賃貸住宅標準契約書

­※3頭書

(1) 賃貸借の目的物

(2) 契約期間

(3) 賃料等

(4) 貸主及び管理業者

(5) 借主及び同居人

(契約の締結)

第1条 貸主(以下「甲」という。)及び借主(以下「乙」という。)は、頭書(1)に記載する賃貸借の目的物(以下「本物件」という。)について、以下の条項により賃貸借契約(以下「本契約」という。)を締結した。

(契約期間及び更新)

第2条 契約期間は、頭書(2)に記載するとおりとする。

2 甲及び乙は、協議の上、本契約を更新することができる。

(使用目的)

第3条 乙は、居住のみを目的として本物件を使用しなければならない。

(賃料)

第4条 乙は頭書(3)の記載に従い、賃料を甲に支払わなければならない。

2 1か月に満たない期間の賃料は、1か月を30日として日割計算した額とする。

3 甲及び乙は、次の各号の一に該当する場合には、協議の上、賃料を改定することができる。

 (1) 土地又は建物に対する租税その他の負担の増減により賃料が不相当となった場合

 (2) 土地又は建物の価格の上昇または低下その他の経済事情の変動により賃料が不相当となった場合

(3) 近傍同種の建物の賃料に比較して賃料が不相当となった場合

(共益費)

第5条 乙は、階段、廊下等の共用部分の維持管理に必要な光熱費、上下水道使用量、清掃費等(以下本条において「維持管理費」という)に充てるため、共益費を甲に支払うものとする。

2 前項の共益費は、頭書(3)の記載に従い、支払わなければならない。

3 1か月に満たない期間の共益費は、1か月を30日として日割計算した額とする。

4 甲及び乙は、維持管理費の増減により共益費が不相当となったときは、協議の上、共益費を改定することができる。

(敷金)

第6条 乙は、本契約から生じる債務の担保として、頭書(3)に記載する敷金を甲に預け入れるものとする。

2 乙は、本物件を明け渡すまでの間、敷金をもって賃料、共益費その他の債務と相殺をすることができない

3 甲は、本物件の明渡しがあったときは、遅滞なく、敷金の全額を無利息で乙に返還しなければならない。ただし、甲は、本物件の明渡時に、賃料の滞納、第14条に規定する原状回復に要する費用の未払その他本契約から生じる乙の債務の不履行が存在する場合には、当該債務の額を敷金から差し引くことができる。

4 前項ただし書きの場合には、甲は、敷金から差し引く債務の額の内訳を乙に明示しなければならない。

(反社会的勢力の排除)

第7条 甲及び乙は、それぞれの相手方に対し、次の各号の事項を確約する。

 (1) 自らが、暴力団、暴力団関係企業、総会屋若しくはこれらに準ずる者又はその構成員(以下総称して「反社会的勢力」という)ではないこと。

 (2) 自らの役員(業務を執行する社員、取締役、執行役又はこれらに準ずる者をいう)が反社会的勢力ではないこと。

 (3) 反社会的勢力に自己の名義を利用させ、この契約を締結するものでないこと。

 (4) 自ら又は第三者を利用して、次の行為をしないこと。

  ア 相手方に対する脅迫的な言動又は暴力を用いる行為

  イ 偽計又は威力を用いて相手方の業務を妨害し、又は信用を毀損する行為

(禁止又は制限される行為)

第8条 乙は、甲の書面による承諾を得ることなく、本物件の全部又は一部につき、賃借権

を譲渡し、又は転貸してはならない。

2 乙は、甲の書面による承諾を得ることなく、本物件の増築、改築、移転、改造若しくは模様替え又は本物件の敷地内における工作物の設置を行ってはならない。

3 乙は、本物件の使用に当たり、別表1に掲げる行為を行ってはならない。

4 乙は、本物件の使用に当たり、甲の書面による承諾を得ることなく、別表第2に掲げる行為を行ってはならない。

5 乙は、本物件の使用に当たり、別表3に掲げる行為を行う場合には、甲に通知しなければならない。

(契約期間中の修繕)

