「え!?こんなものまで保証人が支払わなければいけないの?」
○ 賃貸借契約の保証人の損害回避方法等について
第1.はじめに
1.不動産賃貸借契約における保証人の負うリスクとは
→保証人の負担すべき債務の額、期間が不明確
例えば、金銭消費貸借契約の保証人は自分が保証する債務の額は決まっているが、賃貸借契約の場合は、滞納家賃が膨れ上がる恐れ、さらに強制執行費用も加わる恐れなどがあり、債務の額は決まっていない。
また、賃貸借契約は長期にわたるのが通常なので、保証契約も長期に及びいつ終わるかが不明であることが多い。
2.賃貸人から連帯保証人に請求できる内容
→連帯保証人は、賃貸借契約から生ずる賃借人の一切の債務を負担するので、賃貸人は明渡請求以外の金銭請求が出来る。
3.解決方法
→保証人の負うべき責任の範囲を理解する。責任の範囲は、契約内容や、蓄積された判例理論から導かれる。また、損害を出来る限り少なくする努力をする。
なお、現行の連帯保証契約は、民法改正の対象となっており、今後、法改正による解決も見込まれる。
第2.不動産賃貸借における連帯保証とは
1.連帯保証とは、保証人が主たる債務者と連帯して債務を負担する保証のことを言う。保証債務の一種として,主たる債務に対して付従性(責任の主従)がある。また、主たる債務者と連帯しているため補充性(責任の先後)が認められない(民法454)。
不動産賃貸借の場合、負うべき債務は、賃料、賃料相当損害金、原状回復費用、残置物撤去費用、強制執行費用等、一切の債務。
○判例①
「一般に不動産賃貸借契約における賃借人の保証人は、特段の定めがない限り、その賃貸借契約から生ずる賃借人の一切の債務を担保するものであって、延滞賃料に付いてはもちろんのこと、契約解除後の賃借物返還義務の履行遅滞による損害賠償義務についても保証責任を負う。」(東京地裁昭和51.7.16)
「一般に不動産賃貸借契約における賃借人の保証人は、特段の定めがない限り、その賃貸借契約から生ずる賃借人の一切の債務を担保するものであって、延滞賃料に付いてはもちろんのこと、契約解除後の賃借物返還義務の履行遅滞による損害賠償義務についても保証責任を負う。」(東京地裁昭和51.7.16)
○判例②
「賃借人が建物内で自殺したため、連帯保証人に善管注意義務違 反による損害賠償につき保証債務の履行を求めた事案で、連帯保証人についての責任を認めた(請求金額676万円のうち132万円)。」(東京地裁平成19.8.10)
○判例③
「賃借人が賃借土地を無断転貸し、同転貸人が同土地に産業廃棄物等を不法投棄したことによる原状回復義務の不履行による損害賠償義務を連帯保証人に請求することを認めた。」(最高裁平成17.3.10)
※ 更新料については、裁判例は積極、消極と分かれている。
2.賃貸借契約は、解除等がされなければ終了せず、また、解除後も賃借人が住み続けている限り、賃料相当損害金は増え続けるので、債務が増え続けることになる。
また、原状回復費用や強制執行費用は予め予測できない。
→この点が最大のリスク
もちろん、連帯保証人が支払った場合、賃借人に対し、求償権を行使することが出来るが、賃料を支払えないような賃借人は支払いをすることが出来ないことが通常なので、回収できない可能性が高い。
●ケースA
一軒家を賃貸していたが、家賃を滞納し、任意の明渡に応じず、強制執行までした事案での請求金額
家賃19万円×3ヶ月分、賃料相当損害金38万円×3ヶ月分、強制執行費用104万円、原状回復費用(不明)
合計275万円
→家賃が高いこともあるが、半年間の未納でこのくらいの金額になることもある。
※ 家賃保証会社
賃貸住宅の契約時に必要な賃借人の連帯保証人を代行する会社である。賃借人が家賃滞納などの家賃債務の債務不履行をした場合、賃借人に代わって家賃保証会社が代位弁済を賃貸人に行う。賃貸保証会社、家賃債務保証会社という呼称を用いることもある。
→賃貸人にとっては、個人の連帯保証人よりも回収可能性が高く、賃借人にとっては連帯保証人の成り手がいない場合に利用できる点でメリットがある。
但し、家賃保証会社も上記のとおり連帯保証のリスクを負う。このリスクを回避するために、強引な家賃督促や退去手続きを行い問題となっていることもある。
3.契約期間
不動産賃貸借契約における契約期間は、付従性により、本契約が係属する限り、継続する。
