義務はないというものの 大半の場合は多額な更新料の支払いを要する。(払っていた方が無難)
</p>
<p align="right">
    長年住み続ければ建物は古くなり,改築や増築の問題が発生する。増改築 は地主に無断で行うわけにはいかない。許可を得るためには,やっかいな交
    渉と多額の承諾料が必要となる(堅固な建物への建替えには,別途条件変更 の承諾も必要)。
</p>
<p>
    この借地権を売却しようとすれば、不安定なるが故に売りづらかったり, 地主への承諾料の支払いがあったり,結局手取額はかなり目減りしてしまう。
    さらに近年は借地権の人気が低下傾向にある。
</p>
<p>
    さらに, 借地権は借金の担保になりにくい, という欠点もある。 上記の各種の承諾料や更新料の目安(あくまでも目安にすぎない)は図表
    2のとおりだ。図表のとおり,更新料等の額は地価に連動して算出されるた め,これら一時金の額は近年の地価高騰に比例してハネ上がってしまった。
    事例の場合, 以前なら100~200万円で済んだものが今では500万円見当と, 容易な額ではなくなっている(近年の地価下落で,
    改善されつつはあるが)。
</p>
<p>
    借地人は以上の諸問題を抱えており,その地位は決して安泰ではない。 (2) 地主側
</p>
<p>
    一方, 地主側からこの土地(底地)を考えると, これは欠点ばかりな てもよい。
</p>
<p align="right">
    まず貸している土地の価値 更地価格1億2,000万円かからみて,地代が まるでタダ同然に安い(年30万円 土地価格比葬なんと年0.25%強。さらに
    この30万円からこの土地の固定資館税・都市計画税約10万円が課され, 手取
</p>
<p>
    図表1. 借地関係事例
</p>
<p>
    実勢価格 坪150万円 路 線 価 坪120万円 借地権割合 60% 年間 地代 30万円
</p>
<p>
    <strong>地面80坪</strong>
    <strong></strong>
</p>
<p>
    <em>148</em>
    <em></em>
</p>
<p>
    <em>149</em>
</p>
<p>
    534žba
</p>
<br clear="all"/>
<p>
    787
</p>
<p>
    第6章 借地権と底地
</p>
<p>
    ■第2節 ■
</p>
<p>
    「乖離」の存在と解消策
</p>
<p>
    W; w xがラインケAVCD , W 4異論*)」 1317 | || 着々
</p>
<p>
    Pak w りは20万円という無いに等しい額となる)。
</p>
<p>
    めん。 次に,この土地を返してもらおうと思っても,正当事由がどうのと いった理屈で, 期間満了になっても返してもらえない。
</p>
<p>
    このような土地は持っていても仕方がないので売ってしまおうと思っても, まず買手はいない。や決修塗度やってない2233
</p>
<p align="right">
    もっとも,長年のうちには承諾料等の収受も期待できるし,後述のとおり 借地人との交渉次第では,借地関係の解消により底地の有する潜在価値を取
    り戻す可能性もある,といった将来的な楽しみはある。
</p>
<p>
    変多そ しかし,底地の最大のデメリットは,相続税の評価が,その有する交換価 値に比べてはるかに高いものとされている点であろう。
</p>
<p>
    この問題は,路線価評価割合のアップ(昔は路線価水準は時価比30%~
</p>
<p>
    40%と安かったが,最近は80%前後と高水準となっている)を受け, 底地の 換金性の欠如による納税資金確保という難題を含め,深刻の度を増している。
    地主にとって当底地は極めて頭の痛い存在なのだ。
</p>
<p>
    3tw、-&gt;ん、
</p>
<p>
    1. 借地権・底地権の評価
</p>
<p>
    biha
</p>
<p>
    in
</p>
<p>
    しと。
</p>
<p>
    CL
</p>
<p>
    Kauzer
</p>
<p>
    tae
</p>
<p>
    gy} +3
</p>
<p>
    2 T
</p>
<p>
    「土地代が
</p>
<p>
    安い)
</p>
<p>
    ンル5
</p>
<p>
    したいけど
</p>
<p>
    (1) 借地権の実勢価格
</p>
<p>
    第1節の事例を題材にして, 借地権の評価(実勢価格)を考えてみよう。 一般に借地権の評価というと,
</p>
<p>
    更地価格×借地権割合 (1億2,000万円×60%=7,200万円,以下「建前価格」という) と考えられている。果たしてそれでよいか。
</p>
<p>
    現実の借地権価格は、一応「建前価格」である7,200万円をベースに考え られるが, 借地権の売却となると,実情は下記3点により「建前価格」から
    かなりの目減りした金額となってしまう。 ・借地権の不安定さが嫌気され,一般にかなり値が下がる傾向がある。この
</p>
<p>
    傾向は近年顕著になりつつある。 ・売主である借地権者は,売却価格の約10%の譲渡承諾料を地主に支払わね
</p>
<p>
    ばならない。 ・地主に「先買い権」を行使され,一層安値で買われてしまう不安もある。
</p>
<p>
    これらを考えると、 借地権価格は「建前価格」から20%程度は減額した金 額とならざるをえない。 (2) 底地の実勢価格
</p>
<p>
    底地も,一般に, 更地価格×底地割合(1億2,000万円×40%=4,800万円,以下「建前価格」という) がその評価額であるといわれている。
    しかし底地は, 一時金の期待や借地関係解消の可能性といった将来的な楽 しみはあるものの,地代はタダ同然で、返却を受けることもできず,相続税
</p>
<p>
    151 - 7)s13
</p>
<p>
    979020
</p>
<p>
    承諾料サン
</p>
<p>
    FTLIT
</p>
<p>
    ette
</p>
<p align="center">
    BLZ 1 もらえない
</p>
<p>
    "
</p>
<p>
    "
</p>
<p>
    「te
</p>
<p></p>
<p>
    ...