第9条 甲は、乙が本物件を使用するために必要な修繕を行わなければならない。この場合において、乙の責めに帰すべき事由により必要となった修繕に要する費用は、乙が負担しなければならない。

2 前項の規定に基づき甲が修繕を行う場合は、甲は、あらかじめ、その旨を乙に通知しなければならない。この場合において、乙は、正当な理由がある場合を除き、当該修繕の実施を拒否することができない。

3 乙は、甲の承諾を得ることなく、別表第4に掲げる修繕を自らの負担において行うことができる。

(契約の解除)

第10条 甲は、乙が次に掲げる義務に違反した場合において、甲が相当の期間を定めて当該義務の履行を催告したにもかかわらず、その期間内に当該義務が履行されないときは、本契約を解除することができる。

 (1) 第4条1項に規定する賃料支払義務

 (2) 第5条2項に規定する共益費支払義務

 (3) 前条1項後段に規定する費用負担義務

2 甲は、乙が次に掲げる義務に違反した場合において、甲が相当の期間を定めて当該義務の履行を催告したにもかかわらず、その期間内に当該義務が履行されずに当該義務違反により本契約を継続することが困難であると認められるに至ったときは、本契約を解除することができる。

 (1) 第3条に規定する本物件の使用目的遵守義務

 (2) 第8条各項に規定する義務(同条3項に規定する義務のうち、別表第1第(6)号から第(8)号に掲げる行為に係るものを除く)

 (3) その他本契約書に規定する乙の義務

3 甲又は乙の一方について、次のいずれかに該当した場合には、その相手方は、何らの催

告も要せずして、本契約を解除することができる。

 (1) 第7条各号の確約に反する事実が判明した場合

 (2) 契約締結後に自ら又は役員が反社会的勢力に該当した場合

4 甲は、乙が別表第1第(6)号から第(8)号に掲げる行為を行った場合は、何らの催告

も要せずして、本契約を解除することができる。

(乙からの解約)

第11条 乙は、甲に対して少なくとも30日前に解約の申入れを行うことにより、本契

約を解約することができる。

2 前項の規定にかかわらず、乙は、解約申入れの日から30日分の賃料(本契約の解約後の賃料相当額を含む)を甲に支払うことにより、解約申入れの日から起算して30日を経過する日までの間、随時に本契約を解約することができる。

(契約の消滅)

第12条 本契約は、天災、地変、火災その他の甲乙双方の責めに帰さない事由により、本物件が滅失した場合には、当然に終了する

(明渡)

第13条 乙は、本契約が終了する日までに(第10条の規定に基づき本契約が解除された場合にあっては、直ちに)、本物件を明け渡さなければならない。

2 乙は、前項の明渡をするときには、明渡日を事前に甲に通知しなければならない。

(明渡時の原状回復

第14条 乙は、通常の使用に伴い生じた本物件の損耗及び経年変化の場合を除き、本物件を原状回復しなければならない。

2 甲及び乙は、本物件の明渡時において、契約時に特約を定めた場合は当該特約を含め、別表第5の規定に基づき乙が行う原状回復の内容及び方法について協議するものとする。

(立入り)

第15条 甲は、本物件の防火、本物件の構造の保全その他の本物件の管理上特に必要があるときは、あらかじめ乙の承諾を得て、本物件内に立ち入ることができる。

2 乙は、正当な理由がある場合を除き、前項の規定に基づく甲の立入りを拒否することはできない。

3 本契約終了後において本物件を賃借しようとする者又は本物件を譲り受けようとする者が下見をするときは、甲及び下見をする者は、あらかじめ乙の承諾を得て、本物件内に立ち入ることができる。

4 甲は、火災による延焼を防止する必要がある場合その他の緊急の必要がある場合においては、あらかじめ乙の承諾を得ることなく、本物件内に立ち入ることができる。この場合において、甲は、乙の不在時に立ち入ったときは、立入り後その旨を乙に通知しなければならない。

(連帯保証人)

第16条 連帯保証人(以下「丙」という。)は、乙と連帯して、極度額○○円の範囲で、本契約から生じる乙の債務(賃料、延滞賃料に対する遅延損害金、賃借人としての義務違反等に基づく遅延損害金等を含む)を負担しなければならない

