裁判例⑰【東京地判平16・4・23判時1866号65頁】

仲介業者Y2の仲介による売主Y1と買主Xらとの中古住宅の売買において、建物の台所の一部が火災に遭い焼損(建物本体の一部の炭化)として残存している事情は「買い手の側の購買意欲を減退させ、その結果、本件建物の客観的交換価値を低下させ」たのは瑕疵に当たる。売主・買主双方から仲介の依頼を受けた仲介業者Y2は、「売主の提供する情報のみに頼ることなく、自ら通常の注意を尽くせば仲介物件の外観(建物内部を含む)から認識することができる範囲で、物件の瑕疵の有無を調査して、その情報を買主に提供すべき契約上の義務を負う」。「本件焼損等は、Y2がこれを認識している場合には、信義則上買主に告知すべき事項であるところ、Y2は、本件焼損等をY1から知らされていなかったが、注意して見分すれば本件建物の外観から本件焼損の存在を認識することができたということができ、そのうえでY1に問いただせば、本件火災や消防車出動の事実も知り得たと認められる」。Y2が「本件焼損等を確認した上で、買主Xらに情報提供すべきであったのに、これを怠った」としY2の債務不履行責任を認め、Y2に支払った報酬相当額の損害賠償請求を認めた。