そして、通常の賃貸借契約では、どちらかから解約の申入れ等がなければ、合意更新され、されない場合は法定更新されて継続することになり、保証契約も同様である。
そうすると、一度連帯保証人になってしまうと、保証人の地位が長期に継続されることになるのが通常である。
○判例④
「建物賃借人の保証人は、更新後に保証人の責を免れるとの明示がない限り、更新後に生じた債務についても責任を負う」(東京地裁平成6.6.21)
「建物賃借人の保証人は、更新後に保証人の責を免れるとの明示がない限り、更新後に生じた債務についても責任を負う」(東京地裁平成6.6.21)
第3.賃貸借契約の解除・明渡と連帯保証
1.不動産賃貸借契約を解除・明渡する場合の連帯保証人の責任
建物明渡請求する場合の解除請求の相手方は賃借人が原則なので、賃借人に解除通知が到達する必要がある。連帯保証人には原則として、解除通知の受領権限はなく、建物明渡義務はない。
○判例⑤
「建物明渡義務は、賃借人の一身専属的な義務であり、保証人が代わって実現することはできない。建物明渡について保証債務は、明渡の不履行により、この義務が損害賠償義務に変ずることを停止条件として効力を生じる」(大阪地裁昭和51.3.12)。
「建物明渡義務は、賃借人の一身専属的な義務であり、保証人が代わって実現することはできない。建物明渡について保証債務は、明渡の不履行により、この義務が損害賠償義務に変ずることを停止条件として効力を生じる」(大阪地裁昭和51.3.12)。
しかし、賃借人が行方不明になった場合など、解除通知を賃借人が受け取れない場合には、訴訟提起し、公示送達(裁判所の掲示板に呼出状を貼り付けるという手続き)による必要がある。
但し、上記方法が原則となるものの、連帯保証人がいる場合には、賃借人が行方不明になった場合などには、連帯保証人に対し、事実上、契約の解除と明渡義務の履行を求めることが出来る場合もある。
連帯保証人の立場からは、このような場合には出来る限り早く、賃貸人から連絡をもらい、任意に明渡を進めた方が、未払い賃料額が抑えられるし、強制執行費用が掛からずに済むと言える。
なお、上記不都合を回避するため、家賃保証会社等では、賃借人から予め契約解除の権限を授与している。また、賃借人が行方不明なった場合に備えて、連帯保証人に解除通知を受領する権限を授与しておくという方法も考えられる。
→但し、このような特則がある場合でも「実際の権限の行使が賃借人の意思に反する場合には、権限の行使の効果が否定される可能性や、不法行為に該当する可能性がある」と考えられている。
特則
1 丙(連帯保証人)は、法令上認められている場合、乙(賃借人)の承諾がある場合は、以下の行為を行うことが出来るものとする。
① 乙において賃料等の滞納が生じたときに、乙に対し、電報、電話、訪問、文書の掲示・差し置き、封書による通知等相当の手段により支払を行うよう督促を行うこと。
② 乙の安否及び本物件の利用状況を確認するために、本物件の合鍵を甲から借り受けて本物件に立ち入ること。
③ 乙に代わって、原契約を解除すること。
④ 乙があらかじめ指定した緊急連絡先その他関係者へ連絡すること。
2 乙は、以下の各号に該当する事由が発生し、甲乙間の信頼関係が破壊したと認められる場合、丙に対し、乙に代わって原契約を解除する権限をここに授与する。
① 乙が、原契約に基づく賃料等の支払を相当期間行わなかったとき。
② 丙が、乙又は乙から届け出を受けた連絡先に督促を行ったにもかかわらず、相当期間乙本人との会話又は面談を行うことができないとき。
③ 電気・ガス・水道の利用状況、郵便物の状況等から、乙が本物件において通常の生活を営んでいないと認められるとき。
●ケースB
賃借人が夜逃げしてしまった場合の手続き(賃借人側の立場)
賃借人が家賃滞納、連絡が取れなくなる(行方不明)
↓
連帯保証人に連絡し、連帯保証人立会いの下で部屋に立ち入り確認
↓
未払い家賃の支払いと残置物撤去を連帯保証人との間で合意
↓
未払い家賃、リフォーム代金等と敷金を精算し連帯保証人に請求
上記事案では、連帯保証人が積極的に動いてくれたので、スムーズに手続きを進めることが出来たが、連帯保証人が動いてくれない場合には、勝手に残置物などの処分を出来ないので、訴訟手続きを取る必要があり、非常に面倒になる場合もある。
●ケースC
