複数の共有の賃貸不動産の持分を時価で買い取ってもらい、未分配だった賃料も回収した事例

共有不動産は東京都にある複数の貸家と相手方居住の自宅敷地で、この貸家から発生する賃料が未分配の事案でした。

これは相続によって兄弟4人の共有になっていた不動産の問題です。

その不動産は貸家が複数と長女居住の自宅の敷地でした。賃料収入は長女が独占していて相談者である弟には賃料の分配がされていませんでした。

相談者は正確な賃料額すら知らず、賃料額を裏付ける証拠資料も持っていませんでした。

相談者は他の兄弟に持分を買い取ってもらうことと賃料分配を受けることを希望したため、当事務所が依頼を受け、長女と長男及び次女に対して共有物分割協議の申し入れと賃料分配の請求をしました。

相手方から賃料金額を裏付ける決算書類(不動産所得について)が提出されたため賃料額を特定することができました。和解交渉をしましたが、不動産が複数あったことから現物分割を主張して持分買取を拒絶したため協議は成立しませんでした。

そこで共有物分割請求訴訟を起こしました。

訴状の中で共有不動産と長女名義の不動産が入り乱れており現物分割をすると価格を著しく減少させるおそれがある旨を主張しました。

裁判官が当方の主張に理解を示し現物分割が難しい旨の発言があったことから、相手方の代理人弁護士から時価での持分買取と未分配の賃料額支払いの和解案が提案されました。

その後4回目の期日で和解が成立し依頼者は持分の時価相当額と未分配の賃料を得ることができました。

この事例では賃料に関する資料が早期に提出されましたが、仮に提出されなかったとしても合理的根拠に基づいて計算した賃料を訴訟中で請求すれば裁判官は賃料を独り占めしている人に対して少なくとも資料の提出を求めてくれます。この求めに応じなかった場合は賃料請求についての当方の主張をそのまま認めるという判断をしてもらえることも多いです。なので、賃料分配を受けたいけど賃料額が分からない、根拠となる資料がないという悩みをお持ちの方も当事務所にご相談されることをお勧めします。

なお、共有不動産が複数ある場合には、共有者間で現物で分けやすいことから現物分割がされることがあります。しかし権利関係が複雑で現物分割をすると価格を著しく減少させるおそれがある旨を主張すれば、裁判所に理解してもらえる可能性はあり、その結果、持分買取での話にすることができます。

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