業務委託報酬等請求訴訟を訴訟上の和解で解決した事例
ご相談者様について
■相談者:Aさん(40代)
■相手方:X社及びY社
ご依頼の背景
Aさんは、Aさんの兄夫婦が経営するX社及びY社(代表取締役はいずれもAさんの義姉)と共同して事業を行っていたところ、この2社がそれぞれAさんの行った業務に対する報酬を支払わなかったこと等から、その支払を求めるため、当事務所に相談にいらっしゃいました。
その後、当職から上記2社に対してそれぞれ文書にてAさんの行った業務に対する報酬の支払を求めましたが、その支払はありませんでした。
そのため、当職は、Aさんからの依頼を受け、上記2社に対して、業務委託報酬等請求訴訟を提起しました。
解決までの経緯
上記訴訟の中で、X社及びY社はいずれも当方からの請求を争ってきました。さらに、Y社が、本来Aさんが支払うべき費用を立替払していた事実が明らかになり、Y社がAさんに対して有するこの立替金請求権と当方からの請求権を相殺する旨がY社より主張されました。これによりAさんからY社に対して業務委託報酬を請求することは難しくなりました。
一方で、Aさんの妹がX社の株式を保有しており、X社がこの株式の取得を望んでいたことから、X社との間では、Aさんの妹が保有する株式をX社に譲渡する代わりに、当方からの(X社に対する)請求額満額を支払ってもらう形での和解解決が考えられました。
当職は、早速、Aさんの妹さんに連絡をと取り、X社に株式を譲渡することについての承諾を得て、X社に対して上記の和解解決を提案しました。
これに対して、X社は、当初、当方からの(X社に対する)請求額満額を支払うことに難色を示していましたが、早期解決に向けた当職の粘り強い交渉によって、最終的には、当方からの(X社に対する)請求額満額を支払うことに同意しました。
その後、Aさんの妹さんの協力を得て、株式をX社に譲渡することができ、X社との間では、無事、X社がAさんに対してその請求額満額を支払うという内容で訴訟上の和解を成立させることができました。
これにより、Aさんは、Y社からは業務委託報酬の支払を受けることはできませんでしたが、X社からはその請求額満額の支払を受けることができました。
投稿者プロフィール
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弁護士・宅地建物取引主任者。神奈川県にて25年以上の弁護士経験を持ち、特に不動産分野に注力している。これまでの不動産関連の相談は2000件を超え、豊富な経験と知識で依頼者にとって最良の結果を残している。
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