連帯保証人が付いていない不動産賃貸借契約で、賃借人が転貸し、その後、賃借人が死亡、賃借人の相続人が全員相続放棄をしてしまったという事案
契約解除の相手方が存在しないので賃貸借契約解除に基づく明渡請求の訴訟提起も出来ない。また、賃貸人と賃借人との間の賃貸借契約を債務不履行解除すれば、賃借人と転借人との間の賃貸借契約があっても明渡請求出来るが、解除できていないので、転借人に対し、明渡請求が出来ない。
第4 連帯保証人に対する請求
1.実際に、連帯保証人に対して請求された場合に、連帯保証人は責任を免れることが出来るか。
前述したとおり、保証人は「賃貸借契約から生ずる賃借人の一切の債務を担保する」ので、免れることは出来ないのが原則。
但し、下記のような場合には、信義則違反として、請求が制限される場合がある。
○判例①
「賃貸人が和解調書に基づき容易に明渡執行ができたのに、建物が不便な場所にあり、また、広すぎて新たな賃借人が得難いことから、このまま損害金の支払いを受けた方が得策と考えて執行に着手しなかった場合に、明渡完了に通常必要な期間を経過した後の損害金については責任を負わない(1年分だけ認めた)。」(東京地裁判昭和51.7.16)
「賃貸人が和解調書に基づき容易に明渡執行ができたのに、建物が不便な場所にあり、また、広すぎて新たな賃借人が得難いことから、このまま損害金の支払いを受けた方が得策と考えて執行に着手しなかった場合に、明渡完了に通常必要な期間を経過した後の損害金については責任を負わない(1年分だけ認めた)。」(東京地裁判昭和51.7.16)
○判例⑥
「連帯保証人となった時点で既に滞納があり、その後も賃借人はほとんど賃料を支払わず、滞納額は1000万を超え、その間、賃貸人は動産執行や支払いを求める書面を送付したものの、退去等の措置は何ら取らなかった。これらの事情から、賃貸人が漫然と滞納賃料を増加させたと言え、1000万円を超える金額を請求することは信義則に反するとし、当初の契約期間である3年間における延滞賃料のみ負担すべきとした(110万円)(東京地裁平成25.6.14)
→上記2つの裁判例によれば、賃貸人が明渡請求を怠っていたような場 合には、信義則違反として、全額請求することが出来ない場合があると言える。
●ケースD
借家契約の事案で、10年以上にわたり、賃借人が賃料を支払っておらず、賃貸人も請求していなかった事案で、賃借人に対し、明渡と未払い賃料請求、連帯保証人に賃料請求の訴訟が提起された事案。
まず、家賃の時効は5年間なので、それを超える部分については時効援用。連帯保証人は、請求金額の半額くらいで単独で和解。賃借人は資力がなく、破産せざるを得ない状況だったので、建物を明け渡した上で、数十万円の分割払いで和解成立。
賃料については、時効や信義則による制限があるので、ある程度、金額の想定は可能。しかし、賃料相当損害金や原状回復義務や明渡の強制執行費用等は想定できないものもあるので、とにかく賃借人に任意に明渡をさせることが重要。
第5 連帯保証契約を解除するには
1 保証債務を免れるための方法として、保証契約を解除し、離脱することが出来ないか。
不動産賃貸借契約における保証契約は、賃貸人と連帯保証人間の契約なので、賃貸人が合意すれば合意解約可能。一般的に、賃貸人としては、別の保証人や保証会社などを付けることが出来れば、合意解約に応じてもらえる可能性はある。
しかし、保証人が離脱したいような事案で、新たな保証人を探すことは困難、また、賃借人の事情として、過去に破産するなどして、保証会社を付けられないようなケースもあり、このような場合は合意解約は困難と言える。
また、解除特約等を付けても、賃借人が賃料を支払っていれば、解除原因がないので、解除は出来ない。
2 次に、賃貸借契約更新後に保証人が責任を負うか。
最高裁判例の事案は、賃貸人は、昭和60年6月1日から賃貸期間を2年間として、賃借人にマンションを賃貸し、連帯保証人が付いた。
昭和62年6月 2年間更新合意
平成1年8月 2年間更新合意。この更新期間中に75万円未払い
平成3年7月 2年間更新合意。この更新期間中に750万円未払い
平成4年7月 賃貸人から賃借人に対し更新拒絶を通知
平成5年6月 賃貸人から連帯保証人に対し賃料未払いがあることを通知。その後、賃借人は賃貸人にマンションを明渡。
なお、上記更新合意時には、連帯保証人に対し保証意思の確認はなく、署名・押印もなかった。