(連帯保証人について生じた事由の効力)

第17条 甲が丙に対して履行の請求をした場合には、乙に対してもその効力が生じるものとする

(協議)

第18条 甲及び乙は、本契約書に定めがない事項及び本契約書の条項の解釈について疑義が生じた場合は、民法その他の法令及び慣行に従い、誠意をもって協議し、解決するものとする。

(特約条項)

第19条 第18条までの規定以外に、本契約の特約については、下記のとおりとする。

別表第1(第8条3項関係)

(1) 銃砲・刀剣類又は爆弾性、発泡性を有する危険な物品等を製造又は保管すること。
(2) 大型の金庫その他の重量の大きな物品等を搬入し、又は備え付けること。
(3) 排水管を腐食させる恐れのある液体を流すこと。
(4) 大音量でテレビ、ステレオ等の操作、ピアノ等の演奏を行うこと。
(5) 猛獣毒蛇等の明らかに近隣に迷惑をかける動物を飼育すること。
(6) 本物件を反社会的勢力の事務所その他の活動拠点に供すること。
(7) 本物件又は本物件の周辺において、著しく粗野若しくは乱暴な言動を行い、又は威力を示すことにより、付近の住民又は通行人に不安を覚えさせること。
(8) 本物件に反社会的勢力を居住させ、又は反復継続して反社会的勢力を出入りさせること。

別表第2(第8条4項関係)

(1) 階段、廊下等の共用部分に物品を置くこと。
(2) 階段、廊下等の共用部分に看板、ポスター等の広告物を掲示すること。
(3) 観賞用の小鳥、魚等であって明らかに近隣に迷惑をかける恐れのない動物以外の犬、猫等の動物(別表第1第(5)号に掲げる動物を除く)を飼育すること。

別表第3(第8条5項関係)

(1) 頭書(5)に記載する同居人に新たな同居人を追加(出生を除く)をすること。
(2) 1か月以上継続して本物件を留守にすること。

別表第4(第9条3項関係)

畳表の取替え、裏返しヒューズの取替え
障子紙の張替え給水栓の取替え
ふすま紙の張替え排水栓の取替え
電球、蛍光灯、LED照明の取替えその他費用が軽微な修繕

別表第5(第14条関係)

記名押印欄

 改正民法622条の2第2項の文言に沿って、「乙は、本物件を明け渡すまでの間、敷金を

もって賃料、共益費その他の債務の弁済に充てることができない。」とすることも考えられます。

その場合、併せて、標準契約書書式第6条3項ただし書き末尾を「…乙の債務の不履行が存在す

る場合には、敷金を当該債務の弁済に充てる債務の額の内訳を乙に明示しなければならない。」

とするのが良いと思われます。

 改正民法606条1項ただし書きの文言に沿って修正しました。

 改正民法616条の2の文言に合わせて修正しています。

 契約の目的不動産の違いを考慮した特約の定め方の例として【原状回復義務の特約条項】が

考えられます。

 改正民法621条本文の内容に沿った修正です。

 改正民法施行後に個人を保証人として契約締結する場合は、極度額を定めなければ保証契約

が無効となりますので注意が必要です【賃貸借の保証】。

 個人根保証の場合の元本確定事由につき改正民法465条の4が定めています。

 改正民法458条が準用する441条は、改正前民法と比較して相対的効力事由を拡大して

います。履行の請求は改正前民法とは異なり相対的効力事由とされているため、これを避けるた

めには特約(441条但書)を置く必要があります。なお、連帯保証人を複数置く場合や

請求以外の事由を想定する場合には新民法中の【多数当事者の債権関係の相対効】を参照のこと。

投稿者プロフィール

弁護士 鈴木軌士
弁護士・宅地建物取引主任者。神奈川県にて25年以上の弁護士経験を持ち、特に不動産分野に注力している。これまでの不動産関連の相談は2000件を超え、豊富な経験と知識で依頼者にとって最良の結果を上げている。