</p>
<p>
    地主
</p>
<p>
    a hreen
</p>
<p>
    シルバーバン
</p>
<p>
    <em>150</em>
    <em></em>
</p>
<p>
    しかゆみ e%e8% 布hont
</p>
<br clear="all"/>
<p>
    Part 1 事業用借地権とは
</p>
<p>
    Q1 定期借地権制度の背景
</p>
<p>
    1 定期借地権制度の背景
</p>
<p>
    定期借地権の制度が創設された背景を教えてください。
</p>
<p>
    おいては5~6割、都市部の商業地においては8~9割といったような、い わゆる借地権割合によって一律に取り扱われるようになりました。
    「このようにして、借地権は底地よりも価値の高い権利になってしまったの です。借地権価格がどうして発生したのかという点については、借地権者が
    その土地を利用することによって土地が繁栄し、地価が上昇したことによる
</p>
<p>
    寄与分を評価したものであるとの見解も存するところです。
</p>
<p>
    <strong>土地利用に対する多様なニーズに対応するために創 設されました。</strong>
    <strong></strong>
</p>
<p>
    3 敬遠されていった借地権
</p>
<p>
    ++
</p>
<p>
    ++
</p>
<p>
    ++
</p>
<p>
    +
</p>
<p>
    +
</p>
<p>
    定期借地権制度は次のような社会的ニーズから創設されました。
</p>
<p>
    <strong>1 </strong>
    <strong>賃借権の物権化</strong>
    <strong></strong>
</p>
<p>
    | 旧借地法下においては、建物保護ニ関スル法律により、借地権の対抗力が 認められ、二度の借地法改正により、正当事由の要件が硬直化することで借
    地期間の更新が強制化されました。その結果として借地権の存続性が保証さ れ、賃借権の物権化が進み、土地は一度貸してしまうと半永久的に返還され
    ないという先入観が地主の間で生まれていました。
</p>
<p>
    上記のように借地権は次第に強固な権利となり、価値も高いものとなって いきましたが、それに従い借地権がよく利用されていくようになったわけで
</p>
<p>
    はありません。
</p>
<p align="right">
    原因はいくつか考えられるでしょうが、新たな借地権の設定の際には、借 地権価格の発生に伴い、借地権相当額の権利金の支払いが求められたり、地
    価の上昇に伴い、利回り計算による高額な賃料の支払いが求められることに よって負担が大きくなり、所有権を取得するのと大差ない状況になってしま
    ったことも一つだと考えられます。
</p>
<p align="right">
    また、既存契約についても、更新料の授受、譲渡および建替え・増改築の 際の承諾料等、契約期間中の賃料以外の金銭授受の慣行が生じたことも原因
    の一つでしょう。それらの金銭の授受の慣行が生じた背景には、地価の高騰 に伴い、場合によっては固定資産税の負担のほうが大きいというようなこと
    も生じ、低廉な賃料では土地を所有しているメリットがあまりなく、地主の 権利意識の表れとして、定期的な賃料のほかに金銭を求めるようになったこ
    とがあるといえます。一外レ
</p>
<p align="right">
    つまり「人々は対価の高い借地権の設定を受けるくらいなら所有権を取得 したほうがよいと考えて既存の借地権についても、金銭の授受等における地
    主との関係の煩わしさを避けるために底地や借地権の売買により借地権を解 消しようとしていったのです。こうして、新たな借地契約が設定されること
    が激減し、既存の借地契約も次第に解消され、借地権は減少の一途をたどっ
</p>
<p>
    <strong>2 </strong>
    <strong>借地権価格の発生</strong>
    <strong></strong>
</p>
<p>
    我が国では、昭和30年代の高度成長期より、経済情勢が急激に変化し、人 口の都市集中が進み、また住宅事情も変化して急激な地価の上昇を来しまし
    た。こういった地価の高騰と賃借権の物権化という社会的背景を基にして、 いわゆる借地権価格2が発生しました。そして、借地権は税務上、住宅地に
</p>
<p>
    注/ 本来債権である不動産の賃借権が次第にその保護を強化されて物権と類似した性
</p>
<p>
    質を獲得した現象。 土地価格のうち、借地人に帰属する経済的利益の全部または一部を貨幣価値に換
</p>
<p>
    算したもの。
</p>
<p>
    co
</p>
<p>
    .