連帯保証人は、本件保証契約の効力は合意更新後に生じた未払い賃料には及ばない、仮に及ぶとしても信義則上、請求は認められないとして争った。
○判例⑦
「建物の賃貸借は、一時使用のための賃貸借等の場合を除き、期間の定めの有無にかかわらず、本来相当の長期間にわたる存続が予定された継続的な契約関係であり、期間の定めのある建物の賃貸借においても、賃貸人は、自ら建物を使用する必要があるなどの正当事由を具備しなければ、更新を拒絶することができず、賃借人が望む限り、更新により賃貸借関係を継続するのが通常であって、賃借人のために保証人となろうとする者にとっても、右のような賃貸借関係の継続は当然予測できるところであり、また、保証における主たる債務が定期的かつ金額の確定した賃料債務を中心とするものであって、保証人の予期しないような保証責任が一挙に発生することはないのが一般であることなどからすれば、賃貸借の期間が満了した後における保証責任について格別の定めがされていない場合であっても、反対の趣旨をうかがわせるような特段の事情のない限り、更新後の賃貸借から生ずる債務についても保証の責めを負う趣旨で保証契約をしたものと解するのが、当事者の通常の合理的意思に合致するというべきである。もとより、賃借人が継続的に賃料の支払を怠っているにもかかわらず、賃貸人が、保証人にその旨を連絡するようなこともなく、いたずらに契約を更新させているなどの場合に保証債務の履行を請求することが信義則に反するとして否定されることがあり得ることはいうまでもない。
以上によれば、期間の定めのある建物の賃貸借において、賃借人のために保証人が賃貸人との間で保証契約を締結した場合には、反対の趣旨をうかがわせるような特段の事情のない限り、保証人が更新後の賃貸借から生ずる賃借人の債務についても保証の責めを負う趣旨で合意がされたものと解するのが相当であり、保証人は、賃貸人において保証債務の履行を請求することが信義則に反すると認められる場合を除き、更新後の賃貸借から生ずる賃借人の債務についても保証の責めを免れないものというべきである。」(最高裁平成9.11.14)
→本件では、信義則に反するような特段の事情はないとして、賃貸人の請求は認められた。
3.合意更新後の保証人の責任が否定された事案
○判例⑧
「契約書に賃料の支払いを2ヶ月怠ったときは、貸主は賃貸 借契約を無催告解除できるとの文言があり、更新前に連帯保証人から保証契約解除の申し入れがあり、更新時において借主の延滞額は200万円にも及んだが本件賃貸借契約が法定更新され、最終的に延滞賃料が400万円を超えるまでになった場合に、本件連帯保証契約が締結された当時、契約当事者間においてこのような事態が予想されていたとは言い難いとして、保証人の責任は免れるとした」(東京地裁平成10.12.28)
「契約書に賃料の支払いを2ヶ月怠ったときは、貸主は賃貸 借契約を無催告解除できるとの文言があり、更新前に連帯保証人から保証契約解除の申し入れがあり、更新時において借主の延滞額は200万円にも及んだが本件賃貸借契約が法定更新され、最終的に延滞賃料が400万円を超えるまでになった場合に、本件連帯保証契約が締結された当時、契約当事者間においてこのような事態が予想されていたとは言い難いとして、保証人の責任は免れるとした」(東京地裁平成10.12.28)
○判例⑨
「本件支払委託契約及び本件支払委託保証契約の契約書であることに争いのない甲第1号証の更新条件の区分の欄は,「1自動更新」ではなく「2更新手続要」に丸印が付されているから,保証人は,更新の際には改めて更新手続が行なわれるものと理解していたと解するのが自然であり,この記載は,上記最高裁判例がいう反対の趣旨をうかがわせる特段の事情に該当すると解するのが相当である。
したがって,本件支払委託契約が更新されたとしても,そのことによって,当然に本件支払委託保証契約が更新されたと解することはできない。」(東京簡易裁判所平成15.5.27)
○判例④
「賃借人は1回目の合意更新後から賃料の支払いを怠ったと ころ、賃料の支払いがないまま連帯保証人に何らの連絡もなしにその後2回も合意更新することは社会通念上あり得ないとして、保証人の責任を賃料不払いとなってから2回目の合意更新時までに制限した事案(526万円のうち395万円部分と更新料が認められた。原状回復費用は認められなかった)」(東京地裁平成6.6.21)