</p>
<br clear="all"/>
<p>
    Q2 定期借地権の類型
</p>
<p>
    Part 1
</p>
<p>
    事業用借地権とは
</p>
<p>
    2 定期借地権の類型
</p>
<p>
    ていきました。また、戦後すぐに成立した借地権は、昭和40年代に相続の時 期にさしかかると所有権に切り替わり、昭和50年代の更新時期には、この傾
    向に一層の拍車がかかったものと考えられます。
</p>
<p>
    定期借地権にはどのような類型のものがありますか。
</p>
<p>
    4 多様なニーズへの対応の必要性
</p>
<p>
    一般定期借地権、事業用定期借地権等、建物譲渡特 約付借地権の3類型があります。
</p>
<p>
    X
</p>
<p>
    <strong>+++</strong>
    <strong></strong>
</p>
<p>
    <strong>+</strong>
    <strong></strong>
</p>
<p>
    <strong>+</strong>
    <strong></strong>
</p>
<p>
    <strong>+</strong>
    <strong></strong>
</p>
<p>
    <strong>++++</strong>
    <strong></strong>
</p>
<p>
    <strong>++++</strong>
    <strong></strong>
</p>
<p align="center">
    上記の社会経済情勢の中で、地主による新規の借地供給が減少傾向をたど り、従来の借地関係も徐々に解消して、借地権よりも所有権が資産として選
</p>
<p>
    択され、また土地の利用形態も急速に多様化していきました。 しか土地の利用の手法としては、建物所有を目的とする借地権と建物
    所有を目的としない賃借権の2種類のみで、土地利用の多様化には適応でき ない状況になっていました。そのため、土地の利用そのものを固定化、沈滞
    化させ、実際のニーズとの間に大きなギャップを生じるに至り、旧借地法の 画一的な規制の問題点が指摘されるようになりました。典型的には、一定期
    間なら遊休地を貸したいと考える地主、そして軽い一時金負担で一定期間だ け土地を借りたいという事業者等の要求が高まっていたのですが、従来の借
    地制度はこれに応えることができないものだったのです。土地の流動化すな わち土地の新たな供給を促して土地を有効利用するため、既存の借地借家の
</p>
<p>
    権利関係および正当事由制度の見直しを図る必要性が生じていました。
</p>
<p>
    「定期借地権には、借地借家法上の一般定期借地権、事業用借地権等および
</p>
<p>
    建物譲渡特約付借地権の3類型があります。
</p>
<p>
    これら3種類の定期借地権についてそれぞれの特色は、次のようになりま
</p>
<p>
    .
</p>
<p>
    <strong>1 </strong>
    <strong>一般定期借地権</strong>
    <strong></strong>
</p>
<p>
    5 定期借地権制度の創設
</p>
<p>
    そこで、借地借家法の制定により、一定の契約条件のもとに一定期間を過
</p>
<p>
    一般定期借地権は、法22条に規定されています。の存続期間を50年以上と し、契約の更新がないこと、の建物の築造による存続期間の延長を認めない
    こと、借地権者の建物買取請求権を排除することを要件とする借地権です。 これらの要件が一つでも欠ければ、定期借地権は成立せず、普通借地権とみ
    なされます。
</p>
<p>
    これらの特約は公正証書に限定されませんが、書面にしなければ定期借地 権としての効力は生じません。
</p>
<p>
    書面によることとされる理由は、一般定期借地権であることの趣旨を明確 にするためといわれています。
</p>
<p>
    ぎれば借地権が消滅して、土地が必ず返還されるという全く新しいタイプの 定期借地権制度が創設されたのです。定期借地権制度の創設により、借地の
    供給増加、公共事業等の基盤整備等の利用の広がりが実際に進んでいます&gt;
</p>
<p align="right">
    なお、定期借地権には、Q2で解説するように、3種類のものがあります。 いずれも普通借地権同様に借地借家法2条1号に定められた、「建物の所有
    を目的とする地上権又は土地の賃借権」である借地権の一種であることに変 わりありません。
</p>
<p>
    <strong>LO</strong>
    <strong></strong>
</p>
<br clear="all"/>
<p>
    Part 1 事業用借地権とは
</p>
<p>
    Q2 定期借地権の類型
</p>
<p>
    <strong>2 </strong>
    <strong>事業用定期借地権等</strong>
    <strong></strong>
</p>
<p>
    <strong>3 </strong>
    <strong>建物譲渡特約付借地権</strong>
    <strong></strong>
</p>
<p>
    建物譲渡特約付借地権は、法24条1項に規定されています。 普通借地権あるいは一般定期借地権の設定契約で、存続期間が30年以上経
    過した期日に借地上の建物を相当の対価で地主に譲渡することを特約するこ とによって成立する借地権です。
</p>
<p align="right">
    上記の特約の効果により、建物の所有権が地主に譲渡された場合、借地権 者および地主が同一人となりますので、混同の法理により借地契約は確定的
    に終了し、借地権は消滅することになります。
</p>
<p>
    なお、地主は建物の所有権の譲渡を受けうる自らの権利を第三者に対抗す るためには、建物に所有権移転仮登記や所有権移転請求権仮登記等をしてお
    く必要があると考えられます。この特約の方式は書面による必要がありませ んが、後日の紛争を避けるために書面で行われることが望ましいでしょう。
    さらに、この特約は法律上は期限付売買、売買予約、代物弁済予約、交換等、
</p>
<p>
    広く譲渡特約と解されます。
</p>
<p>
    事業用定期借地権等は、法23条に規定されています。
</p>
<p>
    従来の事業用借地権(旧法24条)は、存続期間を10年以上20年以下として いましたが、社会経済情勢の変化に伴う土地利用形態の多様化に対応するた
    め、存続期間の上限が引き上げられました(平成19年改正、平成20年1月1日 the TT). 「具体的には、30年以上50年未満の期間については、
    契約の更新、 建物 の築造による存続期間の延長、借地人の建物買取請求権の規定を排除する
    特約を定め、もっぱら事業の用に供する建物の所有を目的として契約するこ とにより成立する借地権が規定されました(事業用定期借地権、法23条1項)。
</p>
<p>
    同様の期間で普通借地権が設定できるために、特約の有無で普通借地権と区 別されます。
</p>
<p>
    また、10年以上30年未満の期間については、そもそも普通借地権は設定で きませんので、普通借地権(法3条)と区別する必要はありません( 参
</p>
<p align="center">
    。これは、従来の事業用借地権(旧法24条)の期間が延長されたもので、 の契約の更新、の建物の築造による存続期間の延長、借地権者の建物買取
    請求権の規定が最初から排除されています。もっぱら事業の用に供する建物 の所有を目的として契約する点は、事業用定期借地権と同様です(事業用借
</p>
<p>
    地権、法23条2項)。
</p>
<p>
    上記の事業用定期借地権(法23条1項)と事業用借地権(同条2項)をあわ せて、事業用定期借地権等という構造となっています。
</p>
<p>
    なお、法律上の構造はこのようになっていますが、本書のQ3以下の解 一説では、従来から慣れている用語として、事業用定期借地権(法23条1項)
</p>
<p>
    と事業用借地権(同条2項)をあわせで「事業用借地権」を用いることにし 1 .