→上記3つの裁判例によれば、保証人の責任が制限される場合と言う のは、賃料の滞納があるにも関わらず、賃貸人が漫然と合意更新を行った上、保証人に請求などの連絡をしない場合と考えられる。
しかし、仮に、保証人の責任が免れるとしても、賃料滞納の期間が長期に及べば、その分請求額は増えてしまい、リスクは高まるので、保証人としては、賃貸人と連絡を取り合い、賃借人が賃料滞納をした場合にはすぐに連絡をしてもらうようにした上で、賃借人に早期に明渡をするよう求め、賃借人がこれに応じない場合には、賃貸人に対して、明渡などの手続きを進めるよう促すことが重要と考える。
また、前述した解除特約を予め締結しておくことも有効と考える。
第6 連帯保証契約を締結するポイント
① 賃料の滞納があったら賃貸人からすぐに連絡が来るようにする
② 合意更新時の保証継続は、自動更新ではなく手続きを要することにする
③ 保証会社も一緒に保証契約してもらう
④ 賃貸借契約の解除特約を締結しておく
⑤ 安易な保証契約はしない
第7 最後に
上述してきた不動産賃貸借契約における連帯保証人のリスクについては、法改正による解決が望まれるところ、民法改正案によれば、以下の点が変更される。
・極度額設定の義務化
保証契約を締結する際に、負担する債務の極度額を定めないと、同保証契約は無効となる。例えば、賃料何か月分といった極度額が定められることになり、それ以上に債務が増えたとしても保証人は負担を免れる。
・情報提供義務
保証人から請求があれば、賃貸人は、賃料遅滞の状況について回答する義務が定められた。また、事業用不動産の場合には、賃借人は保証人に対し、自己の財務状況等を説明する義務が定められた。
以上
投稿者プロフィール
-
弁護士・宅地建物取引主任者。神奈川県にて25年以上の弁護士経験を持ち、特に不動産分野に注力している。これまでの不動産関連の相談は2000件を超え、豊富な経験と知識で依頼者にとって最良の結果を残している。
最新の投稿
- 2024.02.07解決事例同居する娘の暴力等に悩む両親からの依頼で娘を家から立ち退かせた事例
- 2023.08.30解決事例借地人からの依頼で借地権を地主に、相場よりもかなり高額で買い取ってもらうことに成功した事例
- 2023.08.01解決事例家賃を滞納した賃借人を退去させ、未払いの賃料、原状回復費用も回収できた事例
- 2023.07.05新着情報業務委託報酬等請求訴訟を訴訟上の和解で解決した事例
新着情報の最新記事
- 業務委託報酬等請求訴訟を訴訟上の和解で解決した事例
- 夫婦の離婚に伴い、夫婦共有不動産の妻の単独取得に成功した事例を追加いたしました
- 離婚と不動産に関する解決事例を追加いたしました
- 年末年始のお知らせ
- 年末年始のお休みのお知らせ
- 共有者の1名が売却に反対していた更地(共有)を共同売却した事例
- 共有の賃貸アパート1棟の競売(落札)による共同売却に成功した事例
- 遺産分割協議では、持分を現金で取得することを拒絶されたが、共有物分割請求をすることで持分を現金で取得できた事例
- 共有不動産を担保にした借入金で持分を時価で買い取ってもらった事例
- 高齢の依頼者がリバースモーゲージで不動産担保ローンを組んで持分を買い取った事例
- 高齢の父親が居住する共有の分譲マンションで父親に持分を買い取ってもらった事例
- 持分を担保とした融資を受けた後に、共有不動産を共同売却した事例
- 持分買取業者の共有物分割請求訴訟に対して居住者による持分買取の和解を成立させた事例
- 相手方からの賃料請求を断念させた事例
- 不動産競売によって、業者の査定よりも高額で落札されて、その結果、より有利な条件で共有持分売却ができた事例
- 不動産競売によって、業者の査定よりも高額で落札されて、その結果、より有利な条件で共有持分売却ができた事例
- 複数の共有の賃貸不動産の持分を時価で買い取ってもらい、未分配だった賃料も回収した事例
- オンライン面談導入のご報告
- 第1回「借家立ち退き・借地の整理(消費費税アップのチャンスを活用する)」
- 第8回底地・借地の処分にかかわる法律問題
- 「ザ・空家への対策!!」 (空家等対策の推進に関する特別措置法等について)
- マンション建替円滑化法について
- セミナー情報