</p>
<p>
    契約の方式としてはいずれの場合も必ず公正証書によらなければなりま せん。公正証書を作成しない場合には、事業用定期借地権等とはなりません。
</p>
<p>
    (表1) 借地権の種類と差異
</p>
<p>
    定期借地権
</p>
<p>
    事業用定期借地権等
</p>
<p>
    普通借地権
</p>
<p>
    -ELENI
</p>
<p>
    事業用定期|事業用借地
</p>
<p>
    **
</p>
<p>
    dhe
</p>
<p>
    |条 文法 |
</p>
<p>
    #22
</p>
<p>
    法23 I
</p>
<p>
    |
</p>
<p>
    法23I
</p>
<p>
    24
</p>
<p></p>
<p>
    間 |
</p>
<p>
    30年以上
</p>
<p>
    50年以上
</p>
<p>
    「30年以上 | 10年以上
</p>
<p>
    50年未満 | 30年未満
</p>
<p>
    30年以上
</p>
<p>
    利用目的 | 制限なし
</p>
<p>
    #15R TIL
</p>
<p align="right">
    専ら事業の 用に供する 建物の所有 ☆
</p>
<p>
    「同
</p>
<p></p>
<p>
    |
</p>
<p>
    JEZEL
</p>
<p>
    契約形態 | 制限なし
</p>
<p>
    公正証書等 OM
</p>
<p>
    公正証書 |
</p>
<p>
    公正証書)
</p>
<p>
    NUFRY L (書面が望
</p>
<p>
    *LVD)
</p>
<p>
    RO
</p>
<br clear="all"/>
<p>
    Part l 事業用借地権とは
</p>
<p>
    Q3 定期借家権制度
</p>
<p>
    「定期借家権制度
</p>
<p>
    「定期借地権と似た制度で定期借家権という制度があるそ うですが、どのような制度なのでしょうか。
</p>
<p>
    定期借家権は、平成12年3月1日から施行された「良質な賃貸 住宅等の供給の促進に関する特別措置法」により借地
    借家法が改正されて創設された新しいタイプの借家権 で、契約期間の満了により契約が更新されることなく
</p>
<p>
    終了することが大きな特徴です。
</p>
<p>
    月前まで)に通知しなければならないとされています。ただし、通知期間が 経過してしまった場合には、通知をしたときから6カ月を経過すれば契約を
    終了することができます(法38条4項)。
</p>
<p>
    定期借家契約の場合には、特約によって賃料の改定にかかる規定(賃貸増 減請求権。法32条)を排除することもできます(法38条7項)。
</p>
<p align="right">
    このような定期借家契約は、賃貸人の側からみると、契約の更新がありま せんので、契約の終了の際に立退料を払う必要がないというメリットがあり
    ますし、契約期間終了後も新たに賃貸を望む賃借人との間では、新規契約に なりますから、適正賃料をあらためて定めることが可能になります。
</p>
<p>
    上記のようなメリットがあるため、転勤の際に、所有物件を一定期間賃貸 するなど、従来は考えられなかった用法が可能となります。
</p>
<p>
    また、このようなメリットがあるために良質な賃貸物件の供給が増加して 居住用および業務用の賃貸建物市場が拡大することが期待されます。
</p>
<p>
    ただし、国土交通省が平成26年度に行った利用実態の調査では賃貸住宅に 占める定期借家契約の割合は三大都市圏(首都圏、中京圏、近畿圏)の平均で
    3.2%との結果が出ています。 一療圏は種々考えられるのでしょうが、なかなか利用者となる賃借人のニーー
    ズを適切に反映できていないのが実態でしょうか。一
</p>
<p>
    ただし、いわゆるテナント契約などの業務用賃貸借の場面では、実務上か なり多く利用されています。
</p>
<p>
    WER
</p>
<p>
    <strong>+++++++++</strong>
    <strong></strong>
</p>
<p>
    <strong>+++++</strong>
    <strong></strong>
</p>
<p>
    <strong>++++++</strong>
    <strong></strong>
</p>
<p>
    <strong>+++</strong>
    <strong></strong>
</p>
<p></p>
<p>
    定期借家契約を締結する際には、賃貸人が書面により事前に、の契約の更 新がないこと、の期間の満了により賃貸借が終了することを説明しなければ
    なりません(法38条2項)。また、契約は公正証書等の書面で契約する必要が ありますが、必ずしも公正証書による必要はありません(法38条1項)。
</p>
<p>
    さらに、存続期間についても1年未満あるいは20年以上の存続期間を定め ることも可能です(法38条1項・29条)。
</p>
<p>
    また、居住用物件で、賃借人が転居・療養・親族の介護・その他やむを得 ない事由により生活の本拠を移転する必要がある場合には、賃借人からの解
    約申入れを認め、その場合には、契約の存続期間内であっても1カ月後に賃 貸借は終了します(法38条5項)。この規定は強行法規とされています。
</p>
<p align="right">
    契約の終了については、上記のほかに、賃貸人が期間満了時の通知を行う ことにより終了します。すなわち、1年以上の期間を定めた定期借家契約の
    場合は期間の満了による終了を賃借人に通知期間(期間満了の1年前から6カ
</p>
<p>
    女28 し
</p>
<p>
    (後害り))
</p>